“本の目利き”三浦しをんが選んだ新人作家デビュー

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26

 作家の三浦しをん、橋本紡、桑原水菜らが選考委員をつとめるノベル大賞。その2011年度の受賞作家3人が、6月30日から3カ月連続で文庫デビューする。三浦しをんは、小説家でありながらマンガやBL作品にも造詣が深く、多くの書評も手がける“本の目利き”。そんな三浦が選考した作品とは?

まず、大賞を受賞した『青色ジグソー』(著:野村行央)には、「『青色ジグソー』は、淡々としたストーリーのなかに、関係性や心情の変化がしっかりと描かれており、大賞にふさわしい作品だ」とコメント。佳作の『異形の姫と妙薬の王子』(著:せひらあやみ)は、「楽しく好感が持てる作品だが、ややはじけきれていないところが惜しい」とし、キャラクターを活かすためのアドバイスを提示している。そして、三浦が迷った末に1番高い評価をつけたのが、読者大賞を受賞した小糸ななの『ゴシック・ローズ』だ。その理由として「読んでいて楽しいし、マルコシアスをはじめキャラクターも生き生きしていていいかなと思ったからだ」と述べている。

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三浦は最後に「常に読者の存在を意識しつつ、自他の心を見つめ、考えつづけ、書きつづけることが、なによりも大切だ。」と、これからプロになる3人に向けてメッセージを送った。『ゴシック・ローズ』以外は新しく書き下ろした作品だが、三浦のエールが3人の作品にどう影響しているのか。今から読むのが楽しみだ。

(ダ・ヴィンチ電子ナビより)