勉強することを楽しむためには…? 今からでも間に合う、入学準備ができる“38のお約束”で新一年生がやる気に!

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公開日:2023/2/15

小学校が100倍楽しくなる 小学生のおやくそく
小学校が100倍楽しくなる 小学生のおやくそく』(沼田晶弘:監修、石塚ワカメ:絵/KADOKAWA)

 保育園や幼稚園は卒園式の準備でバタバタし始め、「いよいよか…」とわずかに残った園生活に思いを巡らせる日々。いやいや、哀愁に浸っている場合ではありません。4月からは小学校が始まります。入学式を迎えるまでに、小学校がどんなところなのか、子どもに話しておかなければ。

 だけど、筆者は年長の息子からの質問「小学校って何をするところ?」にうまく答えられませんでした。小学校ってどんなところ? 何をするところなの? 親のほうが聞きたい!

 そんな時に心強い味方になるのが『小学校が100倍楽しくなる 小学生のおやくそく』(沼田晶弘:監修、石塚ワカメ:絵/KADOKAWA)です。この本は、子どもたちが小学生になったら守ってほしい“38のお約束”が掲載されたもの。

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 監修しているのは、子どものやる気を引き出すカリスマ小学校教諭として知られる、“ぬまっち”こと沼田晶弘さん。イラストいっぱいの読みやすい誌面に、語りかけるような文章。子どもが自分自身で考えられるように、おもしろく、そして分かりやすく、“38のお約束”が紹介されています。

小学生のおやくそく

 最初に出てくるのは「小学生になる きみたちへ」というページ。学校の先生が語りかけてくれるような文章で、子どもは「自分のことなんだ」と自分事として考えることができそうです。年長の息子もシャキッと背筋がまっすぐになっていました。

 小学校がどんなところなのか、筆者にはうまく答えられませんでしたが、ここに書かれていました。たくさんの人が集まっていろいろなことを学ぶ場所。そして、いろいろな人と出会い関わるところ。そしておもしろいところ!

 そんな小学校で大事にしたいルールは「自分のことを 自分でやる」こと。親は“頭では分かっていたけどやっぱりそうなのか…”と不安で心がいっぱいになりますが、息子の目はキラキラとしていて、そうでもない様子。親が心配なだけで、子どもは新しい環境にワクワクと胸を躍らせているのかもしれません。だとしたら、親も一緒にワクワクしながら小学校に送り出してあげたい、と感じました。

 この本はそんな期待感やワクワクを応援してくれる本なので、親の不安もどこかにふっとんでしまうかもしれません。

小学生のおやくそく

 教室ってこんなところ! 授業ってこんな感じ! まずは、視覚に訴えるイラストが子どもの心をつかんでいました。その中で、「授業は45分」という大前提や、「大人になるまでに知ってほしいことを先生が教えてくれる」など授業を受ける理由、そして「自分で考え、勉強のおもしろいところを見つけてみよう」と、子どもたちが授業の中でできることを教えてくれます。

 息子からそのうちに「何のために授業を受けるの?」と聞かれてしどろもどろになりそうな気がしていたので、ここで伝えられてホッとしました。しかも「大人になるまでに知っておきたいことを教えてもらう」だとは。子どもだって、理由が見つからなければ、やる気になるにも無理がありますよね。自分のためだという理由が分かれば、自主的に、積極的に授業を受けてくれるかも。

小学生のおやくそく

 別のページでは、「わからないことは先生や大人に聞こう」「練習あるのみ」「できなかったことができるようになるとうれしいね」など、勉強を楽しむための考え方がボードゲームのようなイラストで紹介されていました。

 うちの息子の話で恐縮ですが、1回試してダメだったらあきらめてしまう傾向があるので、誰でも最初からできる人はいないことや、できるようになったらうれしいことを伝えられてよかったと感じました。「わからない問題=ラスボス」など自分だけでは思い浮かばないような言葉も。これからも勉強で困った時に伝えていきたいと思います。

 また、甘えるのがあまり上手ではない、もしくはコミュニケーションが苦手…などの理由で、分からないことを人に聞かない、聞くのがダメなことだと思っている、というお子さんもいるのではないでしょうか? ただでさえ新しい環境に入っていくのは心配。そんな時に、「聞いてもいいんだよ」というひと言が子どもを後押ししてくれそうです。

小学生のおやくそく

“38のお約束”は、生活のお約束、勉強のお約束、人付き合いのお約束、安全のお約束と4つの項目にわかれていて、安全のお約束の中に出てくるのが、こちらの「あやしい人には近づかない」のページです。

 我が家で親子がともに「これは!」と目を凝らしたページでもあります。ひとりで小学校に行かせることになるんだから親は当然心配。息子のほうはヒーローと悪者の戦いが好きなので「なんだなんだ! 悪そうなのがいっぱいいるじゃないか! いや、良さそうな人もいる…?」と頭をひねらせながら見ていたようす…。

 でも、そこがミソ。あからさまに怪しい人がいる一方で、いい人っぽいけどしつこく話しかけてくるような人も怪しいのだと教えてくれます。怪しい人を見極めた上で、いざとなったら「ほかの大人を呼ぶ」と伝えられていて、周りには助けてくれる大人がいることもちゃんと分かります。「うむ、味方もいるのだな」と息子。親の心配をよそに、やる気になっているのは間違いありません。この本を活用して、このやる気をいい方向に生かしたいものです。

“38のお約束”が守れたら小学校はもっと楽しい!

“38のお約束”は、頑張ったらできるかもしれない…できるようになったらうれしい…という、多過ぎず少な過ぎず、守れそうな数であることもポイントだなと感じました。

どうやったらお約束を守れるのか、こういう時にどうしたらいいのかを、まずは親子で一緒に読んで話し合ってみませんか? 「お約束が守れるようになると、小学校生活がより楽しく、かけがえのないものになるはずです」とぬまっち先生が背中を押してくれます。

文=吉田あき

■書誌情報
『小学校が100倍楽しくなる 小学生のおやくそく』KADOKAWA
https://yomeruba.com/product/other/322206000460.html

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