確かに、明日死ぬかもしれないので、その前にこの1冊

小説・エッセイ

更新日:2013/2/25

あした死ぬかもよ? ― 人生最後の日に笑って死ねる27の質問

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : ディスカバー・トゥエンティワン
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:ひすいこたろう 価格:1,036円

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「今日は、新しいあなたになるのにふさわしい日です」という、たった一行だけを記した1ページ目で始まる本書。なにしろ読みやすさにかけては抜群です。仏教の世界観に基づいて、「死」から今生きている「生」を見直そうという本書。口語体のざっくばらんなタイトルも成功していると言えます。

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確かに明日死ぬかもしれないのですが、私たちは自分は死なないと思って生きていると。生まれたら必ず死ぬということ、それは明日かもしれないということさえ認識できれば、今を精一杯生きられると著者は主張します。とはいえ。読むだけでそんな気持ちになれたらこれほど悩まないのに。と思う読者も多いかもしれません。その疑問と「無理だよ感」を本書は質問形式を取ってゆくことで段々と説得してゆく。

文章が簡単なのであっという間に読めてしまいますが、一日一質問を読み、その一日その答えを探ってゆくというような作業がおすすめです。ライトなタッチの表紙や文体とはいえ、それぞれの質問は示唆に富んでいます。「人生最後の日、なにに泣きたいほど後悔するだろう?」「あなたでないとできないことって、どんなことですか?」「死後、あなたは、誰の記憶に残るだろう?」などなど。時間をかければかけるほど、味わい深いです。

著者のブログ「3秒でハッピーになる名言セラピー」情報が出てきて、ネットで検索すべく同じスマホでささっと作業できるのも、電子書籍の魅力。きれいな写真や過去の名言の人物の生き様を見つけてみたり。スマホの中に入れておいて、ダメそうなときにそっと開いてみる。ルーティーンの中の清涼剤の役割を十分に果たしてくれる1冊です。おすすめ!


「死ぬのはいつも他人ばかり」。言い得て妙

各所に演出豊富な本書。死をより体感させるために

美しい写真と名言のページもスパイスになって

仏教思想も時々紹介しながら