「著者の方が経験した人生を自分が追体験しているような気持ちになれます」佐倉綾音インタビュー

文芸・カルチャー

公開日:2021/9/27

佐倉綾音さん

 いよいよ「次にくるライトノベル大賞」(つぎラノ)の創設が発表されました! この賞はライトノベルを愛するみなさんと一緒に次世代でブレイクしそうなライトノベルを探すというユーザー参加型の賞です。まずは特設サイトから開催告知PVご覧いただいて、興味を持っていただけたならば……ぜひ、この企画に参加してみてください!

 また、キミラノでは賞の創設を記念して、各ジャンルで活躍する著名人へのインタビュー企画を実施中です。今回、インタビューに答えていただいたのは声優の佐倉綾音さん! 「つぎラノ」開催告知PVでは声優の島﨑信長さんとともにナレーションで参加いただいた佐倉さんに今回の収録、そしてご自身と「ライトノベル」、そして「読書」のかかわりについて、熱く語っていただきました。

台本を読む際などには読書をする習慣があってとても得をしている

――佐倉さんは普段、小説や本はお読みになりますか。

advertisement

佐倉綾音さん(以下、佐倉):はい。小説はもちろんですが、昔から読書は好きです。

――好きな小説や本のジャンルを教えてください。

佐倉:ジャンルは問わず、さまざまな物語に手を出しています。ですが、最近はエッセイを読んでいることが多いかもしれません。普通は自分ひとりだけの人生しか楽しむことができませんが、エッセイを読んでいると著者の方が経験した人生を自分が追体験しているような気持ちになれます。自分ではない誰かの人生や考え方、行動にはすごく興味があるのですけれど、身近な人にはなかなか聞きにくいですし、話しにくいようなことも、もちろんあるかと思いますが……エッセイにはそういったことも、したためられているのでとても興味深く読むことができて、とても好きですね。

――読む作品を決める際、佐倉さんはどのような基準で選んでいますか。佐倉さんならではのこだわりポイントがあればぜひ教えてください。

佐倉:タイトル、あらすじ、デザイン、著者名……惹かれる部分はいっぱいあります。はじめはそのどれかひとつに惹かれて手に取ることになりますが、読み終わって全部が“お気に入り”になった本は自分の人生のなかで忘れられない本になるのだろうなと思います。

――「本を読むのが楽しかった」と感じることができた最初の読書の思い出があればお聞かせください。

佐倉:遡れば絵本とかになってくると思うのですが……思い出すことができる、いちばん古い記憶は子どもの頃に読んだ『きつねのでんわボックス』という童話が強く思い出に残っています。

――声優として様々な作品のキャラクターを演じるうえで、読書の経験が活きたことはありますか。

佐倉:台本を読む際などには読書をする習慣があってとても得をしているな、と感じます。いろんな作品のジャンルがありますが、映像作品においてはどんな作品においても台本に書いてある“文章”の段階では映像になる前の段階であり、視覚的にはまだ絵がついていない文字の集合体です。脚本家さんが綴ってくれた文字の群れを見て、作品に関わる様々な作り手のみなさん……たとえば、絵を描く人、音楽を作る人、そのなかのひとりに声優という声を吹き込む人たちもいます。それぞれが感性を膨らませて、膨らませて、作り上げた作品を皆さんに届けるわけです。台本に書かれた文章から想像力を働かせたり、インスピレーションを受け取ったりするセンスを得るためには読書が最適なのではないでしょうか。

――これまで読んだライトノベルのなかで気に入っているシリーズや、その作品に関する思い出などがありましたら教えてください。

佐倉:『キノの旅』シリーズや『しにがみのバラッド。』シリーズ、『よくわかる現代魔法』シリーズなどを小学生から中学生のころに読んでいたことをよく覚えています。『キノの旅』シリーズはリメイクされたアニメで「ティー」というキャラを演じることができたことがとても嬉しかったです。人生の宝物になりました。

――今回、「次にくるライトノベル大賞」の開催告知PVを収録されるにあたって、佐倉さん自身がこだわったポイントや意識したことをお聞かせください。

佐倉:ライトノベルに興味を持っているみなさんと同じくらいの年齢感、そして同じ次元にいるナチュラルさでの表現を心がけて演じました。

――最後に佐倉さんのファンの皆様へ、メッセージをお願いします。

佐倉:各々が日々の生命活動を送っていくなかで、そこから派生して自分の人生に付加価値をつけてみる……そういった行為がどんどん自分の個性へ変貌していくのだと思います。ぜひみなさんも様々なことに興味を持って、自分なりに人生を豊かに彩っていってください。もしも、その先でお会いできることがありましたら……どうぞよろしくお願いいたします!

「自分自身ではない、誰かの人生を追体験できる」ことは、読書における最大の面白さのひとつですね。ユーザーのみなさんも、ぜひライトノベルを読まれる際には主人公や登場人物の人生について、想いを馳せてみては? 佐倉綾音さん、貴重なお話をありがとうございました!

次にくるライトノベル大賞特設サイト
https://tsugirano.jp/

取材・文=塩味鷹虎

佐倉綾音(さくら・あやね)
声優。東京都出身。アイムエンタープライズ所属。主な出演作に「カノジョも彼女(佐木咲)」、「月が導く異世界道中(深澄巴/蜃)」など

あわせて読みたい