「ランズベリー・アーサー」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2015/12/25

ランズベリー・アーサー

編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第97回となる今回は、「スタミュ」の月皇海斗役などを演じるランズベリー・アーサーさんです。

――撮影おつかれさまでした! 今飲んでいるコカ・コーラ ゼロ、普段もよく飲むんですか?

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アーサー:いつもは大体「緑茶」を飲むんですけど、今日は炭酸に目がいってしまって。スカッとしたい時は炭酸を飲みます。シュワシュワッとする感じで体が起きてくるんですよね。

――アフレコ収録では炭酸を飲めないイメージがあります。発声の邪魔になりそうで。

アーサー:たしかに、専門学校の授業では、収録中の飲み物はお水など喉に優しいものがいいって教わりました。お茶は喉の油分を取っちゃうので。でも、炭酸が好きで飲んでる方もたくさんいますよ。結局、自分のベストを保つためのドリンクを飲んで、気持ちを高めていくのがいちばんいいんだと思います。

――飲み物と言えば、もともと紅茶好きでも知られていますね。

アーサー:カフェインの入ったものを飲むことが多いですね。燃料みたいな感じで、さあやるぞ! という気持ちになれるので。収録では、緑茶を必ず1本買っておいて、それとは別に缶コーヒーなどのカフェインを収録前に飲みます。仕事モードへスイッチを入れ替えるためのジンクスみたいなもので。

――他にもジンクスはありますか?

アーサー:朝から収録がある時は、朝早く起きて必ずシャワーを浴びますね。起きてから声が出るまでには4時間かかるって言われているので、7時頃には起きてシャワーを浴びてます。

――早起きでもシャキッと起きられますか? 二度寝などせずに。

アーサー:起きてます! イベントの翌日とか、遅くまで飲み会があった時とか、運動をした翌日なんかは、前日の疲れを引きずっていることもあるので、朝日で自然に体が起きるよう、カーテンを開け放ったまま寝ます! あとは、起きた瞬間に覚悟を決めてバッとふとんを飛ばしたり。ふとんがない状態にすれば二度寝しませんね。

ランズベリー・アーサー

――夜、寝るのは何時頃?

アーサー:じつは夜更かしをしちゃうタイプで、夜は3時〜4時くらいまで起きていることが多くて。早くても2時とか。 Twitterでもそれくらいの時間によく「おやすみ」ってつぶやいてますけど、週の大半はそんな感じです。

――仕事を終えて帰ってきた後、自宅では何をして過ごしてるんですか?

アーサー:イベントがあった日なんかは帰りが夜の10時とか11時になりますけど、お風呂に入って、テレビをボーッと見たり、応援してくださってる方からいただいたお手紙を読んだり、次の日に使う台本をもう一度読んでおこう、とかしていると、あっという間に深夜2時、3時になっちゃって。今はがむしゃらに頑張るべき時期なので、台本や映像は睡眠を削ってでも念入りに見ておきたくて、あっという間に。ベッドに入ってからもすぐには寝つけなくて、30分くらいは起きてます。

――1日の中でいちばん好きな時間って?

アーサー:パソコンとテレビがちょうど両方見られる位置にあるんですけど、テレビを見ながらパソコンをカチカチしている時間がいちばん心穏やかな時間なのかな。何も考えていない時間というか。1日使った頭をそこで休めているから、毎日リセットできてるのかなと思いますね。もし、趣味のゲームをする時はその後に。

――ところで、周りの人たちからどんなあだ名で呼ばれていますか?

アーサー:アーサーと呼ばれることが多いですね。「スタミュ」では、花江(夏樹)さんと小野(賢章)さんがランズ兄やん、前野(智昭)さんと細谷(佳正)さんがアーサー王っていうあだ名をつけてくれました。

ランズベリー・アーサー

――「スタミュ」は現在放送中ですが、月皇海斗役でこだわっていることは?

アーサー:海斗は根が素直で、1話から4話まではツンツンしているイヤな子に見えるんですけど、じつはそうではなくて、努力を重ねてちゃんと結果を出してきた上で、それでも自分を認める事が出来ない子なんです。自分で自分を許せていないように、他人のことも素直に認められない。でも、主人公の星谷くん(CV:花江夏樹)のおかげで、自分のダメなところも正しく受け入れられるようになり、初めて肩肘張らずに友達同士になれたんだと、そう思います。ツンツンしているように見えて、「俺はやれることを精一杯やる」という気持ちに基づいて、素直に感じたことをありのまま伝えているだけなんです。

――なるほど。1話から4話までと、それ以降では演じ方が違ったのですか?

アーサー:4話までは自分で自分を演じているような“芝居がかった”海斗を見せたかったので、視聴者の方にも海斗の喋り方に違和感を抱いていただいて、4話から6話で変化して素直な自分になれたところを見せたいと思っていました。海斗は純粋なので、できるだけのことを頑張って、結果、学校を主席合格しているのに、心は常に報われていない。その結果と気持ちが繋がっていないところを、透明感を意識しつつ4話までで出せるように意識しました。

――海斗くんの気持ちを組み立てていったのは、どの時点で?

アーサー:収録が始まる前に、最終回手前までのお話の流れをいただいていたので、その時に。今って1話完結型の作品も多いですけど、1話からわかりやすい人物にはしたくないなと思って。大事に、月皇海斗というキャラクターを段階を踏みながら作り上げていきたいと思いました。

――海斗くんの気持ちを深いところまで意識されたんですね。理解できる部分もあったのですか。

アーサー:じつは、海斗とは気持ちが悪くなるくらい(笑)、気持ちがシンクロしているんです。たとえば、海斗は優秀な両親や兄と比較されることでコンプレックスを抱いているんですけど、私も親やきょうだいと比べられることが多くて。それに、私自身が以前ひきこもりで、世の中の全て認められないような時期が2年程あったんですよ、ちょうど海斗と同じ高校生の時に。だから、そんな気持ちに負けずにまっすぐ戦っている海斗を見ると、当時の自分を見ているようでグッとくるんですよね。でも、海斗は星谷くんに出会うことで救われたんだと思います。私にはそういう存在がいなかったから、結果一人で悩み苦しむ期間が長くなってしまった。最初は当時の自分を見ているようで心苦しい時もありましたけど、だからこそ当時の自分をやりなおす気持ちで大事に演じてあげたい。本当に、海斗くんに対しては愛しかないです。

――アーサーさんの場合、その厚い壁を乗り越えるきっかけとなったのは…。

アーサー:そんな自分がイヤだっていう気持ちはずっとあったんですよ。ゲームをしている時も、寝る前も、考えすぎてひとりで泣いちゃうこともよくありましたし。でもある時、ゲームのプレイ中に、ネット上の仲間と執事喫茶の話になって。実際に会ったことはない仲間なんですけど。その頃、メイド喫茶は流行っていたけど、執事喫茶はまだなくて。面白そうな職業だなと思ったのがきっかけで、執事喫茶でバイトすることにして、そこで1年半ほど働いた後は、いろんなバイトを転々としました。

ランズベリー・アーサー

――声優を志したきっかけは?

アーサー:仲の良かった職場の同僚が声優の卵で、一緒にバイトを転々としてたんですけど、私自身もともとゲームや漫画は好きだったし、そんな世界もあるんだなと思っていた時に、彼が冗談半分にやってみたら、と誘ってくれて。

――いい声ですし、もともと声を褒められることも多かったのでは?

アーサー:声に関しては、専門学校に通っている時から、そして事務所に入ってから暫くも「普通の声だね」「向いてないんじゃない?」ってあちこちで言われてましたよ。声がコンプレックスだったので、かなり磨きました。専門学校に入る前のボイスサンプルを聴くと、まったく違う声ですから。後になってそれを聴いた時、こんなに変わるんだって興奮したくらいです(笑)。

――どうやって鍛えたんですか?

アーサー:とにかく、発声するための筋肉を鍛えたりとか。あと声は使うほど鍛えられて良くなるという話を聞いてからは、痛めすぎない程度に毎日ひたすらシャウトしたり、いろんな方法で発声練習をしました。よく、声優になりたいけど自分は声が良くないから……。という人もいますが、「声は変えることができる!」と声を大にして伝えたいですね。

――声優さんはトークの上手さも際立ちますが、アーサーさんのトークも本当にスムーズだなと感じます。

アーサー:以前はドモリ癖があって、ちゃんと喋れなかったんです。だから、ドモリを直したくて自分の日常の会話をボイスレコーダーに録ったりしました。自分の喋りが周りの人にどう聴こえているかって、気になるじゃないですか。自分ではちゃんと話してるはずなのに、独りよがりになっているな〜とか研究しながら、滑舌の良くない部分も沢山練習しました。

――最近仲のいい声優さんを教えてください!

アーサー:畠中祐くんとは仲がいいですね。今年の夏前に、「アニメマシテ」という初めての顔出しの仕事で一緒にMCをして、一気に仲良くなりました。最初に出会った時はお互い緊張していて、でも祐は、熱血系の役をよく演じているので、そのイメージ通りだなと。私も普段はこういう喋り方ですけど、本当は熱血系のキャラクターが得意だと感じているので、通じるものがあるかな〜と思って。「アニメマシテ」の仕事終わりに飲みに誘って、それからどんどん仲良くなりました。

                                                            

――最近どこかにデートに出かけましたか?

アーサー:この前は、ふたりでアキバに行きました。祐はアキバに詳しくないようだったので、武器屋さんとかガチャポン会館あたりの見てわかりやすい場所を案内しました。私がアキバにどっぷりで、週6〜7日通ってた時期があるんですが、当時はアキバのあっちこっちに顔見知りがいました(笑)。

ランズベリー・アーサー

――その他にも、最近声優さんと遊びましたか?

アーサー:岡本信彦さん、逢坂良太さん、阿部敦さんの4人でスポッチャに行きました! そこで3〜4時間運動をした後に、ノリでラクーアに行こう!となって。ラクーアではジェットコースターや水がバシャッとかかるような乗り物に乗ったので、さっぱりするために夜はラクーアスパでお風呂に入って。その日1日、勢いで過ごしましたね(笑)。

――お酒に強いそうですが、お酒にまつわる失敗談などはありますか?

アーサー:まったくないです! 飲んでも変わらないんですよ。美味しさは感じるんですけどね。失敗談ではないですけど、ハタチの時に初めて飲んで、ウイスキー10杯を超えた時は、少しだけ足にきました。それから年々強くなって今はもうないですが、あれがお酒に酔う感じなんだなと(笑)。

――これまで、いろんなことを克服してきていますが、「まだまだ足りない」「研究したい」と思うことはありますか?

アーサー:フランクさ、です。同期とか同世代の仲間を見ていると、みんな人と仲良くなるのが上手だなと感じるんですよね。私は友達の作り方がよくわからないので、知人にはなれても、その先の距離の縮め方がわからないんです。その先に一歩進むにはどうしたらいいんだろうって。「私」っていう一人称や、この喋り方も「堅苦しい」と言われますけど、わざとそうしているわけではなく、これが自分の素の姿なのでどうしようもないんですよね。でも、最近はそれを認知してもらえてきたので、他のみなさんとも少し話しやすくなりました。

――これからどんな声優になりたいですか?

アーサー:プレイヤーとして、10年、20年先までこの業界に携わっていたいです。アニメの主役なども当然したい気持ちはありますが、それは然るべき時にたどりつく場所だと思うので焦らずに。お芝居がすごく好きなので、役やジャンルに関係なく、いい作品を作る上での1パーツになれたらと思います。

――読者へのメッセージをお願いします!

アーサー:事務所に入ってから、気が付いたら4年経っていて、来年で5年目になるんですが、4年目の最後に「スタミュ」という作品で私の名前をより認知してもらえるようになったのは本当に嬉しいです。これからも沢山の作品作りに携わっていきたいですし、その過程でこういったインタビューや歌、その他バラエティに富んだ活動もあると思いますので、それらを含めて、ランズベリー・アーサーという人間を応援していただけたらなと思います。

【声優図鑑】ランズベリー・アーサーさんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

ランズベリー・アーサー

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ランズベリー・アーサー(81プロデュース)

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◆撮影協力
magic tone studio(マジックトーンスタジオ)

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト