クセがすごいんじゃー! 個性的なキャラクターで笑えるシュールなギャグ漫画まとめ

アニメ・マンガ

2018/11/7

 ギャグマンガはあの手この手で読者を笑わせようとしてくるが、“シュールな笑い”ほど理屈抜きで笑ってしまうものはないと筆者は思う。たとえば、変な顔のキャラが妙にかっこつけた中身のない台詞を言ったりしていると、なぜだかわからないがどうしても笑いがこらえられなかったりする…。

 本稿では、そんな“シュールな笑い”を得意とし、読者を果てしない笑いの連鎖に誘い込むギャグマンガを選んでみた。

■まずはこれ! シュール系ギャグマンガの金字塔!

 連載15周年を機に『GB』としてリニューアルされた『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』(増田こうすけ/集英社)。聖徳太子や小野妹子、うさみちゃんやクマ吉くんたちが数々の喜劇を演じるマンガだが、そのおもしろさの根本はやはりシュールさにある。増田氏にしか描けないキャラクターの“真顔”や“怒り”、“焦り”などの表情は、ときに台詞とのギャップで読者を笑わせる。その他にも、コマ割りを利用した独特のテンポ感や、ツッコミなしでひた走るナレーションなど、さまざまなシュールさで私たちを楽しませてくれる。

■絵、キャラ、台詞…なにもかもが強烈! あなたは笑わずにいられるか?

“女に惚れさす名言集”で人気を博した地獄のミサワ氏も、個性的な絵で読者を笑わせる天才だ。左右の目が近づきすぎているその顔を見れば、今や誰もが「ミサワだ!」とわかるはず。そんな地獄のミサワ氏の連載作品が『カッコカワイイ宣言!』(集英社)だ。

 主人公は、世界で1、2位の美貌を持つといわれる「かおちゃん」。そんな彼女の欠点はちょっぴりドジなことなのだが、その実態は「5億円をなくす」「自分を高校生だと勘違いする」「顔面を机に突き刺す」…というなかなか強烈なもの(笑)。それでも我が道を行く「かおちゃん」の姿に癒されること間違いなし?

■オーディションに突如現れた、謎のフエ吹き男の正体とは…?

『ピューと吹く!ジャガー』(うすた京介/集英社)は、『週刊少年ジャンプ』で10年間連載されたギャグマンガ。ミュージシャンを夢見る青年・酒留清彦(さけとめ きよひこ)は、「ここで人生を変える」と意気込んでオーディション会場に向かうが、そこで謎のフエ吹き男・ジャガージュン市に出会う。オーディションのたび、清彦はジャガーさんに毎回笛を吹くことを勧められるため、まともに受けることができない。そんな彼は、徐々にジャガーさんのペースに巻き込まれていき…。

 ジャンプコミックス版全20巻の他、爆笑必至のエピソードを集めた全3巻の傑作選(集英社)も発売中だ。

■不条理、パロディ、ブラックユーモア…なんでもありの問題作!

 先日放送された『ポプテピピック』(大川ぶくぶ/竹書房)のアニメ版は、同じ内容を2回放送したり、毎回声優を変えるなど、常識破りの演出でネット上の話題を独占した。

 同作は、 原作からして“なんでもあり”の問題作だ。14歳の女の子・ポプ子とピピ美を主人公に、脈絡なし、パロディあり、ブラックなネタありの不条理ギャグが展開される。たとえば、『ポプテピピック』を出版している竹書房のビルを、ポプ子が破壊する…という話などが有名。妙にクセになる独特のキャラクター造形も人気で、LINEのスタンプでもおなじみだ。

■“クーレスト”な高校生・坂本とは、いったい何者…?

『坂本ですが?』(佐野菜見/エンターブレイン)は、クールという言葉には収まらない“クーレスト”な高校生・坂本の学園生活を描いたギャグマンガ。入学直後から学校中で注目を集める彼は、トイレの個室で不良から水をかけられようと、傘をさして「やれやれ…にわか雨…ですか」とつぶやく。スタイリッシュすぎる彼の言動は、あまりに現実離れしているが故、大いに読者の笑いを誘う。坂本役を人気声優・緑川光が演じたアニメ版も話題となった。

■お客さんに向かって「神は死んだ」と言い放つ新人バイトから目が離せない!

「神は死んだ」とはかの有名なニーチェの言葉だが、コンビニで「お客様は神様だろぅ! ?」とお怒りになったお客さんに同じ言葉を言い放つのが、『ニーチェ先生 コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた』(松駒:原作、ハシモト:漫画/ KADOKAWA)の主人公・ニーチェ先生である。同作は、コンビニアルバイトをしながら就職活動をしている松駒くんの元に、そんな“さとり世代”とも言うべき大型新人「ニーチェ先生」が現れる…という設定で、なんと原作者の松駒氏がツイッターに投稿していた実体験がモデルになっている。

■町の人たちはどこかでつながっている!『日常』の作者が描く新しい世界!

 シュールな女子高生たちの暮らしを描き、TVアニメ化もされた『日常』(あらゐけいいち/ KADOKAWA)。その作者・あらゐけいいち氏の最新作が『CITY』(講談社)だ。主人公の南雲は、万年金欠の女子大学生で、大家の「婆さん」の家賃の滞納を指摘する怒鳴り声が聞こえてきても、2階の窓から逃げ出すクレイジーさを持つ。しかもお金がない理由が「馬でスッた」からだというから救いようがない。破天荒な南雲の言動は、ひとつの町――“CITY”の人々をつなぎ、騒動に巻き込んでいく。

 本稿で紹介したギャグマンガは、どの作品も絵柄や台詞、個性的な世界観で、読者を笑い死にさせる勢いで楽しませてくれる。1話完結でページ数も少ない作品も多いので、ちょっとしたスキマ時間に読むのにも最適だろう。きっとつまらない現実を吹き飛ばしてくれるはずだ。

文=中川 凌