加藤シゲアキを初めて読むならこの5冊! 【祝・第170回直木三十五賞ノミネート】

文芸・カルチャー

更新日:2024/1/9

単行本『なれのはて』(講談社刊)が第170回直木三十五賞にノミネートされ、大注目の加藤シゲアキさん。
アイドルグループNEWSの一員として活躍する傍ら、2012年から作家として執筆を続けてきました。
加藤さんが直木賞にノミネートされるのは、2020年の『オルタネート』(新潮社刊)以来2度目。
この機会に「作品を読んでみたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カドブン編集部が「初めて読む加藤シゲアキ作品」としておすすめのタイトルを厳選しご紹介!
気になる1冊を見つけてみてくださいね。

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加藤シゲアキを初めて読むならこの5冊!

“作家・加藤シゲアキ”の原点
『ピンクとグレー』(角川文庫刊)

大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。 同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまい……。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、作家・加藤シゲアキの原点となる青春小説。

発売日:2014年2月25日(2012年1月刊行の単行本を文庫化)
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321309000121/

初の短編小説集
『傘をもたない蟻たちは』(角川文庫刊)

優等生ともてはやされる美大生の文登(ふみと)は、河川敷で目を見張るようなグラフィックアートを描く美優(みゆ)と出会う。天才肌の彼女に圧倒され、付き合っている女性に隠れて逢瀬を重ねるが……。(「染色」)
小説家である主人公は、書いた原稿がそのまま夢の中で再現される不思議な現象にのめりこんでいく。しかし心の奥底には、初恋を戸惑いのまま終わらせてしまった後悔があった。(「恋愛小説(仮)」)
漁港町に住む純は、中学校の先輩が小さな文学賞を受賞したのをきっかけに、幼馴染の秘密を知ってしまう。理解しようと足掻いても、彼との接し方がわからなくなってしまい……。(「にべもなく、よるべもなく」)

自分の心に正直でいたいだけなのに。誰もが胸に抱える生きづらさを鮮烈に切り取った、著者初の短編集。
著者が初脚本を手掛ける舞台「染、色」の原作や、単行本未収録作品であるタイムリープSF「おれさまのいうとおり」を加えた全7編。

発売日:2018年6月15日(2015年6月刊行の単行本を文庫化)
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/321801000127/
文庫巻末解説:https://kadobun.jp/reviews/bunko/425.html

初のエッセイ集
『できることならスティードで』(朝日文庫刊)

大阪やパリ、スリランカ紀行から、故ジャニー喜多川氏との思い出や学校の意義を問う思索まで、広義の“旅”をテーマにした著者初のエッセイ集が待望の文庫化! エッセイ15編、“旅する”掌編小説3編の他、文庫版あとがきも収録。《解説・朝吹真理子》

(朝日新聞出版オフィシャルHPより)
発売日:2022年11月7日(2020年3月刊行の単行本を文庫化)

初の直木賞候補作
『オルタネート』(新潮文庫刊)

高校生限定のSNSアプリ「オルタネート」が必須の現代。料理コンテストでの失敗に悩む調理部部長の蓉(いるる)は、再びの挑戦を決断。オルタネートを信奉する凪津(なづ)は、アプリが導く運命の相手を探す。高校を辞め居場所を探す尚志(なおし)は、音楽家らのシェアハウスに潜り込む。そして文化祭の初日、三人それぞれに起こる奇跡――。10代の過酷さと煌めきを鮮やかに切り取る、青春小説の新たなマスターピース。

(新潮社オフィシャルHPより)
発売日:2023年6月26日(2020年11月刊行の単行本を文庫化)

第170回直木三十五賞候補作
『なれのはて』(講談社刊)

一枚の不思議な「絵」から始まる運命のミステリ。
生きるために描く。それが誰かの生きる意味になる。

ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。

1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。
芸術が招いた、意図しない悲劇。
暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。
長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。

戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。

「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」

(講談社オフィシャルHPより)
発売日:2023年10月25日

加藤シゲアキをもっと知りたいあなたへ

加藤シゲアキ責任編集! 豪華クリエイター陣と共演するスペシャルブック
『1と0と加藤シゲアキ』(KADOKAWA刊)

◆収録内容
・競作「渋谷と○○」 (恩田陸、最果タヒ、珠川こおり、中村文則、羽田圭介、深緑野分、堀本裕樹、又吉直樹)
・対談 (白石和彌、前川知大、又吉直樹)
・インタビュー&対談再録
・戯曲「染、色」
・小説「渋谷と一と〇と」
・脚本「渋谷と1と0と」
・ショートフィルム『渋谷と1と0と』撮影現場レポート
・10年の作家生活を振り返る2.5万字超ロングインタビュー
・《1と0と》撮り下ろしグラビア
・『ピンクとグレー』から最新の雑誌連載までを網羅する全著作ガイド
・作家とアイドルの境界線を紐解く、ライブパフォーマンス解説
・書店店頭から10年を見届けてきた書店員座談会
and more…

発売日:2022年9月30日
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322112000476/

プロフィール

加藤 シゲアキ(かとう・しげあき)
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWS のメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降『閃光スクランブル』、『Burn.-バーン-』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』 とヒット作を生み出し続ける。2020年刊行の『オルタネート』で、21年に第164回直木三十五賞候補、第42回吉川英治文学新人賞受賞、第18回本屋大賞第8位、第8回高校生直木賞受賞。2023年刊行の最新小説『なれのはて』で第170回直木三十五賞候補。アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

著者特設サイト:https://kadobun.jp/special/kato-shigeaki/