辞書不要! 洋書『ハリーポッター』ほか、 春から「英語脳」を作る! レベル別おすすめの7冊は?

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更新日:2017/4/3


『マンガ こんなに効く!英語多読多聴マニュアル』(こいけかずとし/ベレ出版)

 「ハリーポッターを原書で読んでみたい!」「映画を字幕なしで楽しめるようになりたい!」英語好きには、こんな夢を持つ人も多いことだろう。だが、いわゆる受験英語を懸命に勉強したところで、この手の実践力(=使える英語力)を伸ばすのはなかなか難しく、それなりの勉強法の工夫が必要になってくる。

 実は、こうした使える英語力を学ぶのに有効な方法として「多読・多聴」が注目されているのをご存じだろうか。多読・多聴とは文字通り、たくさん読んで聴くこと。ざっくりいうと、多くの英語原書を読み、その朗読を聴くことで英語に慣れ、次第にネイティブのような「英語脳」を作っていくという学習法だ。

 とはいえ、実際にはどうやればいいのだろう。多読学習を多く取り入れた英語塾の主宰による『マンガ こんなに効く!英語多読多聴マニュアル』(こいけかずとし/ベレ出版)から、その学習法をみていこう。

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 本書によれば、学校で習う英語は理解の正確さを上げる「ルールの説明」であり、多読・多聴は理解の早さをあげる「トレーニング」とのこと。学校英語と多読・多聴を両輪で進めることが英語力UPには大事だが、大半の人は学校英語でやめてしまうので実際に使える英語レベルに到達しないというわけだ。つまり学校英語も無駄ではなく、ここからトレーニングしていけばいいということ。とはいえ、いきなり原書をたくさん読めと言われても…だが、多読の原則をみると、そんなに身構えなくてもいいらしい。

 つまり「自分の読めるレベルの本をスムーズに読む」のが大事ということか。ちなみに個人差もあるがゼロからはじめた人が原書の「ハリーポッター」を読めるレベルまで到達するには300~400時間のトレーニングが必要とのこと。いきなり300時間と言われるとビビってしまうが、1日あたり15分から20分を毎日続ければ1年で100時間。約3年でハリーポッターに到達するというわけだ。この時間を「早い!」と思うか「そんなに!?」と思うか、そこはあなたの感覚次第だが、地道にコツコツやれば道が開けるというのはうれしいもの。

 しかし、いきなり「原書」といわれても、手に取ったこともない人もいるだろう。一体、何を読めばいいのだろう。

 上のイラストにあるように多読はレベル0~レベル7以上にわけられる。多読力を鍛えるには自分のレベルを把握して、自分にあったレベルの本を数多く読み、次第にレベルアップしていくのが学習の基本だ。自分のレベルがわからない場合は、この本の後半にある「レベルチェック用多読素材」(出版社のHPから朗読音声をダウンロード可能)を利用するのもオススメ。レベル6までの短い物語や小説が入っているので、初心者だけでなく上級者にも対応可能だ。なお、レベル別オススメ図書も豊富に紹介されているので、それらを参考にしながら実際に書店やAmazonで本を手に入れて学習をすすめていけばいい。

 その他、本書には多読に必要な文法のポイントや、スラッシュリーディングなど多読に有効なテクニックも詳しく紹介されているので、多読学習のよきパートナーになってくれることだろう。

 まもなく新学期&新年度。新生活への期待と共に、自分をブラッシュアップしたいという意欲に燃えている方も多い季節だ。断捨離をしたり、自己啓発本を読んだり、人それぞれにやり方はあるが、実は「できるようになる」という変化の実感が得られるという意味では、英語学習もそのひとつ。春から多読生活、はじめてみてはどうだろう。

文=荒井理恵