『ロード・エルメロイII世の事件簿』三田誠×『デュラララ!!』成田良悟が語る「マンガ原作」へのアプローチ

アニメ・マンガ

2019/1/15

 自身が手掛ける小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』のTVアニメ化が発表された三田誠と、『バッカーノ!』や『デュラララ!!』などの人気作を抱える成田良悟。両者ともに押すに押されぬヒットメイカーとしての地位を確立している小説家として知られている。だが近年、2人は小説執筆の傍ら、『Bestia ベスティア』(以下Bestia)や『よすがシナリオパレェド』、成田は『クロハと虹介』や『デッドマウント・デスプレイ』(以下DMDP)といった漫画原作も手掛けるようになっている。いくつもの人気作を生み出してきた彼らは、本業である小説執筆とは似て非なる分野である漫画原作の仕事と、どのように向き合っているのか。公私にわたって交流が深い2人のインタビューから、その作家性に迫っていく。

三田誠(さんだ まこと)
小説家。主な著書に『レンタルマギカ』、『クロス×レガリア』など。
TYPE-MOON原作小説『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』を刊行中の他、『Bestia ベスティア』、『よすがシナリオパレード』などの漫画原作を手がける。

成田良悟(なりた りょうご)
小説家。主な著書に『バッカーノ!』、『デュラララ!!』など。
TYPE-MOON原作小説『Fate/strange Fake』を刊行中の他、『クロハと虹介』、『デッドマウント・デスプレイ』などの漫画原作を手がける。

■漫画原作という新たな分野への挑戦

――1月10日に三田さんが原作を手掛けている漫画『Bestia』の第1巻が発売されました。それを記念して、三田さんと交流が深い成田さんとの対談を企画させていただきました。本日はよろしくお願いいたします。

2人 よろしくお願いします。

――まず、『Bestia』という作品は、どのような発想から企画内容を固めていったのでしょうか?

三田 僕はこれまで「魔術」をテーマにした作品をいくつも手掛けてきました。『Bestia』もそのカテゴリーに入る作品ではありますが、主軸となっているのは「人間と野生のぶつかり合い」というテーマなんです。そもそもの出発点となったのは、「飼い主を食らうほどに凶暴なヒロイン」でした。幻獣としての突出した凶暴さと美しさが、可憐な体に同居している少女。そんな少女に、いつ喰われるかと緊張しながら一緒に戦う少年、という構図は面白いんじゃないかなって。

(C)三田誠・みやこかしわ・有坂あこ/KADOKAWA

(C)三田誠・みやこかしわ・有坂あこ/KADOKAWA

――ヒロインのエドガーを、数いる幻獣の中でも「黒妖犬」(※ルビ:ブラックドック)にしたのには、何か理由があるんですか?

三田 黒妖犬はイギリスではとてもメジャーな妖怪で、日本における「天狗」と同じくらい浸透している存在なんです。舞台をロンドンにするにあたって、ヒロインの正体としてはこれだ、と! それに、「凶暴な獣とその飼い主」という物語においては、黒妖犬のイメージがぴったりだったんですよ。犬は、現代人が一番親しみのある動物ですからね。

(C)三田誠・みやこかしわ・有坂あこ/KADOKAWA

――黒妖犬がイギリスではそれほど有名な存在だったとは知りませんでした。

三田 成田の場合はフラッシュアイディアというか、「こんな発想があったら面白い」というところから広げていくタイプだよね。『クロハと虹介』と『DMDP』もそんな感じ?

成田 『クロハと虹介』は「すごく運がいい女の子と、すごく運が悪い男の子が出会ったら面白くなりそう」という、非常にシンプルな発想から生まれました。また『DMDP』の場合は、「こちらの世界の主人公が異世界に転生する」というタイプの作品に対して、「主人公が異世界からこちらの世界に転生してくる」という逆の発想が出発点になっています。しかも、それが勇者でも魔王でもない。死体や死霊を操る悪の魔導士がきちゃったらどうなるか、という思考実験から発想を広げていった感じですね。

(C)成田良悟・藤本新太/スクウェア・エニックス

三田 何年も前から聞いていたアイディアなんですよね。成田は本当にフラッシュアイディアから話を広げていくのがうまいし、引き出しが多くてびっくりします。

成田 この2作品は、まったく正反対のコンセプトで作られていまして。『DMDP』はさまざまな登場人物が織り成す状況を積み上げることで、物語を構築するタイプ。私の作品で言うと、『デュラララ!!』などに近いです。一方『クロハと虹介』は、最初に強烈なキャラクター性を持つ主人公をドンと2人配置して、彼らを中心に物語をまわしていくというものです。群像劇を主に手掛けてきた私としては、ボーイミーツガールを正面から描く『クロハと虹介』は新鮮な感覚で作っていますね。

――小説を執筆するのと、漫画原作を手掛けるのとでは、アプローチの仕方にどんな違いがあるのでしょうか?

三田 とりわけ違いを感じるのは、作業の密度感ですね。当たり前ですが、小説は文章だけで読者の心に刺さるような表現を、書き続けなくてはならない。また、全部が持って回った言い回しばかりだと、今度は読み手が疲れてしまう。そのため、時折「〇〇はそう言った」みたいにあえて装飾を抜いた表現を混ぜ込むなどして、文章のリズムを作る必要があるんです。でも、漫画原作の場合は、漫画家さんが地の文を絵で表現してくれるので、絵にしたときの物語の内容とキャラクターのセリフや、そのテンポを考えることだけに注力しています。

成田 私も三田さんも小説家タイプの原作者なので、漫画の原作はすべて文章で書いています。「このシーンはページをめくった後に、見開きでバーンと見せたい」という部分は、そうした旨を文章で指定することもあります。漫画原作者の中には、コマ割りやセリフなどを書いた「ネーム」まで書いてしまう方もいらっしゃいますね。この手法は手間はかかりますが、物語の見せ方を完全に原作者がコントロールできるという利点があります。

三田 僕が原作を手掛けている漫画の中でも、『Bestia』は作り方がちょっと変わっていまして。僕が書いた原作を、作画担当の有坂あこさんが漫画にする前段階で、構成のみやこかしわさんがネームの形に原作を構成しなおすんですが、原作の内容をバサバサカットするんです。

――そうだったんですか!?

三田 原作のボリュームを紙面のページ数に合わせるためだと思うんですが、小気味いいほどの切りっぷりで(笑)。だから、僕は漫画の素材作りをするくらいの気持ちで、少し多めに物語を作っておくんです。ただ、カットされた内容は、単行本では新規シーンとして追加されるそうなので、単行本をご覧になれば違いがわかると思いますよ。

成田 『クロハと虹介』は『Bestia』とは逆に、漫画担当の白梅ナズナさんが「こういうシーンがあった方が映えるのでは?」と、色々なシーンを提案して下さったり、ネーム段階で追加して下さるんですよ。白梅さんも、『DMDP』の藤本さんも、それぞれ漫画家としてのセンスがズバ抜けていて、私の原作をそれぞれの持ち味を生かしながら、最高の形に仕上げて下さっているんです。

(C)成田良悟・白梅ナズナ/講談社

――お二方の本業は小説家でいらっしゃいますが、ほぼ同時期に漫画原作のお仕事が増えていった印象があります。漫画原作という分野を開拓し始めたのには、何かきっかけなどはあったのでしょうか?

成田 私の場合は、2014年に週刊少年ジャンプで連載していた『ステルス交境曲』(※ルビ 交境曲:シンフォニー)の原作を手掛けたのがきっかけでしょうね。残念ながら『ステルス交境曲』は短期間で連載が終わってしまいましたが、あれを見てくださった各社の編集部の方が「ジャンプとは違う、じっくり腰を据えたアプローチの漫画原作をやってみませんか?」というお話をいただくようになりまして。それで、まずはヤングガンガンにて藤本新太さん作画で『バッカーノ!』のコミカライズをやらせていただいたんです。その後、「今度はオリジナル作品もやってみないか」という話になり、「異世界のネクロマンサーがこちらの世界にやってくる異世界転生作品」のお話をしたら、トントン拍子で連載が決まりました。それが現在の『DMDP』になるわけですが、企画を練り込んでいる間に、月刊少年シリウスで読み切り作品として『クロハと虹介』が始まったりして。たまたま時期は重なりましたが、すべては『ステルス交境曲』から始まっていたんだな、と思います。

―― 一方、三田さんの方はどんなきっかけで漫画原作を?

三田 僕の場合は、「60歳までにこれをやる」という計画を立てて、それに沿って作家活動をしてきた結果ですね。小説家としてデビューしたのが20歳くらいだったんですが、だいたい5年ずつぐらいをめどに、次の目標を立てているんです。まず最初の5年で「作家としての地盤を作る」。そして、次の5年で「代表作を作る」。この時期に文字どおり僕の代表作のひとつとなった『レンタルマギカ』がスタートしました。次の5年が「小説以外の新しい企画に挑戦する」というもので、この時に「最前線」で奈須きのこさん、虚淵玄さん、紅玉いづきさん、イラストレーターのしまどりるさん、そして目の前にいる成田さんなど、そうそうたる面々が参加している『RPF レッドドラゴン』を始めましたね。それで、次の5年は「新しいジャンルに手を出す」。この時に、『ロード・エルメロイII世の事件簿』を執筆することで、ミステリの変化球、既存作品のスピンオフをやらせていただきました。事件簿の完結が見えてきたところで、今度は「いよいよ文字媒体以外の分野に手を伸ばす」時期かなと思いまして、折に触れて漫画原作の企画について各所に打診していたところ、月刊少年エースで『Bestia』での連載が決まったという感じです。

――こうして略歴をお聞きしていると、着実に打ち立てた目標を達成していらっしゃいますね。

成田 きっと目標の最後の方では、「都知事になる」とかが出てくるんですね!

三田 うーん、ないな!

■物語構築へのアプローチの仕方

――これまでの付き合いの中で、お互いの作家性に触れてきたかと思います。お相手はどんなタイプのクリエイターであると捉えていらっしゃいますか?

三田 成田は僕が知っている中でも、一番手広いタイプの作家です。小説や漫画原作、ゲームシナリオなどに留まらず、最近はWOWWOWオリジナルドラマ『虫籠の錠前』の原作まで手掛けるようになりましたからね。しかも、単に多作であるのとは違う。成田良悟という作家は、持っている「世界観」が広いんです。自分が構築した世界に、多数の個性的なキャラクターをぶちこんで、様々な状況を引き起こす。そして、キャラクターたちが巻き起こす状況の中で、面白くなりそうなものをつかみ上げて、それらを物語にまとめ上げているんです。

――たしかに、成田さんが描く群像劇は「ものすごく大きな箱庭」を舞台に、登場人物がそれぞれのドラマを繰り広げている感じがします。

三田 長編作品を描くにしても、マラソンのように長距離をペース配分しながら走る作家や、短距離走を10回繰り返す作家などがいます。その中でも成田の場合は、異なるキャラクターたちの短距離走の話をいくつも作って、それらをモザイク的に組み合わせ、ひとつの大きな物語にまとめるタイプなのだと思います。

成田 言われて見ればそうかも……。たとえば、アメリカの禁酒法時代を見ると、それぞれがひとつの物語として成立するような事件があちこちに点在していました。そして、多くの事件に絡んでいるアル・カポネという人物が裏にいて、捜査官のエリオット・ネスが彼を逮捕しようと躍起になっている。そんな世界観を構築したうえで、配置された様々な登場人物が織りなす物語の中で、面白くなりそうなところをすくい上げる、というのが私のやり方になっています。それと私の場合は、キャラクターの心情の変化よりも、世界の反応を描く方が好きなんですよ。刑事ドラマなんかで、とある事件の容疑者がマスコミに取り上げられ、世間がこぞって叩いていたら、じつは真犯人が別にいた、なんて展開があるとします。その後、真実が明らかになり、冤罪にあった人が救われる、というのが王道的な終わり方です。でも、私が見たいのは、冤罪記事を書いた責任を問われる記者や、容疑者を叩いていたのに「俺は最初から、あの人は無実だと思っていたよ!」なんて華麗な手の平返しを見せる人など、事件に翻弄される側の反応なんです。そういう意味で、近年の映画で完璧だと思ったのが『白ゆき姫殺人事件』という映画です。ああいう形の物語を作りたいという、理想型がそこにありました。

――一方、成田さんは三田さんをどのような作家として捉えていらっしゃいますか?

成田 私から見た三田さんは、物語の構築の仕方がとてもシステマチックで、様々な物事を理論的に分析して書く、いわば「ストーリーメイクマシーン」みたいな人です。物語の内容や進め方はとても理性的なんだけど、意外にも最後には内からあふれる感情を優先して書くところが、三田誠という作家の面白さなんですよ。『ロード・エルメロイII世の事件簿』第1巻のラストなんかに、そんな三田さんの真骨頂が表れています。機械的な冷静さの内に、秘めたる熱い魂がなければ、あの展開は書けないのではないかと。

三田 僕の物語の構築方法は、まず主軸となる「原材料」を基点として、そこに物語の要素をシステマチックに肉付けしながら組み立てていく、というものです。『事件簿』だったら、エルメロイII世はかつて自分が召喚したサーヴァント・イスカンダルの臣下として、ふさわしい人物にならなければならないとか。『レンタルマギカ』なら、主人公の伊庭いつきは、以前からずっと見え続けている「幽霊」をなんとかしなければならないと考えている。『よすがシナリオパレェド』なら、クリエイターというものは、みんな熱くて素晴らしい素質を持っていて、世の人々に知られるべきだ、というテーマがある。そうした、僕が作品でもっとも書きたいもの――「初期衝動」とも呼べるものが「原材料」に込められているので、ふとした拍子にその熱量が漏れる。それが、うまい具合に熱い展開に結びついてくれたらいいなと思いながら書いている、という感じです。

成田 あと、三田さんは敵役を書くのが本当にうまいんです。『よすが』に出てきた檜垣双とか、『Bestia』に登場した2人の貴族なんかは、作品を読んでいると「こいつ腹立つなぁ。主人公さん、やっちゃってくださいよ!」って思ってしまう。そういう、憎さ余って主人公に肩入れしたくなるタイプの敵役を書けるのは、三田さんが読者の感情をうまく誘導できるように理路整然とキャラクターを組み立てているからなんです。私にはそういう敵役はなかなか書けなくて……。憎々しい敵役を書いたとしても、自分で「なんてムカつくヤツなんだ。よし、たまたま隣にいた通りすがりの巨漢に殴らせよう」みたいに、短絡的に制裁を加えたくなっちゃうんですよ(笑)。

三田 たしかに、檜垣あたりが成田作品にいたら、3ページも保たずに退場するね! いや、あいつもあいつなりにいいヤツなんだよ(笑)

■『ロード・エルメロイII世の事件簿』TVアニメ化への思い

(C)三田誠・TYPE-MOON / LEMPC

――昨年末に放送された「Fate Project 大晦日TVスペシャル 2018」で、三田さんが手掛けている『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』がアニメ化されました。また、今年の7月からはTVシリーズも放送されるとのことですが、この作品に期待するところは?

三田 やはり、TVアニメ『Fate/Zero』の監督を手掛けたあおきえいさんが、スーパーバイザーとして直接参加していただいてるところは大きいですね。また、制作スタジオのTROYCAは、『Fate/Grand Order』第2部のOPアニメーションを手掛けているので、『FGO』ユーザーの方にはビジュアル的にも親和性が高いかと思います。この記事が配信されたタイミングだと、TVアニメの『事件簿』も年末に放送されていますが、とにかくキャラクターの表情や美術設定のレベルがものすごく高い。いつもちょっと難しい顔をしているエルメロイⅡ世や、憂いを帯びたグレイの表情など、すべてに細心の配慮が込められていると感じました。7月から始まるTVシリーズでも、このレベルで全編が描かれていくと考えると、胸が躍りますね。

成田 くッ…メディアミックス……。同じく『Fate』のスピンアウト作品を手掛ける者としては、うらやましい限りですよ。『Fate/Strange Fake』もアニメ化してもらいたいなぁ……。

三田 『Fate/Strange Fake』は第4巻まで出ているのに、お話の終わりが全然見えないじゃん!(笑)

成田 そんな個人的な嫉妬と羨望の思いはさておき。エルメロイII世ってかなり特殊なキャラクターですよね。もとは虚淵玄さんの『Fate/Zero』に登場したウェイバー・ベルベットを、『事件簿』で三田さんが引き継いで、ロード・エルメロイII世として新生させた。ウェイバーからエルメロイII世への変化も、きれいに描き分けられているという。

三田 TYPE-MOON作品の設定本「Character material」で登場したのが、エルメロイII世のそもそもの誕生経緯だよね。生みの親が奈須きのこ。育ての親が虚淵玄。そして、現在新しい職場で面倒を見ているのが僕みたいな感じかな。

――エルメロイII世は幾人もの作家間を渡り歩いてきましたが、キャラクター性が一貫しているところが面白いですね。

成田 たしかにそうですね。最近は『Fate/Strange Fake』にも出張してもらってますけど、キャラクター性がしっかりしているから、すごく書きやすいんですよ。

三田 「強さ」の面で他のキャラクターと比べなくていいところが、作り手にとって使いやすいんだろうね。普通は、最後に主人公を勝たせなければならないというセオリーがあるけど、エルメロイII世の場合は負けていても一向にかまわない。エルメロイII世は頭脳労働担当であり、戦闘は助手であるグレイが勝てばいいのだから。

成田 エルメロイII世は散りばめられた小さなヒントを結び付けて、真実にたどり着くじゃないですか。それを、真逆のタイプの人間である三田さんが書いているというところが面白くて。

――といいますと?

成田 ゲームなどでたまたま見つけたものや、偶発的に起こった状況に、プレイヤー自身が物語を見出していく「ナラティブ」という手法があります。たとえば、ゲーム『フォールアウト』シリーズで、化学工場内に骸骨がひとつ落ちている状況を見ると、私はその人物がどんな運命をたどってそこで死んだのか、背景事情にドラマを見出さずにはいられないんですが、三田さんの場合は違うんですよ。

三田 普通は、化学工場という場所と、骸骨、落ちていた社員証などの状況をつなげて考えて、「化学薬品かなんかの事故で、この人がここで死んで、骸骨になったのだろう」と思いを巡らせるでしょう。エルメロイII世はそのパターンですね。でも、僕の場合はよほど感情移入してないと3つ全部バラバラにとらえてしまい、物語性を見出さないんですよ。むしろ『フォールアウト』だったら、いかにレベルを上げて強力なスキルを取得して、最強のキャラクターを作るか、というところばかり楽しんでいます。

成田 三田さんはTRPGなんかでも、スキルの組み合わせによって、制作サイドさえ気づいていなかったようなチートプレイを模索するのが、すごく得意なんですよ。もしも三田さんが異世界に転生する際に特殊な能力をもらえるとしたら、一見あまり強そうじゃないスキル群を見て「おっ、これとこのスキルを組み合わせれば、どんな敵が相手でも無双できるぞ。ヤッター!」みたいなタイプですよね(笑)。

三田 成田の場合は強い能力ではなく、「持っていたら面白そうな能力」を欲しがるタイプだよね。それを使うことで、どんな落とし穴が待っているかは、あまり考えない。面白いもの勝ち、みたいな(笑)。

■これからも続く新たな分野への挑戦

――それでは、最後にお二方の作品を楽しみにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。

三田 まずは、『Bestia』と『よすがシナリオパレェド』の2作品を楽しみにしていただきたいですね。『よすが』のWEB版はこれからクライマックスなんで、彼らが創作にどんな光を見出すのか楽しみにしていただければ。例えるならば、『よすがシナリオパレェド』は企画時点でおおよそのボリュームなんかも話していたのですが、「読者と一緒に遊んでいるパズル」なんです。一方、『Bestia』は「わちゃわちゃと面白いものを詰め込んだおもちゃ箱」ですね。1月10日に発売された第1巻の段階では、まだ盛り上がっていく最中。ここからさまざまな幻獣が登場し、異能バトルを繰り広げていくことになります。次はいかなる幻獣との出会いが待っているのか、司とエドガーの戦いを見守っていてください。

成田 私の方は、『デュラララ!!』のコミカライズや、『DMDP』『クロハと虹介』、そして『虫籠の錠前』のスピンアウトコミックなど、漫画原作のお仕事がたくさん増えました。どれも持ち味は異なりますが、全部ひっくるめて「成田良悟作品」という塊として楽しんでいただければ幸いです。これからも読者の方々に喜んでいただけるよう、さまざまな分野での作品作りに挑戦していくので、応援のほどよろしくお願いします!