サッと食べたい時やダイエット中にもピッタリ。ありもの食材とカンタン調理でできる小鍋レシピ

暮らし

公開日:2023/12/11

ほっこり小鍋
ほっこり小鍋』(重信初江/池田書店)

 外出前の朝食、時間がない日の昼ごはん、遅く帰ってきて早く食べたい日の晩ごはんに、鍋に適当な材料を放り込むだけで完成する鍋料理はとても重宝する。野菜やタンパク質をしっかり摂れて体を温めてくれるため、体調を崩しやすいこれからの季節に欠かせない料理といっても過言ではない。また、冷蔵庫の整理メニューとしても優秀で、筆者も鍋料理には年中お世話になっている。

 しかし我流で作っていると、どうしても似たようなものになってしまいがちなのもまた事実。『ほっこり小鍋』(重信初江/池田書店)は、そんなマンネリ化しがちな鍋料理をお手軽に充実させられるレシピを集めた本だ。各レシピには、「10分で完成」「ほったらかし」「包丁いらず」「具材2つ」など手間をかけたくない人に嬉しい特徴がチェックボックス形式で明記されていて、お手軽さが自分の状況に合わせて選びやすい。さらに「豚」「鶏」「魚介」などメイン食材ごとに分けられており、「家にある食材を活用したい」という人にもぴったりだ。

 筆者も気がつけば似たような鍋ばかり作っているので、レパートリーを増やすべく実際にいくつか作ってみることにした。

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「レタスと豚肉の梅干し鍋」(P.12~P.13)

ほっこり小鍋

 まずは「レタスと豚肉の梅干し鍋」。鍋にだし汁、みりん、醤油、塩、大きくちぎった梅を入れて火にかける。煮立ったら大きめにちぎったレタス、豚しゃぶしゃぶ用肉を入れ、火が通ったら完成だ。

 みりんの柔らかな甘さを内包した醤油ベースのだし汁に豚肉のうまみが溶け、絶妙なバランスに。梅の程よい酸味が後味をスッキリとさせてくれるので、ボリュームがありながらスッと体に入ってくる。夜食など、夜遅くの食事にもぴったりの一品だ。梅もレタスもちぎるだけなので、包丁いらずで洗いものがラクなのも嬉しい。

「みそバタ白菜鍋」(P.54~P.55)

ほっこり小鍋

 続いて「みそバタ白菜鍋」。まずは鍋に味噌、みりん、水を入れて火にかける。煮立ったらバター、豚しゃぶしゃぶ用肉、繊維を断つように薄切りにした白菜を入れ、火が通れば完成だ。食べる際に、好みで七味唐辛子をふる。

 味噌の奥深い味わいとバターの芳醇なコク、みりんと白菜から出るやさしい甘さに豚肉の出汁が加わることで、味噌ラーメンを食べているかのような満足感が得られる。白菜と豚肉は鍋の定番食材だが、こんな使い方があったのかと驚いた。白菜を薄切りにしていることで火の通りが早く、短時間で柔らかく仕上がるのも魅力。

「わけぎと油揚げの卵とじ鍋」(P.96~P.97)

ほっこり小鍋

 最後は「わけぎと油揚げの卵とじ鍋」。鍋に白だしと水を入れて火にかけ、煮立ったら余分な油をふき取って切った油揚げを加える。弱火で1~2分煮たら、斜め切りにしたわけぎ、溶いた卵を加えて完成。

 材料が油揚げとわけぎと卵のみ、しかも味つけも白だしだけと、鍋の概念を覆すシンプルさ。だが、白だしの完成された味わいに油揚げの出汁が合わさり、一口食べると味のレベルの高さに驚く。たっぷり入れているわけぎのシャキシャキした歯ざわり、卵のふわっと滑らかな食感もいいアクセントになっている。「何となく何か少しだけ食べたい」という日にもってこい。

 どの鍋も、お手軽かつ少ない材料で作れ、野菜もたっぷり摂れていいこと尽くし。筆者は現在ダイエット中なのだが、鍋はヘルシーで不足しがちな栄養をしっかり補えるため、忙しい日々の中で頑張るダイエッターさんにも積極的に活用してほしいと感じた。鍋料理のレパートリーをもっと増やしたい、寒い冬をあたたかくおいしい料理で乗り切りたい、健康に配慮した食生活を送りたい、という人は、本書を参考に鍋料理を取り入れてみては?

文=月乃雫

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