二階堂ふみ「『ヒミズ』を読むと一定の幸福論がわかる気がするんです」

あの人と本の話 and more

2011/12/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『ヒミズ』で主演の染谷将太とともにヴェネチア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)をW受賞するという快挙を果たした二階堂ふみさん。過激でピュアな存在感の秘密はどうやらマンガ遍歴にもあるようで。

「ヴェネチアではずっと“これ、ドッキリじゃないの?”
って言ってたんですよ(笑)」

と二階堂さん。実は大のマンガ好き。

「古谷実先生のマンガも
『行け!稲中卓球部』が大好きで、
でも『ヒミズ』は『稲中』とは全然違いますよね。
古谷先生のマンガの中には
手の届く哲学みたいなものがある。
哲学的なものって、
ある程度の知識や言葉の理解力がないと
よくわからなかったりするけど、
それをちゃんと共感できる作品にしてるところが
すごいなあって。
『ヒミズ』を読むと一定の幸福論が
わかる気がするんですよ」。

中村明日美子、丸尾末広、楳図かずお、古屋兎丸、

「好きなマンガ家さんはいっぱいいます。
ヤマシタトモコさんもすごく好きで、
一番好きな作品は『YES IT’S ME』。
時々入ってくるコネタがいいんですよね」。

言うやいなやいくつかのフレーズをスラスラ~と口にする。
北島マヤか、君はっ!

「ハハ。ただのオタクです(笑)」。

う~ん、もとをたどれば筋金入りのロリータで
ちょいちょい腐女子も入るとは。
スクリーン上のラディカルな輝きの秘密を
垣間見た気がした。
(取材・文=瀧晴巳/写真=鈴木慶子)

二階堂ふみ

にかいどう・ふみ●1994年沖縄県生まれ。12歳の時『沖縄美少女図鑑』に掲載された1枚の写真をきっかけにモデルデビュー。2009年、役所広司監督作『ガマの油』のヒロインに抜擢され女優デビュー。11年は、『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』に主演、映画『指輪をはめたい』に出演。『ヒミズ』で日本人初のヴェネチア国際映画祭最優秀新人俳優賞を染谷将太とW受賞。
ヘアメイク=WAKAME スタイリング=岡部みな子 衣装協力=cuccia/コラボレーション・プレスルーム ☎03-5454-1414

 

紙『鱗姫』

嶽本野ばら/小学館文庫 500円

京都の名家・龍烏家の長女・楼子は奇跡的な美肌と美貌を持つ乙女。通学にも日傘をかかさない彼女の肌を奇病が襲う。叔母・黎子から龍烏家に伝わる病の忌まわしき秘密を明かされた楼子はやがて凄惨な治療法を発見する。徹底した美意識を貫いてきた者は自らの身体を脅かす醜さといかに対峙するのか。楳図かずおの『おろち』と澁澤龍彦の『血と薔薇』にオマージュを捧げた、グロテスクで耽美な野ばらワールドの最高峰。

※二階堂ふみさんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ1月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『ヒミズ』

原作/古谷 実『ヒミズ』(講談社『ヤングマガジン』KCスペシャル所轄) 監督・脚本/園 子温 出演/染谷将太、二階堂ふみ、渡辺 哲、吹越 満、神楽坂 恵 製作・配給/ギャガ 2012年1月14日(土)新宿バルト9、シネクイントほか 全国ロードショー 
●『行け!稲中卓球部』で人気を博した漫画家・古谷実が笑いを封印し、若者たちの閉塞感を描き切った問題作を鬼才・園子温が映画化。15歳の住田(染谷将太)の願いは「普通」の大人になること。金の無心に現れては暴力を振るう父親と男と出奔した母親によって最悪の環境に追い詰められた住田を茶沢(二階堂ふみ)は必死で励ますが、ある事件が起こり……。
(C)2011『ヒミズ』フィルムパートナーズ