休み疲れを体の中から一掃したい! “寺嫁”がつくる“ゆる精進料理”で心身ともにデトックス

食・料理

更新日:2015/1/10

 仕事が始まって1週間。でもなんだかまだ本調子じゃない。このシーズン、うっとおしくもだる重いプチ不調に悩まされている方は、意外に多いのではないだろうか。

 その犯人はズバリ、休み疲れ。長い人で年末年始は9連休。加えてそれに続く成人の日がらみの3連休。ゆったり過ごして、飲んでは食べて。胃腸疲れに生活リズムの崩れが重なれば、それもまた体にとっては負担となる。

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 そんな乱れた体内環境をシャキッと整えてくれそうなヘルシーレシピ本『寺嫁ごはん 心と体がホッとする“ゆる精進料理”』(麻生怜菜/幻冬舎)に手を伸ばしてみた。

 精進料理と聞くと一見ハードルが高そうに思えるが、こちらのレシピは“ゆる”精進。1級フードアナリストであり精進料理研究家である麻生怜菜さんが、精進の基本をふまえながらも短時間で手軽につくれる品々を提案している。

 実はかつて彼女自身が、会社員時代の連日終電で帰宅するという日々に疲弊していた。ところが、ご主人の実家がお寺であったことからいつしか精進料理に開眼。調理時間は短く、でもできるだけ体に優しいものを食べたいという気持ちが、多忙な日々の中でも無理なくつくれる“ゆる”精進料理づくりにつながったという。

 本書の“ゆる”精進料理の特徴としては、以下の4つが上げられている。

その1 植物性食材だけを用いる料理でありながら、栄養バランスに優れている
その2 簡単&時短レシピなので、あまった時間で日々が充実
その3 現代風にアレンジされた新感覚の精進料理で、満足感もキープ
その4 命をつなぐために調理すると考えることで、心も整う

 「一汁一菜」という僧侶の食事にならって、レシピも「一汁」を汁もの、「一菜」を平椀(大きなおかず)、香の物を坪椀(小さなおかず)にわけて紹介している。そもそも精進料理とは、精進物(肉や魚介類を用いない植物性食材)のみを用いた料理であり、僧侶が厳しい修行に耐えられる体を維持するため、低カロリーかつ栄養バランスをふまえて考案されたもの。肌の不調が改善したり、便秘や胃もたれなども解消されるというから期待したい。

 今回は季節を問わず素材が調達しやすい、調理時間8分・46キロカロリー(1人分)の「冬味噌汁」をつくってみた。

■冬味噌汁

〈材料〉(2人分)
にんじん1/4本(50g)〈3㎝の長さで細切り〉
たまねぎ1/4個(50g)〈繊維に沿って薄切り〉
ほうれん草1/4わ(75g)〈3㎝幅のざく切り〉
出汁…300ml〈顆粒だし小さじ1、水300mlでもOK〉
(白)味噌…大さじ1

【つくり方】
1 鍋に出汁、野菜を入れ、具材がやわらかくなるまで煮る(中火で5分程)
2 味噌を溶き入れて完成

 レシピ自体、50文字にも満たない簡潔さ。つくる際には野菜はほうれん草のみ、色が悪くならないように最後の最後にぱらりと投入してみる。果たして味噌は薄味なのに、野菜の旨みがたっぷりしみ出た、味わい深いひと椀ができあがった。野菜を切って鍋に投入しただけなのに、なにやらすごく旨いし“それっぽい”のだ。料理上手気分も味わえて、さらにいろいろ試したくなる。

 坪椀(小さなおかず)レシピは、しめじをシリコンスチーマーに入れ電子レンジで加熱し黒すり胡麻と和えるだけの「きのこの胡麻和え」や、胡麻油でさっと炒めた蓮根を砂糖やみりんで炒め煮した「蓮根のきんぴら」など、どれも気軽にトライできそうなものばかり。巻末には“ゆる”精進による週末限定のプチ断食のやり方も紹介されており、外食続きで体調に違和感があるときなどに試すとよさそうだ。

“ゆる”精進で胃腸をしっかり整え、活力をよみがえらせる。つくることに頑張らなくてもさらっとできあがるのが、なお、ありがたい。

急な来客でも対応できる! “時短”精進料理

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かぼちゃ、ゴーヤ、パプリカ、なすを揚げ焼く「野菜の揚げ浸し」は、わずか10分で完成するメインディッシュ

文=タニハタマユミ
撮影=三好宣弘(RELATION)※本書より