人間を猫に変えるウイルスで人類はほぼ絶滅。押し寄せる可愛すぎる猫を前に、生き残った人々はどう切り抜けるのか?

マンガ

公開日:2023/7/14

ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット
ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』(ホークマン:原作、メカルーツ:作画/マッグガーデン)

 もし、この世界が猫に支配されてしまったら……あれ、意外とありかも? 衝撃のキャットフルホラー『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』(ホークマン:原作、メカルーツ:作画/マッグガーデン)。待望の最新刊4巻が7月10日に発売された。

 人間を猫に変えてしまうN・Nウイルスにより、パンデミックが発生した世界。猫にモフられた(触れられた)人間が次々と猫になっていく未曾有の事態に。しかし可愛すぎる猫を前になすすべもない人間たち。国の中枢ではトップたちが緊急会議を開くものの、

「人類は猫に引き金を引けない」

 と、はなから勝負を捨てた宣言。結果、たった数ヶ月で人類はほぼ滅亡してしまった。ライフラインは停止、経済は崩壊。行政も潰えたこの世界で、残されたわずかな人間たちは「野良」として生きるしかなくなった。

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ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット 2巻12ページ

 混沌とした世界の中、猫になった仲間たちを取り戻そうと奮闘するのが、主人公のクナギ。大の猫好きであるクナギは、向かってくる猫に対しても決して傷つけず、驚かせず、あくまで優しく追い払う。やたら猫に気を使うせいで毎度ピンチに陥っているが、猫が可愛いんだから仕方ない。

ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット 1巻34ページ

 そんな猫をこよなく愛するクナギだが、じつは猫の知識以外何も知らない。記憶喪失なのだ。パンデミックが起きる前、ボロボロの状態で倒れているところを女子高生のカオルに拾われ、そのままカオルと兄が経営する猫カフェで働くことに。彼が何者なのかはいまだ多くの謎に包まれている。

 とある猫食品製造会社の爆発事故が関連していると思われるが、果たして……?

 猫の猛襲をかいくぐりながらサバイバルを続けるクナギとカオルだったが、3巻では生存者たちが集うコミューン「ヴェンデルシュタイン」にたどり着く。そこでは主である「グランマ」を中心に、50人ほどの生存者が暮らしており、猫の侵入を防ぎながら日々過ごしていた。

 束の間の安息かと思われたが、事態はすぐに急転。大型ショッピングモールに探索に出たチームと連絡がつかなくなったのだ。コミューンの仲間であるアラタと共に、救助に向かうことになったクナギとカオル。

 その頃大型ショッピングモールでは、案の定、メンバーが猫の猛襲に遭っていた。3人のうち一人はすでに猫に。絶体絶命の状況の中、同じモール内の本屋に一匹の猫がいた。悠然と読書を楽しむその姿は、明らかにほかの猫とは違う。一体この猫の正体は!? ……というのが3巻までのストーリー。

ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット 3巻115ページ

 最新刊4巻では、猫の正体が明らかになる。この怪しげな猫は「デボンレックス」という猫種。じつはこの猫、人の文字も言葉も歴史も、そして今この世界に何が起きているかもはっきり理解している、スーパー天才猫なのだ。

 駆けつけたクナギたちをメンバーのもとに案内するデボンレックスだが、その目的は定かではない。ようやく現れた救世主なのか、それとも…!?

 絶対に猫を傷つけない激しいバトルに加え、猫をお迎えするためのハウツーも満載の4巻。猫を見つめるのと同じ眼差しで、クナギたちの戦いも優しく見守りたいと思う。

文=中村未来

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