料理も家事も完璧なかわいいおこじょさんが作る、健康的で超簡単なおいしいおうちごはん!

マンガ

公開日:2024/1/17

おこじょさんと家飲み家ご飯
おこじょさんと家飲み家ご飯』(ヤゼ/KADOKAWA)

 一人暮らしをしていると、どうしても家事を後回しにしてしまいがち。特に忙しいと、洗濯は数日に一度、出したものは「今度でいいや」と出しっぱなし、食材も、料理をしようと買ってはくるものの、放置して気づけば賞味期限が切れている。帰宅したら家事がすべて終わっていて、おいしい料理が完成していればいいのに……。

おこじょさんと家飲み家ご飯』(ヤゼ/KADOKAWA)は、そんな夢を具現化したようなグルメ漫画。お母さん並みに世話を焼いてくれる喋れるおこじょさんと、社会人として仕事を頑張る主人公・優一郎との同居生活を描いている。

 おこじょさんは、喋れること以外は一見普通のおこじょ。しかし、朝から優一郎を起こして出かける準備を手伝い、お手製弁当を渡してお見送り。さらに家事全般をそつなくこなし、体を気遣った食事で疲れた優一郎を癒してくれる。しかも、おこじょさんが優一郎の体調を気遣って作るご飯は、どれも簡単かつ健康的でとってもおいしそうなのだ。

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疲れが取れない日はコレ!しっとり仕上がる「簡単茹で鶏」(P.12)

 例えば、第1話に登場する「簡単茹で鶏」。「最近なんか疲れが取れない気がする……」と言いながら出かけていった優一郎のためにと、さっそく疲労回復効果が期待できる鶏むね肉で「簡単茹で鶏」を作っていく。

 鶏むね肉は、低カロリー低脂質で高タンパク質、しかもお財布にも優しい家計の味方。しかし扱い方を間違うとパサパサ食感になってしまうため、苦手意識を抱いている人も少なくない。でも、そんな鶏むね肉もおこじょさんの手にかかればしっとり柔らか! 観音開きにして砂糖を揉みこむなど、必要な部分にはちゃんとひと手間かけている。なんて優秀なおこじょなんだ……!

 そして沸騰したお湯に鶏むね肉とネギの青い部分、生姜を入れて3分ほど加熱し、火を止めてお湯が冷めるまで放置。あとは食べたい分を切り分け、わさび醤油やポン酢、ごまドレッシングなどをかけて完成!

簡単茹で鶏

 筆者もおこじょさんに倣って作ってみたが、調理に携わる時間はほんの僅かであるにもかかわらず、柔らかくジューシーでおいしい茹で鶏に仕上がっていた。ちなみに味つけは、一緒に茹でたネギの青い部分と生姜をみじん切りにし、ポン酢と混ぜたものを使用。こうすることで無駄が出ず、おいしくなって一石二鳥!

おこじょさんの好物のチーズたっぷり!「鯖缶チーズ焼き」(P.44)

 そして時には、優一郎への思いやりに加えておこじょさんの欲望がプラスされた料理も登場する。おこじょさんはチーズが大好物で、チーズを使った料理を作っているときはよりハイテンションでワクワク度高めのように見える。「鯖缶チーズ焼き」も、そのチーズ入り料理の一つ。

 これも作り方はとっても簡単で、耐熱皿に鯖缶をほぐし入れ、そこに柚子コショウと醤油を少し加えて混ぜ、最後にチーズをのせてオーブンで焼くだけ。おこじょさんいわく、「贅沢気分の時は(チーズを)2枚使います!」とのことなので、2枚で作ってみた。

鯖缶チーズ焼き」

 チーズをのせることで、鯖缶の水分が飛ぶことなく身がしっとりふっくらに。柚子コショウの爽やかな風味、醤油の香ばしさが鯖缶特有の臭みを消してくれるため、クセもなく非常に食べやすかった。フライパンも包丁もまな板も必要なく、洗い物を増やしたくないときにもぴったり。これから鯖缶の消費が捗りそうだ。

 また、チーズのほか、おこじょさんはお酒も大好き。優一郎が「日本酒の飲み方を知りたい」と言えば、お酒が好きで日本酒が気になるけどわからない人向けのアドバイスを主観とぶっちゃけを交えつつ力説。飲み方やうんちくは気にしなくていいとしつつ、選び方のポイントやコツはしっかり押さえた説明を披露してくれる。

 こうしていつも明るく元気で有能なおこじょさんだが、おこじょらしく暑いのが苦手だったり、たまに発言が身も蓋もなかったり、ちょっとポンコツな一面もあり、そこがまたクセになってしまう。おこじょさんが引っ越すためのお金を工面し、家事を教えてくれたらしいおばあちゃんの存在も気になるところ。また、最後には、優一郎とおこじょさんの出会いの物語も描かれる。一人と一匹はどのように知り合い、なぜ同居することになったのか――。

 本書の簡単家ご飯とお酒を片手に、彼らの暮らしぶりや料理、ハイテンションなおこじょさんに引き続き注目していきたい。

調理、文=月乃雫

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