紡木吏佐「お芝居が好きすぎて、諦めようと思ったことはなかった」【声優図鑑】

アニメ

公開日:2019/12/20

紡木吏佐

キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第233回目に登場するのは、『BanG Dream! 2nd Season』のチュチュや『D4DJ』の出雲咲姫などを演じている紡木吏佐さん。『BanG Dream!』では「RAISE A SUILEN」のメンバー(DJ)としても活躍している彼女は、第一声からハイテンション。一方で、プライベートになると歴史的な建造物や釣りが好きとのことで、そんなギャップも垣間見せてくれました。

――撮影はいかがでしたか?

紡木:楽しい〜〜!!って感じでした!(笑)

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――本当に見るからに楽しそうですね。そんな紡木さんは、高校の頃から活動を始められていたそうで。

紡木:そうなんです。2017年に事務所が変わって響の所属となり、そこで大きくガラガラと、えっと……(360度の)半分は180度ですよね?180度変わりました!

――響に所属する前はどんな活動を?

紡木:オーディションを受ける日々でした。でも、テープオーディションすら通らなくて。これといった大きな仕事もないまま大学3年生になり、法学部なので周りは司法試験や公務員の勉強を始め、親からもちゃんと地盤を作って欲しいと言われていたんです。そのタイミングで響がオーディションをやると知って、何かが変わるかもと思って応募したら……なんと合格を頂きました!!(笑)。人生はいつ何が起こるかわからないですよね。

――『BanG Dream!』で「RAISE A SUILEN」のメンバーに選ばれたわけですからね。そもそもDJの経験は?

紡木:全くなかったです。ある日、「『BanG Dream!』の新メンバーをお願いします」と言われて。ひえ〜!となりながらも、パートを聞いてみたんです。「ギターですか?」「違います」「ベースですか?」「違います」「ドラムですか?」「違います」「……まさかのボーカルですか?」「違います」となって。ほかには何が?と思ったら「DJお願いします」って。DJのことは何も知らなかったので、ゼロからレッスンが始まりました。

――では、子供の頃はどんな感じだったのですか?

紡木:ずっとこんな感じです(笑)。巷ではなぜか「やべえやつ」と言われているんですけど、沖縄に行くとこれが一般ピーポーな感じなんですよ。縛りがなくのびのびと、ゆる〜くウチナータイムで生きていたらこうなりました。

――アニメを見たりゲームをしたりはあまりせず?

紡木:基本的にはずっと走り回っている子供でした。でも、一人っ子だったので家に帰ると暇なんですよ。やることない時には、オセロを右手が黒役、左手が白役にして1人で戦っていました(笑)。

――なかなかすごい遊びですね。

紡木:一人っ子の遊びを極めた結果です(笑)。そして、小学生の時に学校で流行っていた『家庭教師ヒットマン REBORN!』を勧められてから、漫画を買ってアニメもめちゃめちゃ見るようになりました。でも、その時は声優さんというよりも、「アニメ楽しいな〜」という感覚でしたね。

――そのあと声優になりたい気持ちが急激に高まったと?

紡木:中学2年の時、平野綾さんが生アフレコをされている動画を見てすごく衝撃を受けたんです。キャラクターが喋っているのではなく、後ろにさらに人がいて、その人が喋っている姿を見た時に「どこからそんな可愛らしい声が出ているんだ!」って。興味本位で声を真似て友達に披露したら「アニメの声っぽい」と言われ、超いい気になっちゃって(笑)。

――きっかけとして、褒められたことも大きかったのですね。

紡木:もっと褒められたくていろいろな作品を真似しているうちに、セリフを書き出し音量ゼロにして、口パクに合わせて言ってみるようになって。そうしたら演技すること自体が面白くなってきて、「声優さんめっちゃ楽しい!なりたい!!」となりました。そして、中学2年から(事務所に入るための)オーディションを受け始めたんです。

――中学だと親からの反対もあったのでは。

紡木:ありました。親からはめっちゃ反対されましたが、絶対になると思って勝手にオーディションを受けていたんです。ただ、書類選考に通っても二次選考の会場が福岡や東京だったりして……。どうしても親の協力が必要になったので、もう一度お願いしたんです。そこまでしてやりたいのならと、応援してくれるようになりました。

――さらにオーディションを受け続けたけど、一筋縄ではいかなかった。

紡木:そうなんです。最終選考に残って「いける!」と思っても落ちてばかりだったので、心がポキポキのポキでした。でも、お芝居が好きすぎて、諦めようと思ったことはなかったです。

――そして『BanG Dream!』の話に戻るわけですが、チュチュはどのように役作りしていったのですか?

紡木:チュチュちゃんは、紡木吏佐という人物を皆さんに知っていただく機会をすごく与えてくれた、とても大切にしているキャラクターです。最初に監督さんと脚本家さん、プロデューサーさんが私にいろいろインタビューしてくださり、キャラクターとの共通点を作ってくださって。好物とかインターナショナルスクール出身で英語が得意なところとか。だからすごく演じやすかったですね。

――『バミューダトライアングル ~カラフル・パストラーレ~』のフィナは、アプローチがまた違ったのでは。

紡木:フィナちゃんはチュチュとは真逆のほんわかした女の子で、声の作り方も違っていてファルセット気味に作っています。全然違うからこそ刺激や発見が多くて楽しいですね。すごく抜けている子ですけど(笑)。

――『永遠神剣・第3章 悠久のユーフォリア』では黒腕のディジット・マキナを演じています。

紡木:ディジットちゃんも演じていて最高に楽しいです。「特技は右腕で殴ることっス!」ってヤバくないですか?こういう元気な子は大好きですし、曲まで作っていただいてありがたい限りです。

――出雲咲姫役として出演している『D4DJ』も注目されています。

紡木:この子はまた全く違うんです〜!超静かなんです〜!!(超賑やかに)

――そのハイテンションな言葉を聞いていると、全然静かに演じられる気がしないのですが……(笑)。

紡木:大丈夫です!大丈夫です!!(笑)

この子の声は空気多めな感じで作っていて、ポソッポソッと喋るんです。でも、ユニットの顔的ポジションで、ライブが始まると目の色が変化するんですよ。「誰?」というぐらいに変わるのがすごく楽しいですね。これから二人三脚で仲良くやっていきたいなと思っています。

――「RAISE A SUILEN」もそうですが、今後はよりステージでパフォーマンスする機会も増えると思います。学生時代の部活などでの運動経験は?

紡木:テニスを6歳から中学までやっていて、高校は帰宅部でした。

――陸上もやっていたとお聞きしました。

紡木:それは部活ではなく、各種目で記録がいい人を選抜して小中陸上競技大会に出ていたんです。

――選ばれたと言うことは、運動神経がよかったのですね。

紡木:運動は好きなんですけど……リズムを刻む動きがまったく出来なくて。RASのメンバーに決まった時も、ダンスが得意な友達に「ステップを踏みながら格好良く拳をあげるにはどうしたらいいの?」から始まって、2人でずっと練習しました。その友達が最近ライブに来てくれて「別人かと思った」と言ってくれたのがすごく嬉しかったですね。

――では、声優としての目標を教えて下さい。

紡木:ずっと目標としているのが、いろいろな作品に出ることです。そこでたくさんの子たちに出会えたらなと思っています。常日頃の出会いもすごく楽しみです。

――憧れの声優・役者は、目指したきっかけでもある平野綾さんですか?

紡木:そうですね。平野綾さんももちろん、悠木碧さんもすごく好きです。悠木さんはなんとも言えないニュアンスがすごく好きで、素敵だなと思います。きっとキャラクターへの愛がすごいんだろうなって。

――仕事からちょっと離れて、普段の趣味についてもお聞かせ下さい。

紡木:趣味は御朱印集めです。神社やお寺がすごく好きで、最近では長野の戸隠神社に行ってきました!

――建物自体も好きなのですね。

紡木:昔の建造物や敷地がとっても安らぐというか、すごく落ち着くんです。特に平安時代は、イラストを見るだけですごく悲しいとか寂しい気持ちになります。きっと私の前世は、平安時代の人だと思うんですよね(笑)。もしくは鎌倉時代。鎌倉時代にもすごくシンパシーを感じています。

――インドアで家にいるよりは外に出るタイプ?

紡木:どっちも好きですね。家にいる時は基本夕方まで寝ちゃいますし、翌日仕事がなければオールでゲームをすることもあります(笑)。

――アウトドアではどのようなことを?

紡木:釣りにハマっていて、先日も浜で夜釣りをしてきました。釣りが許可されている川や池を探したりもしますね。でも、初めて釣ったのはでっかいカエルだったんですよ(笑)。その後に初めて魚が釣れた時の感動が忘れられなくて。もともと自然が好きですし、景色を堪能しながら魚を待って、釣れた時は最高です!

――夜釣りとか気をつけつつ楽しんでくださいね。ありがとうございました!

【声優図鑑】紡木吏佐さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

紡木吏佐

紡木吏佐(つむぎ・りさ) 響所属

紡木吏佐(つむぎ・りさ) Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=千葉研一、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト