「大好きな作品がこうして読めるのは嬉しい!」江戸川乱歩『怪人二十面相』が青空文庫で公開

文芸・カルチャー

2016/4/17

 ミステリー界の父・江戸川乱歩の代表作である『怪人二十面相』が青空文庫にて公開された。現在公開されているものだけでも、『怪人二十面相』のほかに『押絵と旅する男』『心理試験』『随筆銭形平次』『D坂の殺人事件』『二銭銅貨』『日記帳』『人間椅子』など名だたる8作品が並び、「小学校の時に読みまくった思い出が蘇る!」「ブラウザでも縦書きで読めるのかー。時代は変わったな」「大好きな江戸川乱歩作品がこうして読めるのは嬉しい!」とファンは歓喜の声をあげている。

 江戸川乱歩は1894年に生まれ、小学生の頃母親に読み聞かされた菊池幽芳訳の推理小説『秘中の秘』からミステリーや推理小説が好きになり、中学生にして押川春浪や黒岩涙香の小説を耽読。既にこの頃からミステリー界の父と呼ばれる血肉は育ちつつあった。1923年に『二銭銅貨』でデビューしてからは、『緑衣の鬼』『三角館の恐怖』『幽鬼の塔』など、欧米の探偵小説に影響を受けた本格探偵小説を世に生み出し、聡明期の日本探偵小説界に大きな足跡を残したのは言うまでもない。明智小五郎と小林少年が活躍する『怪人二十面相』も彼の代表作の一つだ。

 20の異なる顔を持つ大怪盗・怪人二十面相と、名探偵・明智小五郎&その助手・小林少年が対決する『怪人二十面相』は、「子ども向けなので余計な描写がなく、スリルとスピード感が半端ない」「スピード感があって粋な感じ。小説に無駄がない!」と児童小説ならではの利点を生かすとともに、「追い詰め、逃げられ、また追い詰めっていうストーリー展開が手に汗握る」「二十面相と彼を追い詰める名探偵明智小五郎と助手の小林くんの対決がワクワクする!」と起伏の激しいストーリー展開に脱帽するファンも続出。

 今回、2016年4月4日(月)に青空文庫にて公開されたのは『怪人二十面相』。その他に過去公開された7作品と、作業中でこれから公開予定の『白昼夢』、『少年探偵団』、『まほうやしき』など、延べ97作品が公開される。

 青空文庫は「本を電子化して誰でも読めるようにしておくと面白い」と考えた数人が集まって1997年に生まれた。知的財産権が発生していない状態、または消失した状態を指すパブリックドメインとなり、日の目を浴びることが少なくなった過去の作品を、現代によみがえらせている。有志で同事業を行っているので、無料でテキストを読むことができ、誰でも偉人たちの作品を読むことができる。その上、インターネットさえあればどこからでもアクセスできるため、「近くに図書館がない」「書店に読みたい本が売ってない」という読書家たちの有り難いツールとなった。

 没後50年を迎え、2016年にパブリックドメイン入りをした江戸川乱歩作品が蘇ることに昔からのファンは「時を経ても風化することなく蘇る江戸川乱歩…感激だなあ」「子供にも読ませてあげたい!」「昔感じたあの感動を、うちの子供にも味わってもらいたいな」「子供たちの心を掴む少年探偵シリーズがこうして蘇るのは、ほんとに感激!」と喜びを露にしている。

 また「あの名作が、通勤でも読めるんだ! 最高過ぎる」との声も上がっているように、今回登録された作品の数々は「青空 in Browsers」を使用することで、電車、仕事先などどこでも読める。『怪人二十面相』に続く『少年探偵団』シリーズ作品も随時公開されていくとのことなので、江戸川乱歩ファンならずとも、全く読んだことのない方も手軽に目を通してみてはいかがだろう?