江戸川乱歩『人間椅子』あらすじ紹介。 椅子となり女性に触れる感触に溺れる――容姿にコンプレックスを抱えた男の歪んだ愛
江戸川乱歩の代表作である『人間椅子』。内容は気になるけど、怖そうで最後まで読みきる自信がないという方もいるのではないでしょうか? やはり『人間椅子』というタイトルからは猟奇的な雰囲気を感じてしまいますよね。そんな方を対象に、短くわかりやすい形でストーリーを紹介します。
『人間椅子』の作品解説 著者の江戸川乱歩は推理小説家として有名な一方、怪奇小説家という一面を持っています。
『人間椅子』は江戸川乱歩が専業作家として歩み始めた1925年(大正14年)に発表した怪奇小説で、『屋根裏の散歩者』『鏡地獄』などと並ぶ代表作です。この作品は著者の予想に反して大好評を博し、これを契機に乱歩はエログロナンセンスな作風へと舵を切っていきました。
圧倒的な怪奇世界を展開させておいて「これは創作でした」とあっけなく打ち切る結末は不気味な余韻を残します。
『人間椅子』の主な登場人物 私:醜悪な外見にコンプレックスを持つ椅子職人 佳子:外交官の夫を持つ女流作家
『人間椅子』のあらすじ 毎朝、夫の登庁を見送った後、書斎に籠り、読者からの手紙に目を通してから執筆に入るのが、女流…