中二病女子を大量生産した神漫画が令和の世に…“天禁”新シリーズ『天使禁猟区—東京クロノス—』待望の最新2巻が発売へ

マンガ

公開日:2024/1/19

天使禁猟区-東京クロノス-
天使禁猟区-東京クロノス-』2巻(由貴香織里/白泉社)

 1994年から2000年にかけて日本中の少女たちを虜にしてきた『花とゆめ』発の人気作品『天使禁猟区』。その新シリーズ『天使禁猟区-東京クロノス-』の1巻が刊行されてからおよそ1年、ついに待望の最新2巻が発売される。

 “天禁”こと『天使禁猟区』は、実の兄妹による禁断の愛と、地上と天界を舞台に繰り広げられる壮大な闘いを描いたLOVEファンタジー。妹の紗羅に思いを募らせる高校生・無道刹那を主人公に描き、天使と悪魔たちの攻防戦を重厚に描いていた。

 同じく90年代の『花とゆめ』で連載されていた『花ざかりの君たちへ』や『世界でいちばん大嫌い』が時代を席巻する中、『天使禁猟区』はとりわけ異彩を放ち、“中二病女子”を大量生産した神漫画として語り継がれてきた。今回ご紹介する『天使禁猟区-東京クロノス-』はその続編となり、新たなる堕天使たちの物語が紡がれている。

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 同作の主人公は、人に見えないものが見えてしまう中学2年生の少年・叶久遠(かない・くおん)。とはいえ幽霊やお化けが見えるわけではなく、時々人の背中に「翼」が生え、空が「黒い文字」で埋め尽くされているように見えるという。

 そんな彼が密かに思いを寄せているのは、銀髪碧眼のクールな先輩・風護カリス。久遠はカリスへの愛を貫くため、前作と同様に天使と悪魔の戦いに身を投じていくことになる。

 また作中には、「1999年7月X日 東京上空にドラゴンが飛来した」というモノローグも描かれている。このシーンは『天使禁猟区』の最終回と繋がる場面となっており、前作との世界観の一致も表現されていた。

 ドラゴンが出現した日、上空からは天使の赤ん坊の羽が降り注ぎ、久遠はその日に母親の体内に宿っている。他にも 四大天使のひとり・ミカエルが現れたり、ラファエルの名が挙がったりと、前作を匂わせる単語やキャラクターが続々登場しているという。

 そして最新2巻では、学生の格好で突如学園にミカエルが登場。戸惑う久遠を尻目に自宅へ押しかけるのだが、そこには血を流して息絶えている母親の姿があって――? どうやら前作以上の衝撃展開が待ち受けていそうだ。

 ちなみに作者の由貴いわく、「令和に蘇る天使禁猟区、あの後のお話しですが独立した話としても読めます」とのこと。往年のファンはもちろん、まだ“天禁”に一度も触れたことがない人も、魅惑の世界観にどっぷりと浸かってみてはいかがだろうか。

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