より純度の高い「RiEMUSiC」を求めて――村川梨衣インタビュー

エンタメ

2018/2/27

 声優・村川梨衣が自身の名義で音楽活動をスタートしたのは、2016年6月。当時、1stシングル『Sweet Sensation/Baby, My First Kiss』をリリースした時点で、自身の音楽を「RiEMUSiC」と定義していたエピソードが象徴するように、村川梨衣には「歌いたい歌」「作りたい音楽」へのビジョンがある。そしてそのビジョンは、徐々に育まれたものというよりも、「最初からあった」に近い。1stアルバム『RIEMUSiC』からわずか1年で届いた2ndアルバム『RiESiNFONiA』(2月28日リリース)は、まさにそんな村川梨衣のビジョンがより濃く映し出された1枚となった。2ndアルバムの背景と、5月にパシフィコ横浜で開催される二度目のワンマンライブへの想いを聞いた。

自分の根本には、「いいものを作れるんだ」っていう確固たる自信がある

――2ndアルバムの『RiESiNFONiA』、驚愕の1枚でした。

村川:おっ、ほんとですか? やった~。自分でも、純度が高いものはできたな、と思います。1stアルバムの『RiEMUSiC』ときは、自分の意見を汲んでいただきつつ、どこまで自分の思いを伝えていいものかと思っていて。チームとしてもまだ歩み始めたばっかりだったし、どうやって進めていけばいいのか、どの程度自分が作りたいものを作らせてもらえるのかがわからなかったので。もちろん、1stもすごく素敵な楽曲の集まりだと思っています。

――自分の中で、「もっとこうできたらいいな」っていうイメージもあった?

村川:「もっとここはこうしたかったな」っていう思いも実はあったんですけど、遠慮しちゃって言えなかったりして。やっぱり形がないものですから、共有の仕方も難しかったと思うんです。

――そういう意味では、1stは「自分がやりたい音楽はこういうものなんだ」という意思の部分を確認したプロセスでもあったんですかね。

村川:結果としてそうなったのかな、とも思います。今回のアルバムは、より純度の高いものを作れたらいいなあっていうところはありました。

――つまり今回は、アルバム全体の方向性、たとえばビジュアルやその他の面も含めて、最初の段階からコミットしている、ということですよね。それって、自分の中にあるイメージを形にしたらよいものができる自信があった、ということでもあると思うんですけども。

村川:そうですね。もちろん、心の中が自信満々で、「わたしには自信が有り余ってるんだ」って思っていたわけではないですけど、たぶん自分の根本には「いいものを作れるんだ」っていう確固たる自信があるんだと思います。その結果、前回よりも楽曲としてわたしにいただける枠が増えました。でも、さらに純度が高いもの、濃度が高いものを作れるとも思うので、『RiESiNFONiA』を聴いてビックリしていただいたということは、次はビックリして「わー!!(バーン!!)」ってディスク割っちゃうんじゃないかなって思います(笑)。

――(笑)1stの『RIEMUSiC』は、わりとキラキラしたポップな楽曲が多い印象があったんですよ。で、今回の『RiESiNFONiA』に入っている曲は、基本的に重心低めですよね。

村川:若干そうですね。ちょっと低めに偏ってます(笑)。

――これで若干?(笑)。

村川:(笑)若干、若干です。

――まあ、そこは主観と客観で解釈の違いもあると思うんだけど、ここで興味があるのは「なぜ重心が低めの曲が集まることになったのか」っていうことですね。

村川:ただ作りたいものを作ったらこうなった、みたいな(笑)。「めちゃくちゃダークなものを作ってやろう」とかは思ってなかったし、結果として、1stアルバムを踏まえて、自然にやったらこうなりました(笑)。『RiEMUSiC』とは別のカラフルさがあるっていうイメージです。

――1stアルバムの『RiEMUSiC』を作ったときに、村川梨衣の音楽、という意味での「RiEMUSiC」像がひとつ出来上がったじゃないですか。それを踏まえて、次に作りたいもの、というところで、2017年4月のワンマンライブで披露された“レクイエム”(『RiESiNFONiA』に収録)はある種きっかけになってるんじゃないかな、と思うんですよ。1stのカラフルさと比べると、異質な曲ではあるわけで。

村川:「やっと具現化できた」っていうところはありましたね。異質っておっしゃっていただいたのはその通りで、それまではやっぱり具現化できなかったんです。だから、自分にとっても嬉しかった曲には違いないです。でも、自分の中にもともとずっと持っていたイメージの曲なので、新発見ではないんですよね。だから、今回のアルバムで“レクイエム”のような方向にシフトしようとしたわけではなくて、自分が作りたいものを作ったら『RiESiNFONiA』のようなアルバムになった、ということですね。ちなみに前作の『RiEMUSiC』で具現化できなかったというのは、諸々含めてということです。単純に与えてもらえた枠の数だったり、まだチームとして形成されたばかりだったというところもあったり。1stは1stで、わたしからイメージをお伝えして作っていただいた楽曲もありましたので、そういう部分での、引き続き作りたいものを作ったものが、今回の『RiESiNFONiA』ということになります。

――このアルバムを携えて、5月には2回目のワンマンライブがありますね。会場がパシフィコ横浜の大ホールということで、なかなかデカいスケールでのライブになるわけですけど、どんなイメージで臨みたいと考えていますか。

村川:最初のワンマンライブの品川ステラボールのときみたいな、楽しい時間をお届けしたいです。あとは、そのときにしか生まれない空気、来てくれるみんなとしか作れない空気があると思うので、多くの方に楽しんでいただけるようなライブにしたいですね。とにかく、来てほしいです。楽しみにしてほしいし、来てほしい。そして、まだ村川梨衣のライブに来たことがないっていう方々もいらっしゃると思いますので、そういう方々がわたしのライブに直面したとき、「一体あなたはどうなってしまうのか」ということをちょっと問いたい(笑)。

――(笑)。

村川:問いたいです(笑)。きっと、ライブもそうですけど、「RiEMUSiC」というものからきっと離れられなくなってしまうのではないかと。己の身をもって体感していただきたいなあ、と思います。

――ライブの場で共有したいものって何ですか?

村川:やっぱり、「RIEMUSiCって最高やん」っていう気持ちですね(笑)。楽しいことはもちろん大前提として、「RiEMUSiC」の素晴らしさを共有したいですね。

――その「RiEMUSiCの素晴らしさ」を言語化してみてもらいたいんですけど、今はどんな形をしていて、どういう音楽だと定義してるんですか。

村川:聴いたあと、聴いてる最中でもいいんですけど、やっぱり胸が高鳴るものなんじゃないかな。と思います。心が震わされて、何かが変えられてしまうというか、新しい感情が生まれるようなものじゃないかなあ、と思うし、そういうものでありたいと思います。

取材・文=清水大輔