1億円稼いでいる人は何をしているの? 貯金よりも大切な「フロー思考」で、お金の出入りに注目してお金を稼ぐ方法とは

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更新日:2023/9/27

誰でもできるけど、みんな気づいていない!1億円稼いでいる人は何をしているのか?
誰でもできるけど、みんな気づいていない!1億円稼いでいる人は何をしているのか?』(新井一/総合法令出版)

 物価高、円安を迎え、私たちの資産は、ただ銀行に預けているだけで目減りする時代になってしまった。頭を抱えてしまうが、国が全てを解決する魔法を出してくれない限り、節約して切り詰めるか、自分たちで資産を増やすしかない。

 そんな時、本屋で見つけたのが誰でもできるけど、みんな気づいていない!1億円稼いでいる人は何をしているのか?』(新井一/総合法令出版)である。起業支援の専門家である著者が、1億円を稼ぐ人たちが何をしているのか、どうしたら1億円を稼ぎ出せるのかを書いた本である。

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貯金がなくても大丈夫? フローの考え方

 この本の大前提が「フロー思考」という考え方だ。

 フロー思考とは、預貯金の残高を見るのではなく、お金の流れ(出と入り)を見る考え方です。

 フロー思考に対し、ひたすら貯金しようと考えるのは「ストック思考」。日本人はこの考え方に陥りがちである。たとえ貯金がどれだけあったとしても、ただ使うだけなら目減りしていく。しかし、たとえ貯金がゼロでも、毎月給料に加えて5万円、副業で入ってくるとしたらどうだろうか。総額はこちらのほうが少ないのに、貯金を切り崩すより、ずいぶん楽な気持ちでいられるはずだ。

 大切なのは、お金の流れを切らさないことである。お金持ちというのは、大抵、収入の柱が何本もあり、その流れの金額がとても大きい。だから、1つのことがダメになったとしても、すぐ次のことが始められる。その繰り返しでお金持ちになっていくのだ。

リスクは少なく!小さな一歩から始める

 といっても、ビルを1棟買い不動産投資を行う、長期で優良株を保有して配当金での生活を目指すなどは、潤沢な元手がないと無理であろう。または借入金という手もあるが……大勝負に出ることは多大なリスクを負う。それが怖いから、我々は(現時点で)1億円を稼げていないのである。

 確かに、お金持ちになる方法は色々ある。しかし「そうだよね。でも、できないよ。よくわかんないし。自信ないわ」と思ってしまうのが我々一般市民なのである。起業家は「だからあなたはお金持ちになれない」「借金を怖がるのは貧乏人であり、良い借金をすれば良い」「リスクを恐れては何もできない」と言うだろう。

 だって、怖いものは怖いのである。著者も、資金調達をすることの大切さなど、頭でわかっていても怖くてできなかったそうだ。

唯一できたことが、「小さなフローをひとつずつ増やすこと」でした。

 まず、小さなことから始めて収入の柱を作ってみる。そして、うまくいく(お金が流れる)ようになったら、自分がやらなくてもお金が入ってくる仕組みを作る。それから、徐々に大きくしていく。このある意味シンプルな流れを、トライアンドエラーで繰り返すのが、「フロー思考」でお金を稼ぐステップである。

 具体的に何をすればいいのか、お金の流れを止めないようにするにはどうすべきかといったことは、本の中に丁寧に書いてあるので安心してほしい。まず、リスクを負わずに、気軽に始めてみる。これが、1億円稼ぐ人への第一歩である。

1億円稼げなくても生活を楽にすることはできるから

 起業して社長に! 株やFXで億を稼ぐ! などは、素晴らしい志だが、時にプレッシャーに押しつぶされそうになるだろう。1億円もらえたらそれは欲しい。しかし、大抵の人は「今より生活が楽になれば嬉しい」「将来の敷衍を減らしたい」といった希望のほうが身近で切実なのではないだろうか。

 だから、気楽に。気軽に、「手始めにやってみる」くらいでちょうど良いだろう。たとえうまくいかなくても、また始めるだけだ。もしかしたら、自分ができることを増やしていくと考えておけば良いのかもしれない。それはきっと、楽しいことのはずだ。

文=宇野なおみ

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