数学は史上最高のエンターテイメント 数の世界の感動体験をあなたにも!

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更新日:2014/1/29

数学は音楽、スポーツと同じ
だからわけもなく感動する

 20〜30代をターゲットにした、今ペンディングになっているという企画も面白そうだ。

「タイトルは、『πのエロティシズム』という本で、最初に“あなたは3.14の物語を知っていますか?”と問いかけています。その後には円周率が30万桁ぶん印刷されているんですよ。無限に続くπは万能数ともいわれていて、この世のすべてを数値化したものが入っています。あなたの誕生日もクレジット番号も電話番号も、アマゾン川の全長もどの時代の日本の人口もすべて入っているのです。人間や神をも超越したこの数列による真実の物語を、例えば仕事から帰ってきた女性が夜ベッドのなかで眺めながらどう読むか? 面白いでしょう? ただこれ、校正が大変で途中で止まっているのですが(苦笑)」

 話せば話すほどテンションが高くなっていく桜井さんの熱気と数の魔力に引き込まれて、思わず身を乗り出して聞き入ってしまう。『わくわく数の世界の大冒険』を読んで何度も目からウロコが落ちたその先には、それこそ無限の数学の楽しみが広がっているのだ。

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「僕の場合、子どもの頃から数の世界の魅力にじわりじわりと気がついていったんですね。そしてサイエンスナビゲーターになってから13年、数学とは何なのかということをテレビや講演で伝え続けてきて、ようやく見えてきたことがあります。それは、数学に感動する原点は自分のなかにあるということ。人間が音楽を聞くだけで心を動かされたり、身体を動かすと気持ちがよくなるのと同じように、理由もなく数学の美しさに感動するのは我々のなかに源泉があるからです。ピタゴラスは“万物の根源は数である”と言いましたが、そのことを発見した彼が特別すごいわけではなく、原理そのものは我々の深いところにあって気づかないだけなんですね。ですから僕の本を読んで面白がってくれた人は、今よりもっと深い世界があることに気がついて、きっと物の見方が変わるでしょう」

取材・文=樺山美夏 写真=川口宗道

紙『親子で楽しむ!わくわく数の世界の大冒険』

ふわこういちろう/絵 日本図書センター 1575円

連続する100個の数の和や、カレンダーのなかの3×3の9日分の正方形の和が一瞬でわかる方法、1秒や1メートルの誕生秘話、「足して9」するだけですぐわかるおつりの計算……。つい人に教えたくなる数の秘密や知って得するエピソードが満載の算数絵本。未就学児でも読んで楽しめる「0巻」も来年1月頃に発売予定。

紙『親子で楽しむ! わくわく数の世界の大冒険2』

ふわこういちろう/絵 日本図書センター 1575円

ベストセラー「わくわく数の世界の大冒険」の第2弾が早くも登場! 勇気いっぱいの主人公プーラス、その仲間のカッケル、ヒック船長は「数の不思議な世界」を冒険中。「おつり島」「謎解きミステリー島」「楽々かけ算島」「江戸っ子島」「エピソード島1&2」の6つの島を巡りながら算数が学べる、話題の学習エンターテインメント絵本!!