「まさかこんなに救いがないとは」 アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第83話、住処を奪われた妖怪の悲しい結末に驚きの声

アニメ

公開日:2019/12/7

『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪ファイル』(水木しげる/講談社)

 2019年12月1日(日)に放送された、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第83話。今回は1本の木にまつわる物語だったのだが、後味の悪い結末に「まさかこんなに救いがないとは」「ちょっといい話だったのに悲しい…」と驚きの声が上がっている。

 ある日鬼太郎のもとに舞い込んだのは、仮面をつけた妖怪が人間をさらっているという情報。さっそく町に出てみると、ほうこうという妖怪が“タクミ”という人物を探しながら暴れていた。ほうこうは2,000年以上生きた木に宿る妖怪で、丘の上のクスノキに住んでいた様子。しかし最近になってマナーの悪い人々が集まるようになり、木を管理していた男性はしびれを切らしてクスノキを切り倒してしまう。

 クスノキに注目が集まったのは、人気ミュージシャン・TAKUMIがSNSに投稿した写真がきっかけ。再び丘の上にやってきたTAKUMIは、切り株になってしまったクスノキにショックを受けていた。TAKUMIにとってクスノキは生きる勇気をくれた存在で、写真を撮ったのも感謝を伝えるため。しかしいくらTAKUMIが反省しても、ほうこうの怒りは静まらない。

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 やがてほうこうは町に火を放ちはじめ、丘の下は火の海に。鬼太郎とねこ娘は暴れるほうこうを止めようとするが、TAKUMIがほうこうをかばって「きっと僕が間違えたんだ!」と謝罪する。そんなTAKUMIの姿を見て、「お前がTAKUMIであったか」「お前はいつも遠くからわれを見つめていたな」と優しく語りかけるほうこう。鬼太郎の指鉄砲を受けたほうこうは、「これで、いい…」とつぶやいて消滅する。

 心の拠り所を失ったTAKUMIは、「僕は、これからどうやって生きていけばいいんだろう…」と落胆。ほうこうの居場所もTAKUMIの希望も失われてしまった結末には、「こんなの辛すぎるでしょ」「一瞬心を通わせたと思ったのに…」「どうしようもなく後味の悪い話だった」と視聴者も衝撃を受けている。

 人間の痛みも妖怪の痛みも理解し、浮かない表情で丘を立ち去っていった鬼太郎。人と妖怪が平和に暮らすためには、まだまだ問題が山積みのようだ。

■アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」
放送日時:毎週日曜 9:00~
原作:水木しげる
キャラクターデザイン・総作画監督:清水空翔
公式サイト:http://www.toei-anim.co.jp/kitaro/