「うつな私」から脱出できた7つのスイッチ――2ヶ月ぶりの換気、10秒片付けから始まった1年半の体験記

暮らし

2017/5/14

 たった10秒の片付けから始まった、今までにないうつ回復エッセイ『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』が、2017年6月15日(木)に発売される。

 同書は、『境界の町で』で鮮烈なデビューを果たした作家・岡映里が、うつ症状と向き合い「ごきげん」な自分を取り戻すまでの1年半を書き下ろした実録手記。何もかもうまくいかなかった岡が、行動を変えて心も変わっていく様子が描かれている。

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心が不安定に揺れ、怒りの感情をコントロールできなかった時。
精神疾患のつらい症状を抑える薬を飲んで、感情が消えてしまった時。
不仲の両親のことを考えると、決まって心が凍ったようになって表情が消えてしまう時。
「自分だけがないがしろにされている」と思い込んで、友達の輪から離れ自分の殻に閉じこもってしまった時。
私は、自分の心が、なぜ、そうなってしまうのか、その原因やきっかけが全くわかりませんでした。長く続いた抑うつ状態も、「これは自分の運命で、自分にはどうにも変えることができない」と諦めていました。でも、結論から言えば、それは「心の地図」を持っていない状態で、心を彷徨わせていただけだったのです。同書「はじめに」より

 うつから抜け出すために行った、「ゴミ屋敷を片付ける」「明るい色の服を着る」「過去を書き換える」などの具体的な「7つのスイッチ」を掲載。うつに悩む人には、参考になるヒントがあるかもしれない。また、犬山病院の院長・高沢悟が岡の行動について医学的な視点から見解を述べているので、紹介しよう。

最近の脳科学でも、うつ病を持続させているのは、この否定的思考や感情の反復(反芻:rumination)ではないかと考えられています。つまり、自らの思考が病気も持続させているのです。主人公の映里さんは、同書『自分を好きになろう』のなかで、そんなネガティブな世界から、いろいろな人の助けを借りながら(これも自分の力の一部)、サバイバルした経験を語ってくれています。そして病気は確かに自分のせいではないけれど、病気と付き合っていくやり方は自分で決められるんだ、ということに気付きました。きっかけは、ありふれた1つの「行動」でした。それは「症状」というより「疾病行動」ともいえるある種の自分で作った“思い込み”に気づくことからはじまりました。掃除をする、それも自分の近くのペットボトルを10秒だけ片付ける、という実現可能な小さな「行動」からはじめたことが成功の元でした。医療法人桜桂会 犬山病院 院長 高沢悟

 漫画を担当するのは『臨死!! 江古田ちゃん』『ありがとうって言えたなら』の著者・瀧波ユカリ。描き下ろし漫画も収録しているので見逃せない。岡の奮闘する姿には多くの学ぶ点がきっとあるだろう。

岡映里(おか・えり)
作家。1977年、埼玉県三郷市生まれ。ホテル宴会場の皿洗い、クラブ店員、パソコンショップ店員、歯科助手、家庭教師などの職を転々としながら、慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。のち、Web開発ユニット起業、会社員、編集者、週刊誌記者などの仕事を経る。2013年、双極性障害と診断される。仕事をやめ、離婚などを経験し、2年間の治療を経て2015年に症状が落ち着く。以後も続いたうつ状態を、行動療法、認知療法的な視点から改善。現在は認知療法や精神障害者の福祉政策を学びながら作家活動を行っている。

瀧波ユカリ(たきなみ・ゆかり)
漫画家。1980年、北海道札幌市生まれ。2004年、月刊アフタヌーンで四季大賞を受賞しデビュー。『臨死!! 江古田ちゃん』『あさはかな夢みし』『ありがとうって言えたなら』などの漫画作品の他、『はるまき日記』『女もたけなわ』などエッセイも発表している。

※掲載内容は変更になる場合があります。