2022年の4thツアーは、出身地の広島でライブができるのが楽しみ──学芸大青春・仲川蓮インタビュー

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公開日:2021/12/4

学芸大青春

今年8月から9月にかけて、全国4都市をめぐるツアー「Hit your City!!」を成功させたダンス&ボーカルグループ「学芸大青春」(ガクゲイダイジュネス)。待望の有観客ライブとなった同ツアーでは、「2次元と3次元を行き来する」というコンセプトどおり、CGキャラクターと生身の姿を行き来し、時には両者を融合させる演出で観客を魅了した。12月1日には2nd Album『PUMP YOU UP!!』のリリースが、2022年3月から5月にかけては4thツアーも控え、彼らの勢いはますます加速しそうだ。

ダ・ヴィンチニュースでは、そんな学芸大青春の魅力を深掘りするインタビュー特集を企画。メンバー個別インタビューの3番手は、2ndアルバムで作詞作曲にもチャレンジした仲川蓮さん。アーティストでありつつ、プロデューサー、クリエイター視点も持つ彼が見据える未来とは?

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仲川蓮

最終的な目標は、プロデュースする側。そこに向けて、今は勉強をしたいなと思ってます

──メンバー座談会でも話題に上がりましたが、ライブの時の蓮君はすごく楽しそうですよね。ライブを重ねるごとに心境が変化していったのでしょうか。自分自身で成長を感じることはありますか?

:公演を重ねるごとに、ファンサービスとか、求められていることに、ちょっとは応えられるようになったのは成長したところかなと思います。

 自分の中の一番の課題は、体力ですね。体力的にまだけっこうしんどくて。今までは2次元メインでやってきたので、ライブでも画面やスクリーン越しにお客さんと相対していましたけど、3次元の姿で実際にステージに立つと空気感が全然違うんですね。いい意味でテンションが上がるんですけど、逆にテンションが上がることによって普段よりも息も上がりやすくなってしまって。これからより3次元でライブをするにあたって、もっと体力をつけないといけないなって思いましたね。

──そのためにやっていることはありますか?

:最近はいろんなイベントにも出させていただいてるんですけど、イベントでやるセットリストで、5人で全部通して練習するようにしていますね。以前は1曲ずつ固めていくことが多かったんですが、通しで練習する機会は前よりも増えました。それによって、体力もつくんじゃないかと思います。

──体力面をカバーするために筋トレを始めた、とかは?

:ないです(笑)。筋トレは好きじゃなくて。自分の腕が太くなるのもあまり好きじゃないです(笑)。

──以前はダンスに苦手意識があると話していましたが、今はもうクリアしましたか?

:いえ、苦手意識はずっと変わってなくて。でも、周りからは「ちょっとうまくなったね」と言っていただけるようになりました。それでもやっぱり、自分ではまだまだ全然うまくできてないと思ってます。

──そんなことはないと思いますが。

:ちょっとはレベルが上がったかな、とは思います。以前はうまく振り付けどおりに踊ろうというところに意識が行っていたんですけど、今はそこを越えて「もっと音楽に乗ろう」「もっと自分なりに音楽を体で表現できるようにしよう」という段階にはなったと思います。

──ダンスの成長はもちろんですが、2ndアルバムではクリエイターとしての一面も開花させていますね。もともと作曲はしていましたけど、今回のアルバム制作を通じてものづくりに対する意識の変化はありましたか?

:今まで表に出していなかっただけで、自分の中ではあまり変わってなくて。それこそ、今は表に立つ立場ですけど、最終的な目標としては裏方というか自分がプロデュースする側をやりたいとも思っていて。そこに向けて、今は勉強をしたいなと思ってるんです。だからこそ、そういった視点で物事を考えることが多いのかなとは思います。

──今回は作曲だけでなく、作詞もしていますよね。これは初めての挑戦ですか?

:そうですね。作詞は苦手意識があって。もともと学生時代も国語がすごく苦手で、本を読むのもあまり好きじゃなかったので。自分の心情を表現することに対して、向き合ってこなかったんです。でも、プロデューサーの杉沢さんと話をする中で、僕が「プロデューサーをやりたい」「曲を作りたい」と伝えた時に、「今後ほかのアーティストに楽曲提供するとなったら、コンペでたくさんの曲と競い合うことになるかもしれない。それならシンセのメロディーだけでできた曲じゃなくて、同じ曲でもちゃんと歌詞がついているほうがよく聴こえる。だから歌詞もつけたほうがいいんじゃない?」とアドバイスをもらって。

──すごくリアルなアドバイスですね。

:そういうアドバイスを受けて、自分は作詞が苦手ですけど、でたらめでもいいからちょっと作っていこうと思って。そうやって書いた歌詞を、今回“Echo”で使っていただきました。自分の中では、まず作曲をやって次の段階として作詞もやっていきたいっていう感じだったんですけど、今回の楽曲では僕の世界観をけっこう採用していただけました。

──歌詞はRie Tsukagoshiさんとの共作ですよね。陽介君は、自分がどこを書いたのか明かさないと言っていましたが、蓮君はいかがでしょう。

:僕の場合、全体的にまんべんなく作りました。僕が作った世界観を、Rieさんによりよくしていただいたという感じです。

──その分、蓮君の思いが詰まった歌詞になっていそうですね。

:はい、思いは詰まっていると思います。

──どのようにイメージを膨らませていったのでしょう。

:まず曲を作った時点で、「恋愛の曲っぽいな」ってイメージがありました。意図的に入れたわけじゃないんですけど、やっぱり歌詞を書くとなると無意識に自分の価値観や恋愛観みたいなものが入ってるんじゃないかと思います。

──お気に入りのフレーズは?

:僕、普段曲を聴く時にあんまり歌詞の意味を考えずに聴くことが多いんです。どっちかと言うと、聴き心地を重視しているので。この曲もサビで韻を踏んでるというか、「Dream On」とか「Ding-Dong」みたいに音を重視しているので、そういうところは気に入っていますね。

──曲はすんなり完成しましたか?

:はい。杉沢さんからは「自分が好きなように作っていいよ」と言われていました。一緒に作ったURUさんも「好きなようにやっていい」と言ってくださったので、URUさんのスタジオに通いながら作っていきました。まずコードやメロディ、メインとなるリフのようなベースになるものを僕が作って。そこからURUさんにブラッシュアップしていただいた感じです。

 僕たちは、去年からTikTokも始めていて。それで気づいたんですけど、今流行ってる曲ってけっこうTikTokがきっかけになっていることも多いんですね。TikTokを観ている若い人に聴いてもらえるような曲を作りたいと思って。そういうところで今流行っている洋楽とかを研究して、そういう曲を目指して作りました。

──視点がクリエイターやプロデューサー側ですよね。マーケティングや戦略的なことまで考えているのがすごいなと思います。

:やっぱり趣味でやっているわけではないので。仕事だから、売れないと次がないと思っています。そういった意味で常に危機感を持って取り組んでいるので、プロデューサー的なこともすごく考えるようにはしてますね。

──ご自身の中では演者という意識とクリエイターという意識、どちらが強いんですか? どういう比率だと思います?

:今の時点ではまだ全然、演者側だと思ってるんですけど。年を重ねていけばいくほど、その比率がだんだん逆転していくのかなとも思ってます。

仲川蓮

“かんじょうせん”の最後のサビは、今までで一番感情を出して歌えました

──クリエイターやプロデューサーとしての一面も覗かせつつ、2ndアルバムではアーティストとしての表現力もさらに高まっています。座談会でも、レコーディングスタジオでの歌い方を工夫したという話をされていましたが、そのあたりをもう少し詳しく聞かせていただけますか?

:1stアルバムの時は、「こうしたい」というイメージがあっても、自分の技術が追いついてなくて、あまり自分がやりたい表現ができなかったんです。ボイストレーニングの先生が、けっこう歌オタクというかマニアックなことまで深く知っている方で、その方に教わるうちに知識がついてきたところはありますね。知識がついたら次は技術がつくので、最近は少し引き出しが増えた感じはします。

──例えばどういったことでしょう。

:以前の歌い方だと、キーが高いところはちょっと強めに歌わないとその音が出なかったんですけど、今は優しく、でも高いキーで歌うことができるようになりました。裏声も、強めの裏声と弱めの裏声があることがわかって。のどぼとけの位置が高いとちょっと鼻声っぽくなって、位置が低いとそれこそ“Hit me!”のオペラみたいな声になることもわかってきました。そういう知識をいろいろ学んだので、今は曲によって「じゃあ、こういう歌い方にしよう」と変えられ、歌い方の幅が広がりました。

──ちょっとした息遣いや裏声の使い方など、繊細な表現も特徴的でした。それもボイストレーニングの成果でしょうか。

:はい。あとは、歌に感情を乗せられるようになったなと自分で思っていて。以前は小手先の技術というか、テクニックばかりを気にしてた部分もあったんですけど。今回の“かんじょうせん”の最後のサビは、自分の感情を今までで一番出して歌えたかなって思ってます。

──それができるようになったきっかけは?

:東京に出てきて、学芸大青春になって、このメンバーと一緒に行動するようになったんですけど、(星野)陽介が恥ずかしい人で(笑)。いい意味で感覚が麻痺してきちゃったんです。「この人よりは恥ずかしくならないだろうな」って勝手に思っちゃって(笑)。そういう部分が、いい方向に働いて感情を出せるようになったのかもしれないですね。

──学芸大青春として活動をはじめてから2年以上経ちます。一緒に暮らしている時間はもっと長いと思いますが、それぞれのメンバーに対する思い、グループに対する思いに変化はありますか?

:あまり変わってないです。でも、この前のライブツアーを経て、団結力はすごく増したなって思いますね。もともとすごくいい雰囲気ではあったんですけど、さらにいい雰囲気になったというか。自分たちでも実感するくらい、最近はすごくまとまってると思います。

──どういう時に団結力を感じますか?

:ライブの直前に円陣を組むんですけど、すごい心強いなって思うようになりましたね、一緒にいるだけで。

──グループとしての一体感が増す一方、個々のレッスンでメンバーの一人ひとりがスキルアップを図っているとも聞いています。

:そうですね。僕は個別にレッスンは受けてないですけど、その分、作曲をしています。

──作曲は独学でしょうか?

:もともと独学でやっていて、今はURUさんと一緒に作りながら教えていただいてます。

──ツアーもあり、アルバムも発売されるという実りある1年だったと思います。この1年でメンバーに感謝したこと、メンバーとの印象深いエピソードはありますか?

:僕の部屋のハンガーラック、服をかけすぎてよく壊れちゃうんですよ。耐えきれる重さを超えちゃって。で、この前もまた壊れたので、ニトリにハンガーラックを買いに行ったんですけど。重すぎたので、将綺にずっと持ってもらいました。それは感謝してます(笑)。重い荷物がある時は、だいたい将綺を呼ぶんですよ。何も言わずに持ってくれるので。

──「またかよ」とか言われないんですか?

:何も文句を言わないんですよ。

──メンバーの中で、一番よく話すのは誰ですか?

:やっぱり将綺ですね。一緒にいることが一番多いと思います。僕と将綺は、レッスンとか仕事の時に早めに現場に来ることが多いんです。先に着いたふたりで喋ることが多いし、一緒にご飯に行くことも多いですね。あと、自分たちでもよくわかんないんですけど、同じ寮の中にいるのに、夜にLINEで会話するんですよ。片方の部屋に行けばいいのに、それが面倒くさくて。将綺とは、ほぼ毎日LINEが続いてますね。

──毎日顔を合わせているのに?

:将綺はサッカーが好きなんですけど、海外のサッカーの試合って日本時間の夜中に始まることが多いですよね。朝起きると、将綺から「この試合はどうだった」みたいなLINEが来ているので、それに僕が返信して。そういうやりとりが続いています。

──ほかのメンバーとはいかがでしょう。

:5人のLINEグループがあるんですけど、お互いの連絡事項だけじゃなくて、しょうもないことがあったらメッセージを送り合ってますね。「道端に靴下が落ちてた」みたいな、本当にしょうもないことをお互い送り合ってます(笑)。

──優輝君はメンバーのことを「家族みたいな存在」と言っていましたが、蓮君にとって4人はどんな存在ですか?

:僕も家族だと思いますね。僕、自分の家族には恥ずかしくて言えないこともあるんですけど、メンバーにはそういうのがないんですよ。もしかしたら、家族よりも何でも言い合えるかもしれないですね。

──友達と家族の間、みたいな?

:そうかもしれないです。

──ファンに対する思いに変化はありますか?

:この前のツアーで、ファンの方たちが僕たちの3次元の姿を見て「本当に実在していたんだ」って言ってくれるんですけど。僕たちからしたら、逆にファンのみなさんが「本当に実在してたんだ」って感じなんです(笑)。ライブ会場ですごくうれしそうな顔しているのを見て、「もっと頑張ろう」っていうモチベーションがめちゃくちゃ上がりましたね。今までよりも、その思いはずっと強くなりました。

──来年3月から始まる4thツアーでは、蓮君の出身地である広島にも行きますよね。

:まず、広島でライブできるのがすごくうれしくて。会場のHIROSHIMA CLUB QUATTROは、僕も学生時代にライブを観に行っていたライブハウスなんです。そのステージに自分が立つ側になるって、すごく特別な思いがありますし、たくさんの人に観ていただきたいですね。次は7都市をめぐるツアーなので、3rdツアーで行けなかった場所にも行けるので、たくさんの人に会って、今年よりもいいものを届けたいなって思いますね。

──ちなみに、学生時代に観に行ったのはどなたのライブですか?

:ビジュアル系バンドがすごく好きだったので、アリス九號.さんのライブ、己龍さんの3マンライブは観に行きました。歌い手のピコさんを観に行ったこともありますね。なぜか僕が行く時は、毎回空調が壊れててめちゃくちゃ暑かったイメージがあります(笑)。

──次回のツアーで、「こんなことをやってみたい」と考えていることがあったら教えてください。

:ご時世的に、今後はどうなるかはわからないですが、お客さんに声を出してもらえるようになったらうれしいです。みなさんの生の声が聴きたくて。いつか、一緒に歌ったり、コールしてもらうことができたら、うれしいですね。

──会場の一体感も増しそうですね。

:HIROSHIMA CLUB QUATTROは、お客さんとの距離も近いんですよね。あそこまでお客さんと近い距離で会えるのはライブ以外にないので、そういう面でも楽しみです。大きい会場には大きい会場のいいところがありますけど、小さい会場はお互いの熱が伝わると思うので。

──最後に、次に登場する勇仁君へのメッセージをお願いします。

:そうですね……。そろそろ、漢字勉強しようか(笑)。

取材・文=野本由起  写真=中野敬久
ヘアメイク=yuto

学芸大青春4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」開催
2022年3月から5月にかけて、全国7都市で4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」が開催。

2022年3月19日(土) 宮城県・Sendai Rensa
2022年3月26日(土) 広島県・HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2022年4月9日(土) 北海道・Zepp Sapporo
2022年4月24日(日) 福岡県・Zepp Fukuoka
2022年5月8日(日) 大阪府・Zepp Osaka Bayside
2022年5月15日(日) 愛知県・Zepp Nagoya
2022年5月27日(金) 東京都・Zepp Haneda

詳細は、学芸大青春 公式ホームページまで。

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