深川芹亜「相手のキャッチボールを受けられる役者に憧れます」【声優図鑑】

アニメ部

2019/10/11

深川芹亜"

キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第226回目に登場するのは、最近は『アイドルマスター シンデレラガールズ』の喜多日菜子役などで活躍し、ラジオ番組での巧みなトークでも注目を浴びる深川芹亜さん。「今年で24歳。25歳を前にオトナな深川できました!」とシックな服装で現れ、いつもの明るい笑顔を見せながら、これからのお仕事についての真摯な想いも聞かせてくれました。

――活動範囲が本当に幅広いですよね。声優になる前は舞台にも出演していたそうですが。

深川:はい。小学校の頃、佐賀県で開催している「アバンセ杯放送コンテスト」の朗読部門で最優秀賞をいただいてから、「めちゃくちゃ楽しい!」と演じることに魅力を感じて。ティーンズミュージカルSAGAっていう団体でも活動してました。

――それが、ある時から声優を目指すようになったと。

深川:もっと本格的にお芝居を学ぶために入った養成所で、「声優をやってみないか」と声をかけていただきました。実際にワークショップで声優を体験してみたら、3次元の動きを2次元に落とし込むのが面白くて、私自身も「やってみたい!」と。技術としてお芝居を磨けるところに楽しさを感じましたね。より職人的というか。

――地元の佐賀からの上京も、わりと早い時期に。

深川:中学2年で養成所に入ったのと同時に上京しました。母親と一緒に。いつも「好きなことをやりなさい」と応援してくれる母なんです。

――そう考えると、役者歴がすでに長い。声優としても、キャリアが始まってからすぐに『グラスリップ』で主演を。

深川:もうあれから5年も経つんですね…。あの時の共演者のみなさんとは、いまだに連絡をとってます。あの頃、アフレコでがっつり演技をするのが初めてだったのでやり直しが多くて…。でも、収録が終わった後、みなさんがご飯に誘ってくださったんです。「自分の気持ちで演じればいいんだよ」とみなさんが言ってくださった時は本当にうれしかったので印象に残っています。ありがたいことに、演じている深水透子ちゃんが私自身と似てるって言っていただくことも多くて。

――明るくて元気だけど、天然な一面もあるキャラクターでした(笑)。

深川:私はそんなに天然じゃない!って思ってましたけど(笑)。周りのみんなに好かれて、人と人をつなげていくような子だったので、そんなに重要な役を背負えるかな…って思ったのも覚えてます。ハタチの誕生日の時、東山奈央さんがご飯に誘ってくれてお店に行ったら、サプライズでキャストさんやスタッフさんがいらしゃって…。うれしくて大泣きしたのもいい思い出です。

――思い出深い作品ですね。他に、転機になったような作品はありますか?

深川:『魔法少女?なりあ☆がーるず』は…すごかった! 生放送アニメだったんですよ。主人公のうららちゃん役として、生放送の前に、はなび役の古賀葵ちゃん、いなほ役の桑原由気ちゃんと「今日はどうやって笑いを取る?」って話し合って。バチバチとケンカっぽくなることもありました。でも、そこで遠慮なく意見を言えたことで、初共演だったのが、今ではかけがえのない友だちに。大変だった現場を一緒に乗り越えた、いわば戦友ですね。

――ケンカっぽくなるほど真剣だったと。

深川:キャラクターがブレてはいけないので、脱線するにしても超えてはいけないラインがあったんですよ。それに、なぜか本番ではリハーサルとは違うことをやりたい!という願望が出てしまって。「私たち、試されてるよね」って話しながらネタを何個も仕込んで、そのうち、ギャグがすべっても怖くない!って思うようになりました(笑)。今は誰が喋りたがりそうにしているか…など、空気の読み方が分かってきたので、この作品で経験したことがイベントなどでも役立っていると思います。

――イベントといえば、最近は、喜多日菜子役を演じている『アイドルマスター シンデレラガールズ』としての出演も多いですが。

深川:本当にたくさんのイベントに出演させていただいてますね。初めてのステージがグリーンドーム前橋だったんですよ。その後は、5万人規模の名古屋ドーム。あの時、「やっと今、シンデレラになれたかもしれない」って実感がわきました。

――それまでは実感がわいていなかった?

深川:役自体は早い段階でフィットしていたんですけど、歌とダンスが得意ではなかったので…。私を見て日菜子ちゃんのパフォーマンスがダメだとは絶対に言われたくなかったので、日菜子ちゃんとしてステージに立つにはどうしたらいいのかを、すごく考えていました。自分の中でギリギリの合格点を出すまでに時間がかかってしまったんです。

――今では、歌って踊るような機会が他にも増えていますね。今年5月には、『温泉むすめ』の武雄星知役として、大分での九州選抜ライブに出演を。

深川:めちゃくちゃ楽しかったです! ライブはもちろん、その道中が修学旅行みたいで。1日目の宿泊で、和多田美咲ちゃんとマネージャーさんと3人で、大分の温泉に入ったんですよ〜。すっごく気持ちよくて、大分の夜景を眺めながら「私たち、この街で歌ったんだよね」って。感慨深かったです。

――そんなステージの姿もありつつ、深川さんといえばラジオのパーソナリティとしての印象も強いです。「A&G NEXT BREAKS FIVE STARS」は2015年からですから、4年以上でした。

深川:パーソナリティのお仕事は、やっぱり楽しいですね。リスナーさんとの距離がすごく近いんですよ。だからもっと距離を縮めたくて、メールをくださる方のお名前をできるだけ覚えるようにしています。お渡し会でお名前が一致すると、すごくうれしい気持ちになれるので。「A&G NEXT BREAKS FIVE STARS」では、担当していたのが週の2日目の火曜日でしたので、その日を笑いに変えることを意識していました。

――パアッと笑って、週末までの元気をもらえるような放送でしたよね。

深川:長くやらせていただいていたので、スタッフさんも私の扱いになれていたんだと思います! 信頼関係ができていたので、思いっきり乗っかっていけたのはありがたいな〜と(笑)。

――お忙しい毎日だと思いますが、プライベートはどんな風に過ごしていますか?

深川:1つはひたすら寝る! もう1つは旅行に出かけます。母と車で佐賀まで帰ったり、フラリと旅に出ることが多かったんですけど、最近はパスポートのスタンプを集めたくて海外旅行に凝ってます。3年前にシンガポールに行って、去年は韓国に。一人旅にも挑戦したくて、今年は一人で韓国に行ってきました! ご飯屋さんに入った時、お店のおばちゃんがずっと隣で、「これを一緒に食べたらいいよ」って教えてくださって。帰る時にヤクルトを2〜3本バッグに入れてくれました。優しかった…(笑)。

――深川さんといえば、同じ声優の東山奈央さんとのエピソードもいろいろ聞こえてきますが。

深川:なおねえとは、『グラスリップ』の時からの付き合いで。優しいですね〜。私がラジオの生放送を毎週やっていたから、「お洋服、大変だよね」ってお洋服をくださるんですよ。「この服は、こういう着方をするといいよ」っていう写真とコメントつきで。なんだ、この天使は!って思います(笑)。

――まさに姉妹のような関係! 深川さんは趣味も豊富ですね。美術に楽器、スポーツ…と多岐にわたっていて。

深川:その中でもやっぱり音楽は好きです。特に歌謡曲。ラジオでも「花の80年組」を流していて、もうかける曲がなくなってしまったくらい。母の影響が大きいんですよ。母は小泉今日子さんが好きで、私は松田聖子さんが好き。「おニャン子クラブの曲はちょっとエッチな歌詞が良かったんだよ」って教えてくれたり(笑)。歌謡曲って歌いやすいし、コールが入れやすいから好きです。松本隆さんが作詞した曲とか、たまらないんですよっ!

――先ほどから、至るところでお母さまのお話が…。

深川:母とはお休みの日に一緒にいることも多くて。ライブにもよく一緒に行くんですが、めちゃくちゃ天然で元気なんですよー! 私は地蔵タイプで黙って見ているけど、母親は行く前からコールを研究していくタイプ。私のライブでも、大きな声で「せりあ〜っ!」って叫ぶから恥ずかしい(笑)。

――(笑)。ちなみに、ライブはどんなアーティストが多いですか?

深川:最近は、IZ*ONEとかTWICEとか、K-POPも好きです。ずっと好きだったHKT48の矢吹奈子ちゃんがIZ*ONEに入ってすごく活躍してるので、もっと彼女を応援していきたいなと思っています♪ちょっと前まで年上のアイドルを追いかけていたのに、今は年下を応援してるんですよ! いくつになっても輝けるアイドルを尊敬してます。そんな憧れがあるから、自分がステージに立てるのもうれしいんです。

――アイドル好きが一つの原点に。周りの人たちとの温かい関わり合いも、深川さんを形作っているものの一つなんだと感じます。これからはどんな声優を目指したいですか?

深川:デビューした頃によく、「どんなおかずにも合う“白ごはん”みたいな声優になりたい」って話をしていたんです。今もそのベースは変わらないのですが、サポートにも回れる役者になりたいと思っています。私の尊敬する東山奈央さんや早見沙織さんは、主役もやりながら、主役をサポートするキャラクターも演じられているんです。攻めではなく、相手のキャッチボールを受けられる演技って、かっこいい。そうなるためにも今は、「深川さんで」と求められたことは、ジャンルに関わらず全部やりたい! いろんな現場に呼んでもらえる役者になりたいです。

――深川さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】深川芹亜さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

深川芹亜

深川芹亜(ふかがわ・せりあ) アクセルワン所属

深川芹亜(ふかがわ・せりあ) Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=吉田有希、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト