“高校生の妊娠”を描く『あの子の子ども』最新刊発売! 産婦人科医・遠見才希子先生も大絶賛、親世代からも注目を集める衝撃作

マンガ

公開日:2023/1/13

あの子の子ども
あの子の子ども』5巻(蒼井まもる/講談社)

“高校生の妊娠”というテーマを真正面から描いた、注目の衝撃作『あの子の子ども』(講談社)。2023年1月13日、待望のコミックス最新5巻が発売された。これに伴い、作者の蒼井まもる氏と産婦人科医・遠見才希子先生のスペシャル対談が実現。今回は物語の見どころとともに、インタビューの内容を一部ご紹介したい。

 同作は『別冊フレンド』で連載されている、女子高生の妊娠をめぐる物語。高校2年生の福(さち)が同い年で幼なじみの宝と結ばれ、体調の変化を感じるところから物語は始まっていくのだが――。

 本来であれば愛する人との間に子どもができるのは、大変喜ばしい出来事。しかしこれが高校生の妊娠となれば話は変わってくる。妊娠検査薬の陽性反応を前に込み上げてくるのは、今までに感じたことのない“不安”と“焦り”。「産めるわけない」と思いつつも、親に相談するのは怖くて仕方がない。それに高校は? 宝との未来は?

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 切実に葛藤する姿や家族同士の話し合い、そして恋人との関係…。『マイ・ボーイフレンド』や『さくらと先生』などを代表作に持つ蒼井まもる氏が、繊細な描写で“高校生の妊娠のリアル”を描いていく。

 2021年9月にコミックス1巻が発売されるや否や、「ものすごく考えさせられる!」と大きな話題に。『別冊フレンド』の愛読者はもちろんのこと、中学生~大学生の子どもがいる親世代の間でも注目を集め、「このマンガがすごい! 2023」ではオンナ編14位にランクインしていた。


 そして今回発売される最新5巻では、よりシリアスを極める展開に。妊娠という事実を一人で抱え込み、頑張れば頑張るほど孤立を深めていく福。ついにはたった一人、味方でいて欲しかった宝とも衝突してしまう。

 また今回、作者の蒼井まもる氏×産婦人科医・遠見才希子先生の対談も実施された。遠見先生といえば、『性とからだの絵本』や『わたしの心と体を守る本』などの執筆を手掛けるほか、全国1000カ所以上で講演を行う性教育のスペシャリストである。

 対談では、そんな彼女だからこそ語ることができる性教育の在り方や、『あの子の子ども』に対する感想などが惜しみなく語られている。

蒼井:遠見先生の性教育講演をずっときいてみたいと思っていたので、今日をすごく楽しみにしていました! 先生の著書『だいじ だいじ どーこだ?』は4歳の娘へ向けての初めての性教育でもあるんです!

遠見:ありがとうございます! そう言っていただけるのはとても嬉しいです。でも、実はここ数年、私自身が迷いの中にいるんです。

蒼井:迷いの中? どういうことでしょうか?

遠見:“性教育”っていうと、「思いがけない妊娠はしちゃいけない」とか、「だから簡単にセックスしちゃいけないんだよ」など、どこか説教のようなイメージがあるかもしれません。私は、中高生に寄り添いたくて大学生の頃から20年近く講演活動をやってきましたが、話したいことを一方的に伝えて、自分の価値観を押し付けてしまったという反省があります。そもそも性教育は、「こうすべき」と上から目線に指導するものではなくて、1人1人が主体的に考えて、自分の体のことを自分で決めていく力を育んで、みんなが健康に幸せになるためのものです。その点で『あの子の子ども』は、福ちゃんの妊娠を通して、読者が考えるきっかけになる、今までの“性教育”のあり方に風穴をあけてくれる作品だと思いました。素晴らしいです!

 対談の全文は、コミックス5巻で確認することができる。性教育のスペシャリストも絶賛する『あの子の子ども』を、ぜひチェックしてみてほしい。

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