“境界をこえる” 俳優 鈴木拡樹が『MAO』の“あの主人公”を演じる!

マンガ

公開日:2020/11/21

 舞台、映画、ドラマ、声の演技など、あらゆる表現を駆使する鈴木拡樹さんと荒牧慶彦さん。“境界をこえる”プロフェッショナルは、なんと共に高橋留美子ファン!

 ここではそんなお二人に「るーみっくわーるど」の最新作『MAO』のミステリアスな主人公・摩緒と、ピュアだがどこか色気のある早乙女乱馬を演じてもらった。

カメラマン ・北島 明
「なによりも表情が摩緒そのもので、カメラを構えていると思わず近づいて撮りたくなる、不思議な魅力が出ていました。スタジオは偶然にも元病院だったそうで、今回の撮影には運命的なものを感じました」

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スタイリスト・小林かおる
「一番凝ったのは、独特なデザインのマントです。既製品では用意できなかったので、今回は制作しました。鈴木さんは自然に着こなしていらして、まさに摩緒でしたね。刀の位置なんかも鈴木さんと相談しながら決めました」

ヘアメイク・AKIさん
「写真に写ったときの色みを考えて、黒に近い茶色と白に近いグレーのウイッグを用意しました。それをカットして縫い合わせ、摩緒の個性的な髪形に近づけたんです。目元にある傷痕はペイントで、できるだけナチュラルに見せています」

これまでの作品にはないくらい、摩緒はミステリアスでクール

 涼し気な眼差しをこちらに向けた鈴木さん。どことなく憂いを秘めた瞳は、まさに複雑な因縁を背負って生きる摩緒のものだった。

「高橋先生の作品は幼い頃からアニメで放送されていて、非常に馴染み深いものでした。だからこそ、今回の『MAO』はちょっと意外な感じがしたんです。高橋先生の作品に出てくるキャラクターは明るい印象が強い。でも、摩緒はとてもクールですよね。これまでの作品の主人公にはないくらいミステリアスで、彼がボケてツッコまれるシーンも想像しにくい。その分、表情を作り込むのには苦労しました。摩緒が普段過ごしている院内で一人でいる姿をイメージしながら、その空気感が出せたらいいな、と」

 鈴木さんはドラマ、映画、舞台と縦横無尽に活躍する人気俳優の一人。なかでも「原作モノ」の再現度の高さには定評がある。既存の作品に登場するキャラクターをトレースしつつ、自分のものにしてしまうのだ。そこには陰ながらの努力がある。

「たとえば今回の撮影のようにマンガが原作だった場合、マンガ家さんが作品にどんな想いを込めているのかをできる限り読み取るようにしているんです。見開きでぶち抜きにしているシーン、印象的なコマ割り、作中の時間経過……。どんな意図を持って、読者になにを伝えようとしているのか。そこまで読み込んで、役柄に反映させます。もちろん、そのまま表現することは難しいものの、原作に携わっている方々の意志が感じられる作品にしたいんです」

 鈴木さんはそんな自分を「入り口」と称する。

「ぼくがキャラクターを演じ、実写化することで、原作への入り口になれたらいいな、とも思います。なかには文字を読むのが苦手な人もいますよね。でも、鈴木拡樹が演じていたから原作も読んでみよう、となるかもしれない。今回のグラビアを機に、『MAO』を手に取ってくれる方が増えたら最高ですよね。しかも、『MAO』はまだ6巻が出たばかりなので、すぐに追いつけます(笑)。とにかく続きが気になるのが高橋先生の憎いところですけど、一人でも多くの方に読んでもらいたいです」

すずき・ひろき●1985年、大阪府生まれ。2007年、テレビドラマ『風魔の小次郎』で俳優デビュー。08年、『最遊記歌劇伝 -Go to the West-』で舞台初主演を務める。以降、舞台を中心に活躍。また声優としても活動しており、20年、第14回声優アワードにて特別賞を受賞した。

早乙女乱馬を演じた荒牧慶彦さんのページはこちら

取材・文:五十嵐 大 写真:北島 明(SPUTNIK)
スタイリング:ヨシダミホ ヘアメイク:鈴木りさ

(本記事は『ダ・ヴィンチ』2020年12月号より一部転載しております)

この記事で紹介した書籍ほか

ダ・ヴィンチ 2020年12月号 [雑誌]

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日: