TVアニメ『ダンまちⅡ』キャストインタビュー①:松岡禎丞(ベル・クラネル役)編

マンガ・アニメ

2019/7/13

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ』 毎週金曜24時30分より、TOKYO MXほかにて放送中 (C)大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち2製作委員会

 GA文庫10周年記念プロジェクトアニメ第1弾として、2015年にアニメ化された『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のTVシリーズ第2期のオンエアがいよいよ始まる。第1期は女神ヘスティアのかわいらしさと独特な衣装(紐!)が話題となり、2018年には外伝『ソード・オラトリア』がアニメ化、2019年には劇場版『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-』が公開された。

 その第2期の放送を迎えて、主人公ベル・クラネル役の松岡禎丞がシリーズを振り返り、作品に対する思いを語ってくれた。「憧憬一途(リアリス・フレーゼ)」というレアなスキルを秘め、過去最短記録の成長を遂げ、世界最速兎(レコードホルダー)として注目を集める、ベルくんの運命は? ファミリア同士の対決〈戦戦争遊戯(ウォーゲーム)〉が始まる第2期について期待感を語ってくれた。

『ダンメモ』のおかげで、期間が空いたという感覚はまったくない

――いよいよ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のTVシリーズ第2期がオンエアになります。今のお気持ちをお聞かせください。

松岡:ひとりの男の子の成長物語ということで、一から十まで順番にプロセスをたどって成長をしていく作品なんですね。成長物語であることは、自分たち役者陣にもあてはままることだな、と思っていて。僕はオーディションを経て、このアニメーションに関わらせていただくことになったんですけど、実際にキャストのみなさんと第1話から掛け合いながら、ひとつずつ作っていくことができて良かったなと思っています。劇場版を経て、第2期までやらせていただけることは、胸に来る感じがありますね。

――第1期のときはベルくんと出会う女神ヘスティアが身に着けている「紐」が話題になりましたね。松岡さんは、こういった形で話題になることを予想していましたか?

松岡:いや、さすがにあれは予想していなかったですね。ヘスティアが「紐神さま」と呼ばれることになるとは(笑)。

――今回の第2期の収録を始めるにあたり何か準備をされましたか?

松岡:この作品では、第1期の放送後からスマホゲーム(『ダンまち~メモリア・フレーゼ~』以下『ダンメモ』)の収録をしていて、その中で原作の大森藤ノ先生が書かれたシナリオを収録することがあったんですね。いつも、ゲームの収録はひとりで行うんですが、その台本を読むだけで、ベル以外のまわりのキャラクターが話している姿が瞬間的に浮かんでくるんです。作品を知る上で参考になることがすごく多いですし、毎回、1本分のゲームを新しく作れそうな分量があるんです(笑)。

――そういえば、松岡さんは『ダンメモ』で「モバイルゲームにおけるワード数最多」のギネス世界記録™を認定されたそうですね。おめでとうございます!

松岡:いえいえ(笑)。僕なんかがいただいて良い賞なのかな、と思いますけど。

――じゃあ、『ダンメモ』があったおかげで、アニメ第1期から多少間隔が空いてたとしても、作品から離れていたわけではないんですね。

松岡:そうですね。おかげで期間が空いたという感覚はまったくないですね。あと、第2期の前に劇場版(『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-』)があったことが、僕たちにとってもすごくありがたくて。劇場版のエピソードは第1期と第2期をつなぐものになっていて、ちゃんと時系列もつながっていたので、それが第2期に役立っていると思います。

収録のときはテストから全力で臨もうと思っているんです。そこは、ベルがいつも全力なところと似ていると思う

――そもそもベルくんはお爺ちゃんの「ダンジョンに出会いを求めなくっちゃな」という言葉を信じて、迷宮都市オラリオに来た少年です。松岡さんは、主人公・ベルくんにどんな印象を抱いていますか。

松岡:お爺ちゃんの言葉は、ほとんどそのまま「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」という作品のタイトルになっていますけど、僕自身は「間違っていない」と思っています(笑)。このオラリオの世界においては、「出会うこと」は誰しもがあこがれていることなのかもしれない。でも、そこで面白いのは、ベルは「出会い」をたくさん求めているんじゃなくて、出会った女性冒険者アイズ・ヴァレンシュタインに一途なんですよね。ベルくんが一途だからこそ作品のタイトルも「間違っているだろうか」という疑問形になっているんだと思います。「ダンジョンに出会いを求める」まではお爺ちゃんの言葉で、「のは間違っているだろうか」という部分はベルの気持ちというか。

――おもしろいですね。お付き合いも長くなってきた、ベルくんを演じる上で、意識していることはなんですか。

松岡:ベルは、アイズ・ヴァレンシュタインにいつか追い付きたいと思っている少年なんですが、第1期でスキルを覚えても、レベルがあがっても、まだオラリオの冒険者の中ではまだ下の下。だから、気持ちを一段飛ばしにせずに、一歩ずつ気持ちを作っていこうと思っています。ベルは英雄になりたいという目標を決してあきらめないので、どうにもならない状態に陥っても、どうにかしようとあがき続ける。そのベルの頑張りが、多くの人たちの心に届くといいなと思っています。

――ベルくんは女神ヘスティアのファミリア(眷属)になって、ダンジョンに向かいます。ヘスティアにはどんな印象がありますか?

松岡:ベルとヘスティアの出会いには運命的なものがあったんじゃないかと思うんですね。スマホゲーム『ダンメモ』で神様(ヘスティア)と出会う前の話をやらせていただいたんです。ベルはバカ正直に真っ直ぐなので、他人にダマされてボロボロになってしまうんですが、そのときにヘスティアに出会って、救われるんです。すごく運命的なものを感じました。でも、ヘスティアはかわいそうですよね……。

――えっ!? かわいそう?

松岡:ヘスティアはベルに好意を思いっきり向けているのに、ベルは完全に一線を引いちゃってますからね。ベルはヘスティアのことを「神様」って呼んでいるし、神様がアプローチをかけているのに右耳から左耳へ抜けちゃっていますし……。やっぱりベルはヘスティアに感謝する気持ちがすごく大きいので、恋愛的な気持ちにはまったくならないんでしょうね。

――あくまで「神様」として、ベルは見ているわけですね。ヘスティアは「神様」としてはどんな印象がありますか?

松岡:ヘスティアって若干わがままな部分があるんですけど、ベルくんたちのことを「子どもたち」と呼んで、「子どもたち」の気持ちを汲もうとしているんですよね。神様としては、すごく良い神様だと思います。

――そんな神様と人間がファミリアを結成してダンジョンに臨むという、この作品の世界観はとても特徴的ですよね。

松岡:オラリオという迷宮都市が面白いんです。バベルの塔の下に巨大な迷宮が広がっていて。こんな世界に行ってみたいな、と思わせる世界になっていますよね。各冒険者の能力(ステータス)が数字で見ることができるところも、どこかゲーム的なところもあって。親しみやすい世界だなと思います。

――松岡さんご自身とベルくんが似ているところはありますか?

松岡:僕は「やるなら悔いは残したくない」と思って、収録のときはテスト収録のときから全力で臨もうと思っているんです。そこは、ベルがいつも全力なところと似ているかなと思います。あとは女性陣との接し方が……。

――ベルくんはいろいろな女神や女性キャラクターから助けられたり、ちやほやされたりしていますが、基本的には奥手ですよね。

松岡;僕は、常に謙虚です!

――ヘスティア役の水瀬いのりさんに対しても?

松岡:常日頃から、謙虚でいます! 僕はパーソナルスペースが大きいんですよ。だから、女性キャストの方々と話をしていても、僕がどんどん後ろに下がっていくことになる。話が終わったときには僕だけ2~3メートル移動していて、(アフレコの)スタジオの端に追いやられてしまうこともあるんですよね。それもあって、僕はスタジオの椅子に座るときは、隅っこの席にしたいと思っているんです。

――主演なのに、スタジオの座席は端なんですか?

松岡:両サイドに人が座っているのが苦手なんで。よくスタッフさんやキャストさんに指摘されるんですよ。「つぐつぐ、そこに座るの?」って。僕は端が良いんです! 端の席は出口が近いですからね。すぐに逃げられる。

――逃げなくても良いんじゃないでしょうか(笑)。第2期に入っても、ベルくんは女性に対してはまだまだぎこちないようですね。第2期第1話では、念願のアイズとのダンスシーンがありますが……。

松岡:あのシーンは、ベルなりに勇気を振り絞っていたと思うんです。第1期のベルだったら、ヘルメスに焚き付けられたとしても、謙虚にしていてアイズとダンスなんてできなかったでしょうね。だから、ダンスをできただけでも進歩したんじゃないかと思いますね。

――憧れのアイズに一歩近づいたと思いきや、ベルくんは別の神様にもちょっかいを出されてしまいます……。

松岡:なんの因果か、ベルってやけに神様たちから目を付けられるんですよね。急激に成長を遂げた「世界最速兎(レコードホルダー)」だというのもあるんでしょうけど。今回は、アポロンにちょっかいを出されるんですが、これがヤバイんですよ。かなりイカレている神様なんです。

――第2期もベルくんはピンチの連続というわけですね。

松岡:のっけから大ピンチです。冒頭からボコボコにやられている相手に、さらにケンカをふっかけられる展開ですからね。

――アポロンとベルくんたちの関係がどうなるか楽しみです。

松岡:第2期は新キャラクターも多いので、気になるキャラクターもたくさんいるんですけど……前半で挙げるとするならば、やっぱりアポロンになりますかね。良太(逢坂良太/アポロン役)が「俺、これで良いのかな?」って言うくらい、ものすごく「我が強い」演技をしているので。アフレコ現場でも評判が高かったです(笑)。

――第2期で注目のキャラクターは?

松岡:実際に映像を観ると、アポロンのえげつなさが強烈です。欲しいものは手段を選ばずに手に入れる。すごい粘着質(笑)。そんなアポロンと彼のファミリアに対して、ベルがこれまでに培ってきた人間関係で乗り越えていく。『ダンまち』らしい展開が楽しめます。ぜひ、『ダンまち』が帰ってきたと思っていただけると嬉しいです。

オラリオで鍛冶師になりたい

――第2期のアフレコ現場の様子はいかがですか?

松岡:今回はキャストが多いですね。スタジオの中はかなりぎちぎちです。キャストの中には『ダンまち』に初参加の方もいらっしゃるので、そういった方々には僕らがテスト収録のときに、実際に演技してみて「ああ、この作品はこういう世界観なんだ」ということを、身をもって感じてもらえればと思っています。

――メインキャストのみなさんとは長いお付き合いになっているかと思いますが、第1期の頃と違いや変化を感じることはありますか。

松岡:そうですね。現場でみんなと掛け合うと、すごく楽しいんです。ヴェルフ・クロッゾ役の細谷(佳正)さんが「松岡さんと掛け合うと、自分になかった引き出しが、引き出されるんです」とおっしゃってくださって。現場の雰囲気が良い意味でどんどんやわらかくなっていると思います。確か、第1期の収録のときは水瀬さんとは収録中にあまり話をしていなかったんですよ。ヘスティア役が初のメインヒロインだったのかな……。でも、いまはすごいですからね。現場でどんどんツッコミを入れるようになって。「ああ、人間ってこういうふうに、面白い人になっていくんだな」って(笑)。

――松岡さんはこのオラリオにいたら、どんな冒険者になりたいですか?

松岡:ヘファイストス・ファミリアに入りたいです。オラリオで鍛冶師になりたいですね。ヴェルフ・クロッゾみたいに武器や防具を作るのは良いなって思うんです。ただし、ダンジョンに入るとしても1階層までにしておきたいですね。2階層や3階層には行きたくないです。万が一、ミノさん(ミノタウロス)に会ったりしたら、すぐに死を覚悟します。逃げ切れるわけがないですから!

――鍛冶師になるとしたら、作りたい武器はありますか?

松岡:人間は神造武器って作れるのかな? 自分でも何か作れれば良いなと思いますね。

――これから始まる『ダンまちII』を、松岡さんはどのように楽しんでほしいと思いますか。

松岡:すごく観やすい作品になっていると思うんです。第1期を観てきた人にとってはワクワクできる展開になっていますし、観ていない方にとってもすぐに内容がわかりやすい。第1期では登場していなかった、いろいろな神様やファミリアも出てきます。続編を待ち望んでいた方々にも「これが『ダンまち』だよ!」と納得してもらえる作品になっていると思います。ぜひ、これからの毎週の放送を楽しみにしていただきたいです。

取材・文=志田英邦

TVアニメ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅡ』公式サイト http://danmachi.com/danmachi2/