「後藤沙緒里」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2015/9/1

後藤沙緒里

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第80回となる今回は、テレビアニメ「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」不破氷菓役、「STEINS;GATE」桐生萌郁役などを演じる後藤沙緒里さんです。

――現在放送中の「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」で演じている不破氷菓役には、どんな魅力を感じていますか?

後藤:性知識に並々ならない好奇心を持ち、妊娠に関する事柄を探究し、昆虫の交尾などを観察するなど日夜独自に研究をしている女の子です。氷菓の「知りたい気持ち」はすごく理解できると感じています。私がキャラクターに対して「この子は普段何を考えて生きているんだろう・・?」と興味を持つ事と同じように。私も「知りたい」好奇心はとても強い方ですが、むしろそれはとてもシンプルな欲求で・・。氷菓の周りに左右されず信念を貫いて生きている姿はとても清々しくかっこいい。そんなところが魅力的に感じます。

――深いですね…。最近続編の発表があった「STEINS;GATE」の桐生萌郁役も、強く印象に残ったキャラクターでした。以前演じた彼女を振り返って、どんな役だったと感じますか?

後藤:感情を読み取るのが難しい子でした。表情変化も乏しいので・・彼女が何に喜びを感じて何に不快感を抱いているのか、どんな生い立ちがあってこれから何をしようとしているのか、わからなくて、最初は困惑していました。

――その後、困惑が解消されることは?

後藤:演じる際にどうお芝居を見せるか、アプローチをかけるかというより「萌郁の心のままにいてね。どんなあなたも大好き。あなたに寄り添います」と心身ともに捧げた気持ちでいつもいました。命を吹き込むというより、すでにある命に対してどう寄り添えるか。これは私がどのキャラクターに対しても抱く気持ちなのですが・・現実の人間同士のような関係でいたいですね。


――後藤さんの体を通して、キャラクターが表に出てくると。

後藤:そう聞くと、なんだかかっこいいのですが・・笑
キャラクターが私に心を許してくれて、自由に生き生きと現われてくれたらなにより嬉しい、最高だなと思います。
そして作品に触れてくれる皆様に、キャラクターの存在感、命を感じてもらいたい。キャラクターのことを理解してもらいたい、好きになってもらいたい。その為になれたらと思っております。

――普段の言動が、そのキャラクターに引っ張られることも?

後藤:私とキャラクターは確実に別人なので、私という人間性がブレる事はありません。ただ、その子の事をもっと理解したくて、どう寄り添えるのか、考えをめぐらす時間は多くなることもあるかもしれません。私にとって大切な時間です。

――表現者の生き方、という感じがします。ではこのあたりで、趣味についても聞かせてください! 最近好きなものや、凝っていることは?

後藤:料理は好きです。最近作って美味しかったのはポークシチューです。デミグラスソースにワインやケチャップ、牛乳を入れて。肉じゃがも好きでよく作りますね。煮込むお料理が好きでよく作ってしまいます。


――他にもありますか?

後藤:本は好きです。図書館や本屋さんには何時間でもいられますね。特に好きなのはノンフィクション。現実にあった出来事に想いを馳せ、学ぶ時間は大切だなと感じています。宇宙や植物、鉱物、動物図鑑なども好きで、神社仏閣、古城の写真集も大好きです。最近は、少し変わった見方かもしれませんが、刀や戦艦などに関する書籍も読んでいました。

――魅力とは?

後藤:例えば、あの大きな戦艦にどのくらいの人が乗っていたのか、どのくらいの人たちの心が注がれたのか、歴史を考えてしまいます。それを作った方々、それに乗っていた方々の気持ち、送り出すご家族の気持ち、戦いのあった時代背景を含め考えてしまう。そこに生きた人の想いから学ぶ事がたくさんあると思います。

――少し過去を振り返ってみたいと思いますが、あらためて、声優を目指したきっかけとは?

後藤:お芝居が好きだと自覚したのは中学の時です。演劇部での活動が厳しくて楽しくて。その後に一般公募の声優オーディションを受けたのがきっかけです。デビューした後も分からないことばかり、比にならないくらい厳しい出来事もたくさんありましたが、皆様のおかげさまで今まで続けてこられました。


――デビューは高校生の頃ですよね。高校で部活などの経験は?

後藤:部活はしていなかったです。学校後お仕事のない時はアルバイトをしていました。パン屋さんのアルバイトで販売が主でしたが、人と触れ合うのはとても楽しかったです。あまったパンは頂けることがあって、美味しいと、家族もとても喜んでくれました。笑

――これまでの活動を振り返って、声優になってよかったと思うことは?

後藤:人に出会えたことです。生まれてから今に至るまで、たくさんの人と出会い、その方々を介して様々な体験をしました。様々な想いを体験しました。自身の色鮮やかな感情に驚き、感動出来る。その感情を湧き起こしてくれたのは、その時を共にしたその人なんです。私はその人に「こんな気持ちを教えてくれてありがとう」あるいは「こんな気持ちを思い出させてくれてありがとう」と感謝の気持ちでいっぱいになるんです。

――なるほど。

後藤:その人のご家族にも感謝の気持ちが巡ります。仲良しのお友達のお父様お母様に初めてお会いした時、嬉しくて泣いてしまったこともあります。「○○ちゃんに出会えて幸せです。ありがとうございます」て。笑
その人を育んだ全てに「ありがとう。私はその人に出会えてこんなに嬉しいです」感謝を抱かずにはいられない。
生きていれば、辛いことも悔しいこともあると思います。私も同じです。でも、それらを味わった今の私の事を私は好きだと思えるんです。「育んでくれた全てに感謝」。その事にいつでも立ち戻ることが出来る。それもまた幸福なことと感じられます。


――イヤな気持ちばかりが先に立つこともありますが。

後藤:そういう気持ちも否定しません。そこから学ぶこともあると思っています。イヤなことからどんな風に自分を守れるのか考えられるようになるかもしれないし、こんなにイヤだったことを人には絶対しない、自分も人も悲しませないと誓えるかもしれない。見返してやる!と大きな原動力になるかもしれない。困難なことがあってもなかったことにはしないで、真摯に向き合って、自身の成長にきっと繋げたい。いつまでも向上心を抱いていたいです。そんな視点でも、一生勉強の身だと感じています。
でも、素直にくさくさして、ふて寝しちゃうなんていうのもありだと思います。笑
なににもとらわれない息抜きの時間も大切に。

――なんだか、勇気をもらえます。そんな後藤さんの演技を見て、「明日から頑張ろう!」と勇気づけられる人も多いと思うのですが、そういったことを意識することは?

後藤:役に寄り添うことにを大切にしながら、作品に触れてくださった皆様の心にも寄り添えるような、そんな優しい表現をしていけたらと思っています。励みになれて癒しになれて、色鮮やかな気持ちでいっぱいにしたい。先ほどもお話ししましたが、私は皆様にたくさんの素晴らしい想いを頂いてきたので、そのお返しをしていきたいと思っています。

――では最後になりますが、ここまで記事を読んでくれた読者にメッセージをお願いします!

後藤:皆様にはいつもあたたかい応援を頂き感謝しております。
これからも自分の中にある愛をもとに、触れ合った人、作品、キャラクターを大切に日々を生きていきます。まだまだ若輩者ですが、活力や癒し、愛や命を伝えていけるよう、ひとりの人間としてより成長し精進していきます。 皆様と楽しい嬉しい気持ち、幸せを共にでき、向上していけますように。
これからも何卒よろしくお願い致します。ありがとうございました。


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!


<後藤沙緒里>

・後藤沙緒里 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/saori-goto/

◆撮影協力
magic tone studio(マジックトーンスタジオ)

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト」)