「徳武竜也」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2017/6/23

徳武竜也

 編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第165回となる今回は、7月から放送されるアニメ「賭ケグルイ」の鈴井涼太役や、「アイドルマスター SideM」の九十九一希役などを演じる徳武竜也さん。2.5次元に存在する架空の芸能事務所・ツキノ芸能プロダクションによるプロジェクト「ツキクラ」のメンバーとしても活動しています。

――2015年に声優としてデビュー。声優を目指したきっかけとは?

徳武:もともと声優を目指していたわけではなくて、ラジオのディレクターのようなスタッフ側になりたかったんです。でもスタッフさんもうまくしゃべれる人が多いじゃないですか。それで専門学校の声優タレント学科で一度学び、在学中のオーディションで今の事務所に合格をいただいて、そこから声優っていう方向に切り替わりました。

――もともとラジオに思い入れがあったんですか?

徳武:昔からラジオが好きで、中学校の時は受験勉強をしながら聴いてました。学生向けのラジオとか、それこそ声優さんのラジオとか、トークがすごく面白いじゃないですか。いろんな番組を聴いているうちに、面白い番組ってパーソナリティの方とスタッフさんの連携が取れているなと感じて、自分が出るというより面白いパーソナリティの人たちと関われるようになれたらいいなと思いました。

――それが専門学校を経て、まさかの声優への転向となったのですね。ディレクターの夢を捨てることに戸惑いはなかった?

徳武:そうですね。専門学校で、自分自身が表に出ていくことに対する面白さも学べていたので。それとオーディションで「君が出せるものがあるから」と言っていただけたので、「じゃあ、やってみよう」と。形は違うけど憧れていた世界ですし、その場で即決して、親にも連絡して、この道に進みました。親もびっくりしてました(笑)。

――なるほど(笑)。声優がディレクターと違うことといえば、お芝居かなと。そのお芝居への興味も湧いていたんでしょうか。

徳武:そうですね。人前で何かすることが割と好きで、小さいころも学芸会で役を演じるのが好きだったんです。通っていた学校には演劇部がなかったんですけど、高校の学祭で劇をやる時は立候補していたし、お芝居はむしろ好きでした。たぶん、自分とは別の何かになりきるのが好きだったんだと思います。

――声優として、初めてのお仕事は?

徳武:ドラマCDにモブで入れてもらったのと、ニコ生番組中にダミーヘッドマイクで即興で囁く…というお仕事があって、最初はめちゃくちゃ戸惑いました。専門学校で演技は学びましたけど、いかんせん役者を目指しているわけではなかったので、優等生ではなかったんですよ。最初は緊張でセリフが頭に入ってこなかったりして、以前の作品を見返すと反省ばかりです…。

――そんな経験を経て、7月スタートのアニメ「賭ケグルイ」ではメインキャラクターの鈴井涼太役に大抜擢! もともと原作を読んでいたそうですね。

徳武:ガンガンさん(「賭ケグルイ」は月刊ガンガンJOKERで連載)の系列が好きで、昔から読んでいたんですけど、まだ刊行され始めたばかりなのにすごく人気なのが気になって、読んだら毎回ハラハラする内容が面白くて。そしたら、その後にオーディションのお話をいただいて、「ワー!やりたい!」と。

――鈴井は、驚異的にギャンブルが強い主人公・夢子のクラスメイトとして、行動を共にすることが多い人物。どんな風にキャラクターを捉えて演じていますか?

徳武:原作の河本ほむら先生ともお話したんですけど、夢子をはじめとする周りのキャラクターがすごく狂っている中で、唯一、良くも悪くも普通っていう立ち位置なんです。視聴者と同じ目線で、周りの人たちの異常さを、焦ったりハラハラしながら伝えていくキャラなのかなと思っています。

――たしかに、ただひとりまともな人物という感じがします(笑)。

徳武:収録現場でも、キャリアのある方々の中で、僕だけがド新人で、すごい芝居が繰り広げられている中で僕だけが冷や汗をかいてるんです。焦りを出しすぎてはダメですけど、僕自身の焦りもうまい具合に鈴井くんに乗っけてあげられたらと思っています。

――もともと好きな原作で、アニメを観る側として期待していることもありますか?

徳武:原作は本当に、読んでいてページをめくる手が止まらない感じなんですよ。アニメになっても常にそのハラハラ感があって、CMが入ってやっとほっとできる…っていうくらい、画面に釘付けになるような作品になるといいなと思います。

――ゲームの面白さも本作の見どころかと。たくさん登場するオリジナルのゲームの中で、気になるものは?

徳武:もともとトランプゲームが得意ではないので、スキルがなくても記憶力さえあればできるのは神経衰弱。ただ、作品に出てくる「ダブル神経衰弱」はカードの数が倍になっていて、それでも登場人物の2人はカードの中身を覚えてるんですよ。神経衰弱でも僕は勝てないなって(笑)。

――(笑)。中には、現実で遊ぶのはむずかしそうなゲームもありますよね。

徳武:ルールも複雑だったりして。でも、イベントで一度インディアンポーカーをした時、原作ほどルールはシビアではなかったんですけど、ハラハラして面白かったんです。ルールはたぶん観ているうちに面白くなっていくので、この作品を観て仲間内でゲームを楽しんでもらっても嬉しいなと。さすがに命やお金を賭けちゃダメですけど(笑)。

――一方、「アイドルマスター SideM」で演じている九十九一希(つくも かずき)の魅力とは?

徳武:九十九くんは先生って呼ばれていて、表情を表に出さないタイプです。どちらかというと、おとなしいというか、寡黙というか。九十九先生が所属しているF-LAGSっていうユニットは、お互いに暗い過去を乗り越えるために一緒にいる仲間たちで、そんな過去を受け止めて前に進もうとしているんです。九十九先生自身も、大好きなきのこと本のことになると、ものすごい知識量を発揮して熱く語れる一面を持っている。冷静な中にも炎が燃えていて、人としてかっこいいと思います。

――そして、新人声優や新人タレントで構成されている「ツキクラ」のメンバーでもあります。今までにないスタイルのコンテンツだと思いますが、最初にメンバーとして入った時の印象は?

徳武:声優を目指している人もいれば、舞台俳優やモデルをしている人もいて、最初は不安もありました。仲良くなれるかどうかわからないし、その中で埋もれないように何をしたらいいのかとか。でも最近は、それぞれのキャラクターが良い方向にどんどん転がって、うまく共存できていると思います。お互いに感化されて1人1人が強くなっているのを感じます。

――1期生だけでも12人いるのに個性がかぶらない?

徳武:そうなんです。1年間やってきて、お仕事に対する意見が違うことはあるけど、ケンカすることはないし、お互いに切磋琢磨できているのがすごいなと。元々のお仕事の分野ではいいライバルで、別の現場で会うと燃えます。

――徳武さんと同じ声優という分野で一緒なのは…。

徳武:市川太一くんや井上雄貴くんですね。芸歴は一期上ですけど年齢が近くて、TV
アニメのメインレギュラーが決まったのもほぼ同時期だったんですよ。3人で話すことも多くて、こういうことが大変だねとか、次にもう1本役を取らないと…とか、お互い気にしあえる、いい仲だと思います。

――結成当初に書かれたプロフィールには「癒し担当」という言葉も。メンバーの間ではそんな立ち位置?

徳武:最初のころは“言ったもん勝ち”でしたけど(笑)。今では実際に、メンバーから「落ち着く」って言ってもらえたり、少人数で動く時にも「やりやすいね」って言われます。

――たしかに、このインタビューでも落ち着いた印象を受けますね。メンバー以外から言われることもある?

徳武:ありますね。あんまり焦りが顔に出ないみたいで。イベントなどで盛り上がりすぎて時間が押しちゃうことを一歩引いて見てるから、「もっとはしゃいでいいよ」って言われることもありますけど(笑)。

――(笑)。冷静というか、見守っている感じというか。

徳武:自ら見守り役になっている感じもありますね(笑)。

――見守り役になるのはイヤではない?

徳武:イヤではないですね。かといって、自分が出たくないわけじゃないので、ツッコミを入れたり盛り上がることもあるし。そういう感じが好きです。

――すでに自分のスタイルが完成しつつあるんですね。ではプライベートについても伺います。趣味のひとつは「料理」。どういうきっかけで始めたんですか?

徳武:母親が調理師免許を持っていて、僕も台所にいることが多かったので、幼い頃から常に母が料理している姿を見てきて、手伝ったりしているうちに影響されたのかなって思います。特別に好きっていうわけではないんですけど、何かあった時に料理します。これを作ろうと思って食材を買ってくるというより、冷蔵庫にあるもので作ることが多いです。

――たとえば、冷蔵庫に豚肉と人参が入っていたら…。

徳武:豚肉と人参だったら…炒め物でもいいですね。豚肉って、調理方法によってはパサパサにならないんですよ。汁物や煮物にしても、調味料次第でどんな料理にもなりますよ。

――なるほど、調味料次第で! もし料理のできない恋人がいたら作ってあげますか?

徳武:できないなら、一緒に料理してもいいですね。でも、自分で作っちゃう気もするな…。それなら作った料理を食べてもらって感想をもらうとか。友だちでも、ご飯を作って「美味しい」って言ってもらえると嬉しいので。

――男友だちで集まって作ることも?

徳武:ありますよ。家に友だちを呼んで、男同志だと大体飲みになるんですけど、軽いつまみとか。つまみだと味が濃いほうがいいと思うので、和食だったらキンピラ、事前にわかっていたら、お通しでよく出るようなヒジキなんかも炊くし。ガッツリ食べたい時は丼物も作りますし。

――料理ができる感じのメニューですね…!

徳武:そうですか(笑)? じつは、一度覚えてしまえば作れるメニューなんです。

――もうひとつの趣味は「散歩」ですが、これは?

徳武:観光地とか、景色がいいスポットとか、人によく知られてる場所より、路地裏とか自分の知らない道にどんどん入って、自分の中でマップを広げていくのが好きです。商店街とか裏路地の歩いた先に、どういうお客さんが来るんだろう…っていう味のある喫茶店を見つけるのも好きですね。

――「自分の中でマップを広げる」って素敵ですね。

徳武:道を覚えるのが苦手で、方向音痴なんですよ。地図もよく読めないので、自分で一度歩いてみてようやく覚えられるんです。専門学生時代に上京して初めて住んだ駅の周りも全部把握してます。

――お気に入りの場所もあるんでしょうか。

徳武:いくつかあって、お仕事で悩んだり、時間のある時なんかに、音楽を聴きながらそこへ行ったりします。歩幅がテンポとあっちゃって、たまにみられると恥ずかしいんですけど(笑)。

――この音楽ならこの場所、みたいな組み合わせも?

徳武:この前どこかで書いたんですけど、三浦大知さんの曲がすごく好きで、「music」っていう曲を聴きながら商店街を歩くと、働いている方やお客さんたちが目に入ってきてテンションが上がります。そんな風に音楽を聴く時もありますし、日常風景や雑踏の声を聴きながら歩くのも好きです。

――三浦大知さんの曲が好き?

徳武:好きでよく聴いてますね。学生のころは、BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、ONE OK ROCKあたりのJ-POPやロックを聴いてたんですけど、ハタチを迎えてから聴き始めたのが三浦大知さん。有名どころだと「Unlock」とか「Cry & Fight」が好きです。

――夏にはどんな場所を散歩したいですか?

徳武:海沿いを散歩したいです。東京に来てからは時間があると海に行っていて。かんかん照りの日もいいし、曇ったり雨だったりしても、それなりの良さがあって、波の音を聴いているだけでもリラックスできます。

――お仕事に熱い反面、休日はしっかりリラックスしているんですね。これから演じてみたい役どころはありますか?

徳武:今までいただいているキャラクターは、どちらかというとおとなしめなので、弾けた感じのキャラクターも演じてみたいです。僕は演技が「いいやつすぎる」ってよく言われてしまうので、それを克服するためにも、善か悪かわからないような役とか、仲間だけど最初は敵役だとか、ニヒルなキャラとか、“半悪役”っていう感じの役にも興味があります。

――お芝居とはまた別に、声優になる前に目指していたラジオ方面での目標はありますか?

徳武:自分の番組は持ってみたいです。作品とは違うパーソナルなところで、お仕事の話をしたり、お仕事で繋がった方をゲストに招いたり、そんなことができたらいいなとは思います。そのためにも、もっともっとトークがうまくならないと。

――理想とする声優像は?

徳武:あんまり焦りが顔に出ないって話しましたけど、僕自身は焦るし緊張もするし、常に刺激を受けていたいなと思っているので、自分だけの個性を大切にした上で、それだけに固執しない、作品ごとに変化できる役者でいたいです。このキャラクター、誰が演じてるんだろう…って調べたら僕の名前が出てくるとか、それくらい役になりきれていたら勝ちだなって思います。

――なるほど。これからのご活躍が楽しみです。

徳武:お芝居を含めてまだまだ経験は足りませんが、これからもっと貪欲にがんばっていきたいと思いますので、ぜひ頭の片隅で気に留めていただけたら嬉しいです。

【声優図鑑】徳武竜也さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

徳武竜也

徳武竜也(とくたけ たつや) Twitter

◆撮影協力
BC WORLD STUDIO

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト