SNSの意見が“自分の考え”になっていませんか? ベストセラー作家がSNS全盛時代に贈る『働く君に伝えたい 「考える」の始め方』

暮らし

公開日:2023/10/18

働く君に伝えたい 「考える」の始め方
働く君に伝えたい 「考える」の始め方』(出口治明/ポプラ社)

「言われたことをその通りに行う人」ではなく、「自分の頭で考えられる人」が求められる今の時代……。“自分の考え”をきちんと持ち、異なる考えを持つ人たちと議論できる人は果たしてどのくらいいるのだろうか。そうした時代を賢く生き抜くためのバイブルとしてご紹介したいのが、2023年10月4日(水)に発売された『働く君に伝えたい 「考える」の始め方』だ。

 同書の著者は、グローバル教育を推進している「立命館アジア太平洋大学」の学長・出口治明氏。これまでにも数多くの本を執筆している。

 そんな出口氏が『働く君に伝えたい 「考える」の始め方』で主張するのは、“思考力の大切さ”だ。SNS全盛である今の時代は、知り得なかった意見や考えに触れることができる反面、自分の意見を持ちづらくなる弱点があるという。

advertisement

 たとえば、インターネット上からAさんとBさんの意見を取得したとしよう。その場合、それを自分のなかで混ぜ込み、あたかも自分の考えであるかのような錯覚に陥ることもあるそうだ。そこで同書では、改めて「考える」ことの大切さを説いている。

 一方で、なぜ「考える」ことが大事なのかと疑問に思う人もいるだろう。その答えの一つとして出口氏は、考える力を身につけることで“ポジティブになれる”というメリットを挙げている。

 少子高齢化やGDPの低迷など、ニュースやSNSにはネガティブな情報が満載だ。しかしそれらを見て「日本はもうだめだ」と嘆くのではなく、海外の事例などを集め、組み立て、さらには実現するための行動に移していけば悲観する必要はないと出口氏は語る。ネガティブな情報を放置せず、ポジティブに変換するために「考える」ことが必要になってくるのだろう。

 とはいえ、いきなり「考える力」を身に着けろと言われても、そう簡単な話ではない。そこで同書では「『考える』の始め方」をテーマに掲げ、実例を用いながら全6講にわたって「考える力」を伝授していく。

 実際に手に取った人からは、「新時代を生きる多くの人が抱えている弱点を克服するには、うってつけの一冊!」「他者の考えが自分の意見になってしまいがちな今の時代、知識や情報をしっかりと反芻した上で考えることが大切なのだと学びました」「“自分の意見”とは何なのか、改めて考えさせられた…」などと好評の声が相次いでいるようだ。

 これから社会に出る人はもちろん、SNSを頻繁に利用するミドル層にもピッタリな同書。「考える力」を養って、新時代を有利に生きていこう。

あわせて読みたい