「受刑者は日々、何をしている?」「性処理はどうする?」──刑務官が明かす、知られざる刑務所の内情

社会

更新日:2020/5/11

 日々、受刑者たちの監督を行なう刑務官だが、罪を犯した人々の集まる場所だけに危険はないのか。残念ながら、皆無とはいえない。かつて木工作業中に刑務官と口論になった受刑者がハンマーとノミで刑務官の胸を刺し、そのまま死亡させたという事件があった。そのほか極度に暴れる受刑者を収容する「保護室」に入れられた受刑者が、保護室の扉を破壊して刑務官を襲撃するなど、決して油断できない環境なのである。

 ここらでちょっと下世話な話だが、いわゆる「性処理」はどうなっているのか。刑務所では当然、異性との性行為など不可能であり、自然その処理は「自慰行為」となる。ところが、かつて女子刑務所でトンデモない性交渉が発覚した。人手不足で手伝いに来た男性刑務官と女性受刑者が恋に落ち、なんと食器を出し入れする小窓を使って行為に及んだというのだ。結局バレて刑務官は免職となったが、愛に殉じた彼に後悔はなかった……かもしれない。

 このほかにも、刑務所内にヤクザの抗争が持ち込まれたり、将来を悲観して自殺者が出たりするなど刑務官の仕事は非常にハードだ。しかし最も過酷なこと、それは「死刑」の執行であろう。なにせ絞首刑を執行するために床を開くボタンを押すのは刑務官の仕事だからだ。精神的負担を軽減するため5人の刑務官が一斉にボタンを押すという措置が取られるものの、やはり「命を奪った」かもしれないという拭いえぬ思いは想像に余りある。

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 本書を読んでみて、改めて刑務官の仕事を知らなかったことを実感した。漫画なのでユーモラスに描かれているが、過酷な業務であることは間違いない。とりあえず漫画のネタにされないように、刑務官のお世話にならないような生きかたを心がけたいものである。

文=木谷誠