楽しいオノマトペに1歳児も夢中！ 世界中で大人気のおもちゃ「キリンのソフィー」からファーストブックが誕生

　きっとこれから、この絵本と一緒に成長していくのだろう。ページをめくるたびに目の前に広がる、四季の彩り。その景色に目を輝かせる我が子の姿をみながら、ふと、そんなことを思った。

「ずっとそばに置いて、何度も読んであげたい」——そう思わされた本が『キリンのソフィー　はじめてのおさんぽ』（文・絵：とねさとえ（刀根里衣）、監修：SOPHIE LA GIRAFE S.A.S.、監修協力：株式会社ティニースプーン/KADOKAWA）。フランス発祥のファーストトイ「キリンのソフィー」から生まれた絵本だ。

「キリンのソフィー」は1961年に誕生してからというもの、その愛くるしい見た目や握りやすい大きさ、形、柔らかさ、押すとキューキューとなる音で多くの赤ちゃんを魅了し、フランスでは「フランス人はソフィーと一緒に育つ」とさえ言われるほど。今では世界中で人気があり、日本でも出産祝いの定番として知られている。

advertisement

　その「キリンのソフィー」が登場する0・1歳向けの絵本が本書だ。文・絵を手掛けたのは、イタリアを拠点に活躍している絵本作家・とねさとえ（刀根里衣）さん。ソフィーと一緒に、「はじめてのおさんぽ」に出かければ、そこには、たくさんの出会いが待っている。

　実際に1歳になったばかりの子どもと一緒に絵本を読んでみると、子どもは、興味津々。色彩豊かであるせいだろうか。本当によく反応してくれる。ふわふわとした毛並みを感じさせるソフィーの絵を触ってみたり、「これは何？」と問うかのように、ページのあちこちを指差してみたり。

にょき　にょき　ぴょこん
なにかな　なにかな？

おはな　ひらひら
はるだね、ソフィー。

　春は、おはな。夏は、おさかな。秋は、おちば。冬は、ゆき。そして……。この本では、ソフィーが四季折々の自然と出会う感動が描き出されていて、本当に美しい。目の前に広がる景色に思わず、うっとり。ページをめくるだけで、親もふと癒されてしまう。

「にょき　にょき　ぴょこん」「ひらひら」などのオノマトペが面白いのか、文を読んであげると、子どももキャッキャと笑う。季節ごとの「はるだね、ソフィー」という呼びかけを、子どもの名前に変えて呼びかけてあげてもいいかもしれない。「おはな、きれいだね」「ハチさんが飛んでいるね」「ソフィー、うれしそうだね」……。子どもが楽しそうにしてくれると、親はもっともっと読んであげたくなるし、ついたくさん話しかけてしまう。

　巻末には、写真を貼ったり、メッセージを書きこんだりできる〈Birth Memory〉のページも。誕生記念のメモリアルアイテムにもなるから、「キリンのソフィー」のオモチャと一緒に「出産祝い」としてプレゼントするのも喜ばれそうだ。オモチャと一緒に読み聞かせれば、子どもの想像力がさらに刺激されることだろう。

「キリンのソフィー」のオモチャが赤ちゃんにはたまらなく魅力的にできているように、この絵本もあっという間に赤ちゃんを虜にしてしまう。それは、親だって、同じだ。読んでいると、何だか温かい気持ちになる。優しい気持ちで満たされていく。ああ、この本を持って、子どもと一緒におさんぽに出かけたい。四季がみせる様々な姿を見つけては「あ、絵本と同じだね」と話しかけたい。子どもも大人も笑顔になれるこの絵本は、ファーストブックの新定番。親子の時間をますます充実させてくれるに違いない1冊だ。

文＝アサトーミナミ

◆書誌情報『キリンのソフィー　はじめてのおさんぽ』（KADOKAWA）
https://yomeruba.com/product/ehon/322304001393.html