「石上静香」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2017/7/14

石上静香

 編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第168回となる今回は、「魔法陣グルグル」のニケ役、「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」の華城綾女役などを演じる石上静香さんです。

――「魔法陣グルグル」新作テレビアニメのニケ役を演じられます。役が決まったときの率直な気持ちは? 子どものころから大好きな作品だったそうですね。

石上:テープオーディションからスタジオオーディションに進んだんですけど、スタジオのオーディションで見た絵コンテにテンションが上がってしまいました(笑)。ニケとククリ、本当にアニメ化するんだ!って。

受かると全然思っていなかったので、最終段階に進めただけで本望だったんですけど、いざ受かったときは信じられなくて。家に帰った瞬間、緊張の糸がほどけたように号泣しました。もう脱水症状になるんじゃないかってくらい。今まで生きてきた中で嬉し泣きしたのは、初めてオーディションに受かった「健全ロボ ダイミダラー」以来でした。

――オーディションはニケ役で受けたんですか?

石上:最初に、ニケ役と、ルンルンという闇のお姉さん役の2キャラをいただいて。あと、本当に「魔法陣グルグル」が好きだったから他のキャラクターも見せていただいて、テープオーディションではジュジュとギップルも受けていたんです。

――「ニケくんが初恋の人」と語っていた石上さんにとって、ニケ役を演じることは特別のことでしょうね。

石上:同世代でニケとククリに恋していた方はたくさんいると思うんですけど、私が6歳のときに感じたその気持ちを、今のお子さんたちにも届けられたらなと思ってます。

――オトナ世代には懐かしく、子どもたちには新鮮な驚きがある作品になりそうですね。

石上:以前(1994年からテレビアニメがスタート)は原作が続いている中でのアニメ放送だったので、今回の放送では、私個人としてはニケたちの最終目的までオンエアされるといいな〜と思っています。まだ私たちも知らないことだらけなので、みなさんと一緒に楽しみにしているところです。

――ところで、石上さんは高校生のときに漫画を描いていたことで知られています。どんな漫画を描いていましたか?

石上:趣味で描いていたくらいなんですよ。コミックアンソロジーってあるじゃないですか。その中の1人として。コミック誌の後ろのほうによく、入賞したら賞金がもらえて連載できますよって書いてあるじゃないですか。暇だったし絵を描くのが好きだったから、高校生の夏休みに応募したらたまたま入賞して。

――漫画家になることを望んでいた?

石上:そこまでの覚悟はなかったです。ただ自己満足というか。自分が描いたものを編集さんに読んでもらえたら満足だな〜と。

――描くときに参考にしていた漫画家はいますか?

石上:私の原点になっているのは、「デ・ジ・キャラット」とか「ぴたテン」とかを描かれている、こげとんぼさんです。最初はそれこそ「魔法陣グルグル」の衛藤ヒロユキ先生とか、「カードキャプターさくら」のCLAMP先生とか、小さい頃に好きだった漫画家さんのイラストを模写してました。

――その後、東京メディアアカデミーの声優ボーカル科(現:東京声優アカデミーの声優養成科)に通ってから、声優に。最初はなかなか仕事が決まらない時期もあったそうですね。

石上:声優になったら次々と仕事をいただけるものだと楽観視していたら、じつはそうではないと。まずは、私自身の存在と、どういう声質なのかということを事務所の方々にアピールして認知してもらわないと、現場で私のことを推してもらえないのかもしれないなと思いました。

――認知してもらうための行動には出たんですか?

石上:まずは顔を覚えてもらおうと思って、自分で作った宣材写真を持ち込んで、どの写真がいいのかを聞いたり、自分で借りたスタジオでボイスサンプルを収録して、CDに焼き回して、アニメ担当のマネージャーさん全員にサンプルを渡したりしました。

――その努力の結果は?

石上:今の事務所では、宣材写真を撮っていただく前に自分で作った写真を持って行きました。その成果なのかはわかりませんが、所属して1週間もしないうちにオーディションのお話をいただくようになりました。

――2015年に出演された「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」の華城綾女役は、なかなか大胆で忘れられないキャラクターでした!

石上:けっこうハードなセリフが多かったので、親の前では声を出して練習できなくて。親が家にいないときに声を出して台本を読んでました(笑)。

――アフレコでは恥ずかしいとも言えないでしょうけど…。

石上:よくそんなことを言えるねって感じのすごい顔をしながら収録してました(笑)。ナレーションをされている速水奨さんは「平成のジャンヌ・ダルクだねえ」と言ってくださったり(笑)。ベテランの役者さんとも仲良くなれた作品でしたし、この作品でファンになったと言ってくださるファンの方も多いので、ある意味、石上といったらこの作品だよなっていう代表作だと思います。下ネタだけではなく、ディストピアを描いた面白い作品なので、ぜひ観ていただければと思います。

――他にも、これまでの作品で忘れられない作品やキャラクターはありますか?

石上:たくさんあるんですよね。「ブブキ・ブランキ」(扇木乃亜役)や「アクティヴレイド -機動強襲室第八係-」(星宮はるか役)はどちらも2クールやらせていただいたので思い入れがありますし…。「下せか」と同じくらい、ファンの方から「キャラが好き」と言っていただけるのは、「落第騎士の英雄譚」ヒロインのステラちゃん。すごくたくさんのお手紙や声援をいただいたし、私自身も演じていて楽しかったので。

――ステラ・ヴァーミリオンは、主人公の一輝のことが好きでたまらない…というキャラクターでした。どんな風に楽しかったんですか?

石上:ツンデレっぽいキャラクターを演じたことはあったんですけど、ステラちゃんの場合は「ツン1デレ9」くらいなので、ほぼデレデレしていて(笑)。オーディションでは、こんなにかわいいキャラクターが自分に演じられるわけがないって思っていたから、決まったときは本当にびっくりしましたけど…。今考えると、私はリア充キャラを演じることが多いなと。

――リア充キャラですか。

石上:「虹色デイズ」も「ダイミダラー」もカップルですし、「落第騎士」のステラちゃんも一輝とお付き合いするし。「トライブクルクル」の飛竜ハネルくんは初めての男の子役でしたけど、ヒロインのカノンちゃんのことが大好きだって監督さんにお話したら、監督さんの粋な計らいでカノンちゃんとくっつくシーンを作ってくださって。たぶん、リア充キャラが合う声質なんだと思います。「声質がエロい」とか言われることもありますけど(笑)。

――(笑)。そう言われることに対してどう思いますか…?

石上:声のイメージってすごく大切だと思うんですよ。たとえば、色っぽいキャラクターなら石上だよねって選んでもらえるのはありがたいことですし。逆に、男の子とか、すごくキリキリしたお姉さんみたいにセクシーではない役を演じたときに、「石上だったんだ、気づかなかった」と言ってもらえるのも嬉しいですね。意外にこういう役もできるんだと。やっぱりキャラクターを見て欲しいので、演技をするときはできるだけ自我を出さないようにしてます。

――今では、石上さんの声のイメージが確立されたということでしょうか。この段階で、これから挑戦したい役柄も出てきているのでは?

石上:正直、どんなキャラも演じてみたいっていうのが本音なんですけど、今のところはツンデレや強気なキャラが多いので、無口なキャラに挑戦してみたいです。「非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが……」っていうライトノベルの水崎萌香ちゃんが寡黙な女の子だったんですけど、それがすごく新鮮で。スタッフさんが「下せか」で私の演技を観て、清純な演技も観たいって指名してくださったみたいで…。あとは、強いて言うなら狂ったキャラを演じてみたいです。

――狂ったキャラ?

石上:演技をしてみたいと思ったときに、非日常というか、自分とかけ離れているキャラを演じることが目的のひとつだったので。もっともっとかけ離れているキャラクターを演じてお芝居の幅を広げたいなって思います。

――ちなみに、役者を目指していたときに目標だった役柄はありましたか?

石上:まず、作品のヒロインになって主人公に追いかけられたいなと(笑)。魔法を使ってみたいっていうのもありましたね。それこそ非日常じゃないですか。「ファイアー!」って言って自分の手からファイアーが出たらどんなにかっこいいんだろうって(笑)。

――まさに今はその目標が叶っていますね! では、努力家の石上さんが、声優として日々心がけていることは?

石上:仕事に出かける3時間前には必ず目を開けて、喉を起こすことをやります。朝からの収録だったら朝5時には起きて、台本と関係なく発声をしてます。私は歌うと喉が開きやすい傾向があるので、歌をよく歌ってます。持ち歌のカラオケ音源を流すこともあれば、昔からすごく好きだった曲を流すこともあって。「魔法陣グルグル」が決まってからは、本当に嬉しいので「晴れてハレルヤ」を聞きながら声を出しています。

――なるほど。ご自分の曲で、朝聞くと最高!っていう曲は?

石上:自分の曲? そうですね、朝だったら…私が初めてグループとして歌った、にーそっくすすの「精霊剣舞祭<ブレイドダンス>」。朝聞くとテンションが上がると思います!

――仕事がオフのときは何をしていますか?

石上:寝ることが好きなので、お休みの日はとりあえず昼の12時くらいまでお布団でゴロゴロしてます。起きたらご飯を食べて、ネットを見て、あとはゲームですね。時間があったら、次のイベントの服を買いに行こうとか、たまっている台本をチェックしようとか。すごくつまんない休日ですよね(笑)。

――仕事熱心ですね! ゲームで最近はまっているものは?

石上:今は、ちょっと遅ればせながらポケモンの3をやってます。

――以前からやりたいと?

石上:興味はあったんですけど、積みゲーといいますか、プレイしたいゲームがたくさんあって。

――ネットで必ず観てしまうサイトや動画は?

石上:私、ニコニコ動画のゲーム実況が好きで。やりたくてもできないゲームがあると、自分もプレイしている気になるし、興味が湧いてそのゲームを買うこともありますし。

――有名な実況者も多いですからね。

石上:「シャドウバース」っていうアプリゲームの発表会で、ガッチマンさんとご一緒させていただいたときは、「いつも動画、観てます!」って伝えました。帰り際だったので受け止めていただいたか分かりませんけど、私は確かに伝えました(笑)。

――では、これから声優としてますます極めていきたいことはありますか?

石上:やっぱりお芝居ですね。今の課題は、もっととがった声を出すこと。専門学校の頃から、自分の声をパステルカラーってたとえてるんです。原色ではなく淡い色といいますか、自分の声質をあんまり個性的とは思っていなくて。だから、抽象的ですけど、たとえば“赤っぽい声”とか色が濃い声を出せたらいいな〜と。今はまだ、子供が泣くほど怖い声とか、出せていないと思うんです。

ヤンキーの声もそうで、「食戟のソーマ」の水戸郁魅役も「ブブキ・ブランキ」の扇木乃亜役も、根っこからのヤンキーというより元はお嬢様育ちなので。そこが突出したら、一皮向けるんじゃないかなと思います。あと、キャラソンもすごく好きなので、これからもキャラクターとして歌っていきたい気持ちです。

――最後に、ファンのみなさんに伝えておきたいことをお願いします。

石上:私、自分が考えていることを人前で言わないタイプですし、自分のことを話すのが上手ではないんですよ。ひとりっ子だったから、考えていることがあっても心の中でしゃべって自分で解決しちゃうので。だから、もっとコミニュケーション能力を高めて、取材やラジオのフリートークを通して、自分の考えていることを分かりやすく伝えられる人間になれたらいいなと思っています。

こんな石上静香にご興味があれば、アニメを通して、ほんのちょっとでも注目してもらえると嬉しいです。でも、作品を重視したいので、中の人としてはあんまり気になさらず(笑)。この役者、好きかもって思っていただけるように私も努力していきますので、名前だけでも覚えていただけると嬉しいです。

【声優図鑑】石上静香さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

石上静香

石上静香(いしがみ しずか) プロ・フィット所属

石上静香 チョクメ!

◆撮影協力
BC WORLD STUDIO

取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト