金子有希「夢をもって挑戦し続け、全部やれる人になりたい」【声優図鑑】

アニメ

公開日:2019/11/21

金子有希

キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第230回目に登場するのは、『たまこまーけっと』の常盤みどりや『聲の形』の植野直花、『アイドルマスター シンデレラガールズ』の高森藍子などを演じ、昨年からは声優ボーカルユニット「Kleissis」としても活躍している金子有希さん。声優としてはもちろん、ドラマCDの原作など多方面で才能を発揮している彼女だが、最初のお仕事は意外にも……⁉

――金子さん原案のドラマCD・歌唱CD制作企画クラウドファンディング、目標達成おめでとうございます!

金子:ありがとうございます! 人気原作というわけでもなく、完全オリジナルなので不安でしたが、サクセスできてホッとしています。

――自分の考えた物語を形にするのが、子供の頃からの夢だったそうで。

金子:夢というか、物語を考えるのが好きだったんです。インドア派で絵を描いたり物語を考えたり、父親の本棚にあった『ジャングルの王者ターちゃん』や『流れ星銀河』を読んでいるような小学生でした。結構背が高いので「運動できそう」と思われるんですけど、バスケのドリブルもできなければ、自転車も乗れなくて(笑)。

――運動できそうに見えますよね。当時考えていたのは、例えばどんな物語を?

金子:最初に考えたのは、「月にウサギがいる理由」という内容でした。そこからどんどん妄想が膨らみ、色んな物語を携帯やノートに書いては保存していて。それを久々に読んで、この物語をどこかで出したい! 続きを考えて完結させたい! と思っちゃいました(笑)。

――父親の漫画を読んでいたとはいえ、特別アニメが好きだったというわけではなく?

金子:逆にアニメはほとんど見たことがなかったです。母親が録画していた手塚治虫さんの『ユニコ』や『リボンの騎士』、あとはディズニーの『美女と野獣』や『アラジン』ぐらいで。そのほかはそんなに見ていなかったので、何故声優になろうと思ったのか、ちょっと覚えていないんですよね(笑)。

――理由は覚えていないけど、なりたかったと。

金子:なぜか「なりたい」ではなくて「なるんだ」と思っていて(笑)。でもなり方がわからず、「声優 なり方」で検索しました。それで一番上に出てきたのが、「青二」(青二塾/青二プロダクション附属の養成所)だったんですよ。私はテンションやノリで生きているところがあるので、「ここでいいや。えい!」って。後でかなりの大手だと知って震えました(笑)
大学に行きながら養成所も行きたかったので、土日しか授業のない青二塾大阪校はとても私に合っているなと思って申し込みました。

――思い切りがあったのですね。しかも、入所されて最初のお仕事ってミュージカルでしたよね?

金子:実は最初のお仕事はそれではなく、モデルだったんですよ(笑)。

――え? モデル??

金子:家電量販店とかに流れる映像ってあるじゃないですか。その電子辞書のモデルで、声を出さないお仕事でした。

――声優……ですよね?

金子:「ポージングしてください」というオーディションで、まさか受かるとは思ってなかったです(笑)。その後に、「2.5次元系のミュージカルをやってみようと思っているんだけど、受けてみたい?」とマネージャーさんに言われたんです。

――聞けば聞くほど興味深い経歴です。それがミュージカル『忍たま乱太郎』だったのですね。

金子:そうなんです。私は自転車も乗れないし、身体能力がなぁ……と不安もあったんですけど、もともとミュージカルには憧れがあったからチャンスだと思って。役がユキちゃんだったので、「ユキと有希は似ているんで」「有希なので『勇気100%』(TVアニメ『忍たま乱太郎』OPテーマ)歌います」と名前に絡めてアピールしまくってオーディションを受けたら、ありがたいことに受かることができました。ミュージカルに出ることはひとつの夢でもあったので、オーディションはとても緊張したんですが、受かることができてよかったです。しかもその後5年間も携わることができて本当に感謝しています。舞台初現場だったので学んだことは多いです!

――そこからは脇役などを経験しつつ、という感じでしょうか。

金子:それが……私はオーディションを受ける機会が全然なくて、脇役もやっていないんですよ(笑)。(アニメとしては)いきなり京都アニメーションさんの『たまこまーけっと』なんです。それまでは自分でボイスサンプルを作ってマネージャーさんに聴いてもらったり、自然な演技とはどういうものかなど自分の研究をしていました。それも無駄ではなかったと思っています。

――すべてが糧になりますからね。『たまこまーけっと』のアフレコは振り返ってみてどうでしたか?

金子:最初は台本の見方もあまりわからなくて。長妻樹里ちゃんや洲崎綾ちゃんに「これってどういう意味かな?」と台本の読み方を教えてもらいながらやっていましたね。すごく勉強になりました。

――作品にしても人にしても、いいご縁に恵まれましたね。

金子:本当にそう思います。オーディションを受ける前から、自分の声質には「幼なじみの女の子役」が合っているかもと思っていたし、やりたいなと思っていて。主人公がいて、ヒロインがいて、幼なじみの女の子がいるってパターンってよくありますよね。その恋に敗れる方(笑)。なので、この役(常盤みどり)に受かることができて嬉しかったです。私はヒロインです! という声ではないんじゃないかなと思っていたので、「このままでいいんだよ」といわれた気がしました。

――アニメ以外もいろいろなお仕事をされていたとのことですが、どのようなものを?

金子:社内で見るための絵コンテ映像(Vコン)に声を当てたり、子供向けの教材、着ぐるみショーの声などいろいろやりました(笑)。

――ナレーションも結構やられているんですよね。

金子:ナレーションって台本を事前にもらえることは稀なんです。現場で台本をもらって、チェックしてすぐに録ります、というのが最初は怖かったですね。でも今は、どうやって読もうか楽しめるようになりました。

――さらに、最近ではステージで歌って踊る機会も増えました。ダンスをやり始めた当初は大変だったのでは?

金子:高校の授業で創作ダンスがありましたし、中学でも友達と1年間ダンススクールに通っていたので、嫌いなわけではないんですよ。楽しいんですけど……リズム感がないから動きがぎこちなくて(笑)。覚えるのも遅いし、苦手意識がありましたね。今でも得意とは思ってません。でも私の精一杯を出したいなと思っています。

――『アイドルマスター シンデレラガールズ』で大きなステージに出た時はいかがでしたか?

金子:皆さんが目の前にいらっしゃることに感動しました。ペンライトの光が綺麗すぎて、満点の星空を初めてみたような感覚で……本当に感動しました。

――その経験も経て、昨年からKleissisの活動もスタートしたわけですが、やると決まった時の率直な気持ちを教えて下さい。

金子:マネージャーから「1人だけ結構年上だけど大丈夫?」と聞かれたんですよ(笑)。でも私は『忍たま乱太郎』の時も、周りの子たちが代替わりしていく中、5年間ずっとユキちゃんをやらせてもらっていて。年の離れた子と仲良くする自信があったので、「向こうが気を使わなければ大丈夫だと思います」と。皆とても仲良くしてくれてます。不安もありましたが、金子がいて良かったと思ってもらえるように頑張っていきたいです。

――どんどん成長しているのを感じますし、メンバー同士の仲も深まっているようで。

金子:そうですね。最初は人見知りだった子も打ち解けてきて、今はお泊りしたりもするくらい仲良いです。Kleissisは“金子有希として”歌って踊っていいグループなんですよ。そういう機会はあまりないので、もっと見ていただきたいですね。

――もしかして、金子さん自身も人見知り?

金子:私はちょっと変わっていて。お店の店員さんとか初めて会う人にはめちゃめちゃフレンドリーにいけるんですけど、今後付き合っていく人には人見知りが発揮されてしまって……。実は、隠れ人見知りなんです。よく「コミュ力お化け」みたいに言われますが、そうじゃないんだよ! って(笑)。

――そんな金子さんは、プライベートでは普段どんなことをして過ごすことが多いですか?

金子:映画館に行って、映画をめっちゃ見てます。もともとは外画が好きだったんですけど、最近は邦画も見ようかなと思って『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』や『記憶にございません!』を見に行きました。すごく面白かったです。

――話題になった作品はしっかり押さえていますね。ちなみに、外画の好きなところを挙げるなら?

金子:台詞の言い回しのオシャレさとか好きですね。私が好きなマーベルの『アベンジャーズ』でも「この台詞の言い回しはくるわ〜!」っていうのがあって、そういうところも楽しんでいます。

――マーベルのことを話したら止まらなそうですよね。声優や役者の仲間たちとご飯に行ったりもしますか?

金子:結構行きますよ。『忍たま乱太郎』で三代目のシゲちゃんを演じた小玉百夏ちゃんや、『アイドルマスター』で一緒にやっている桜咲千依ちゃん、Kleissisの髙橋麻里(高橋麻里)ちゃんとか。でも、同じ人と行くことが多くて。飲み会にも全然行かないタイプですし。

――お酒自体は強い?弱い?

金子:強いんですけど、飲んでいると冷静になっちゃって。普通にしているのに「なんか元気ないね」って言われます(笑)。どちらかというと、お酒よりジュースの方が飲んでる率が高いです(笑)

――プロフィールにあるように、料理も趣味なんですよね。

金子:そうですね。先日どうしてもラザニアが食べたくて、初めて赤ワインを買ってみたんです。先日も残りのワインを使って30分ぐらいで鶏肉の赤ワイン煮込みを作って、夜中に食べました。料理は大学からずっとやっているので、作るのは苦じゃないですね。ただ、片付けるのは嫌いですけど(笑)。

――今後の意気込みや目標をお聞かせください。

金子:欲張りに「やりたいことは全部やれる人」になりたいです。無理だよと思われるかもしれないけど、夢はずっと持っていたいなって。そして、新しいことにどんどん挑戦できる人でありたいなと思っています。

――それって声優に関わらず、人としての考え方にも通じますね。

金子:そうですね。「大学に行く意味あるのかな?」と思った時もありましたが、大学で学んだ知識が役や曲の理解に役立ちましたし、結果的には行ってよかったと思います。全部の知識に無駄はないですから、寄り道しながらでもいろいろなことに挑戦していきたいです。

――お話を作るのが好きでしたら、アニメや漫画の原作をやってみたいという希望は?

金子:あります! 小説でも漫画でも映像でもいいので、やっていただけたら最高なのになって思っています。誰か〜!(笑)

――金子さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】金子有希さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

金子有希

金子有希(かねこ・ゆうき) 青二プロダクション所属

金子有希(かねこ・ゆうき) Twitter

金子有希(かねこ・ゆうき) オフィシャルブログ

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=千葉研一、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト