壇蜜が元カレに土下座した理由とは? 真っ赤なドレス姿で『インフェルノ』を朗読

映画

2016/10/21

 ハーバード大学の宗教象徴学者であるロバート・ラングドン教授が、美術史や象徴学など幅広い知識を駆使して様々な謎を解明する「ラングドン・シリーズ」。作品を生み出した世界的人気を誇る小説家ダン・ブラウン原作による、ダンテの『神曲』地獄篇をモチーフとした『インフェルノ』がついに映画化、いよいよ2016年10月28日から公開される。それを記念し、東京オペラシティコンサートホールのタケミツメモリアルで、円光寺雅彦指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーによって結成された「ロバート・ラングドン・プレミアム・オーケストラ」による一夜限りのコンサートが催された。

 ロビーには映画のポスターに加え、本作の重要な鍵となるボッティチェルリの傑作絵画『地獄の見取り図』のパネルがディスプレイされ、場内は青い光でライトアップ、ステージ中央に大きなスクリーンがあり、タケミツメモリアル独特のピラミッド型の天井が幻想的な雰囲気を醸し出していた。

「新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を楽しんでください」というラングドン・シリーズの映画の監督を務ているロン・ハワード監督からのビデオ・メッセージからコンサートはスタート。演奏前に真っ赤なドレスを身にまとった壇蜜さんによる『インフェルノ』の朗読があり、現代映画音楽を数多く手がける作曲家ハンス・ジマーによる2006年に公開された映画『ダ・ヴィンチ・コード』のサウンドトラックからのスペシャルエディションが演奏され、スクリーンに『ダ・ヴィンチ・コード』の映像が流れる演出もあった。

 演奏後、今夜のゲストである荒俣宏さんと壇蜜さんが登場。壇蜜さんは「オープニングの朗読で緊張してしまい、立ち位置を間違えてしまった」と笑った。荒俣さんはすでに映画を見たそうで、「とにかくスピード感が半端ない。しかも人類が直面する現実を突きつけてくるんです」と絶賛した。さらに映画に登場するイタリア・フィレンツェにあるヴェッキオ宮殿の五百人広間へ行った際の写真をスクリーンに映し、ヴァザーリによる壁画を紹介。その絵の裏にはレオナルド・ダ・ヴィンチの大作があるのではないか、という調査が行われたというエピソードを披露し、次作のラングドン・シリーズはこのダ・ヴィンチの作品を使うのでは、という大胆な予測も飛び出した。

 そしてMCから「地獄体験はありますか?」という質問に、壇蜜さんは「この近辺で、前に付き合っていた人に土下座をしたことがある」という衝撃体験を披露。「仕事が忙しくて約束を反故にしてしまったので、大袈裟に謝ったら許してもらえるかな」とやってみたものの、さらに叱られたそうだ。「地獄とはいえ、常に一明の光はあるのかなと思っています」という壇蜜さん。「でも何があるのかを垣間見たくて、それが原因となってのめりこんでしまうのかも」と、毎回事件に巻き込まれるラングドン教授にシンパシーを感じている様子だった。それを受けて荒俣さんは「ダンテの『神曲』ではアリストテレスもプラトンも、クレオパトラも地獄行き。作家なんてウソを書いて人を騙しているから、みんな地獄行き。もちろん私も地獄行きです!」と場内の笑いを誘っていた。そして演奏は2009年公開の『天使と悪魔』からのスペシャルエディション、続けて物語の舞台であるフィレンツェにちなんで、メンデルスゾーンの『交響曲第4番“イタリア”』より第一楽章が演奏された。

 後半は、物語のクライマックスでも演奏されるリストの『ダンテの「神曲」による交響曲S.109』より第一楽章『Inferno』が演奏されたが、円光寺さんによると「なかなか演奏されない曲で、タクトを振るのも、メンバーが演奏するのも初めての曲」ということで、荒俣さんは「それは貴重、ぜひ客席で聞きたい」と壇上から客席へ下り、壇蜜さんと一緒に最前列で演奏を堪能していた。世界観をイメージした真っ赤な照明に変わったステージ、そして物語で重要な意味を持つ、たくさんの柱がある貯水池の映像がスクリーンに映し出され、恐怖と緊張が張り詰めた演奏で本編終了。アンコールでは映画『インフェルノ』の楽曲のスペシャルエディションが演奏され、コンサートは終わった。

 ダンテの『神曲』地獄篇の謎を追うラングドン教授役は、引き続き名優トム・ハンクス。コンサート中に流れた二度の予告編はとてもスピーディーで、人類の未来がかかる問題を解き明かすまで24時間しかないというタイムリミットの中、教授は果たして謎の深奥へたどり着くことができるのかとハラハラさせられた。映画『インフェルノ』への期待がいっそう高まる夜となった。

取材・文=成田全(ナリタタモツ)

映画『インフェルノ
監督:ロン・ハワード
脚本:デヴィッド・コープ
出演:トム・ハンクス、シティ・ジョーンズ、イルファン・カーン
原作:ダン・ブラウン『インフェルノ』(角川文庫刊)