「胸がぎゅっとなる」と話題のダークファンタジー! 残酷な運命を背負った少年・アトーが旅をする目的とは――『結末の国のアトー』

マンガ

公開日:2022/11/29

結末の国のアトー
結末の国のアトー』(土藤山夜/KADOKAWA)

 ウェブコミックサービス「コミックウォーカー」で連載中の『結末の国のアトー』。そのコミックス第1巻が、2022年11月26日(土)に発売。ノスタルジックな絵柄と可愛らしい主人公からは想像もつかない重く残酷なテーマを扱った同作の世界観に、早くも多くの人が虜になっているようだ。

 物語の舞台は、呪術や呪術師が厳しく管理された魔法の世界。主人公の少年・アトーは戦争で滅んだ“とある国”の生き残りで、相棒の喋る鳥・ポロムコ(通称:ぽこくん)とともに亡き故郷の忘れ形見を探す旅に出ていた。

 第1話では呪術の文化が色濃く残る街を訪れ、そこで出会った少女と絆を深めていく展開に。中盤までは少女の葛藤に寄り添うアトーの優しさが沁みる物語となっているのだが、徐々に本作の“ダークな部分”が見え始めてくる。

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 というのもアトーたちが旅する目的は、世界各地に散らばった“呪いの不発遺物”を処理すること。模様の一枚一枚が宝石でできている“それ”は一見美しい工芸品に見えるが、その実態は独裁国家・月ノ国が作り上げた“非人道的大量殺戮兵器”。発動すると約15kmの範囲にわたって凄まじい苦痛を与えながら人々を死に至らしめるという。

 アトーは特殊呪力性惨禍召喚物、通称「特召物」を唯一処理できる人物であった――。

 ただ処理できるといっても、決して容易なことではない。特召物を処理する度にアトーの骨や肉は削られ、想像を絶する痛みが彼に襲いかかるのだ。

 しかし当のアトーは自分を残酷な運命に追いやった母国を恨むどころか、今は亡き故郷の文化に触れられることを喜ぶばかり。同時に行く先々で出会う人々の幸せを心から願い、その身を削りながら己の使命を全うしていく。

 そんなアトーの純粋な人柄と、残酷な運命を背負わされた痛々しさには多くの人が心を搔き立てられているよう。SNS上には「アトーがめちゃくちゃ良い子な分、重いものを背負わされすぎて本当にやるせない」「登場人物はみんな優しいのに、世界だけが残酷」「読んでて胸がぎゅっとなるけど、誰かに勧めたくなるような作品」「世界観が凄すぎて言葉が出ない。この作品の持つ力を改めて実感した」「読めば読むほど、心から離れなくなる…」といった反響が後を絶たない。

 優しくてやるせなくて、残酷な世界を描いた『結末の国のアトー』。気になる人は、ぜひその重厚な世界観に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。

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