実家の没落を防ぐため、ヒロインと悪役王子の婚約破棄を阻止せよ! モブ令嬢メイドが奔走する、異世界ファンタジーラブコメ

マンガ

PR公開日:2024/1/21

当て馬王子の侍女に転生!?よし、ヒロインと婚約破棄なんてさせません!~モブ令嬢のはずなのに、なんだか周囲が派手なんですが?~
当て馬王子の侍女に転生!?よし、ヒロインと婚約破棄なんてさせません!~モブ令嬢のはずなのに、なんだか周囲が派手なんですが?~』(田丸こーじ:漫画、千早朔:原作、風華弓弦:構成/DPNブックス)

 一見冷たく不愛想な人でも、心の底から冷たいとは限らないし、何か心を閉ざしてしまった事情がある可能性も捨てきれない。もしもそうした、普通の人が「関わらないようにしよう」「面倒そうだな」と見ないフリをしている部分と向き合い、傷口を癒すことができたなら、きっと強固な信頼関係が築かれることだろう。しかしときに、それを無自覚にやってしまうパターンも――。

当て馬王子の侍女に転生!?よし、ヒロインと婚約破棄なんてさせません!~モブ令嬢のはずなのに、なんだか周囲が派手なんですが?~』(田丸こーじ:漫画、千早朔:原作、風華弓弦:構成/DPNブックス)は、乙女ゲーム世界に転生した元OLのモブ令嬢と、当て馬王子の物語。

本作品を試し読み

advertisement

 本作は、行儀見習いとして王城で侍女をしている地方の貧乏伯爵令嬢ティナ・ハローズが、転んだ拍子に前世の記憶を取り戻すところから始まる。ティナは前世では、日本でブラック企業に勤めているOLだった。しかし駅で階段から落ち、今の世界に転生してしまったのだ。そして記憶が戻ったことで、ここが自身のプレイしていた乙女ゲーム「不遇令嬢は恋に咲く」の世界で、自分は名前すら出てこないモブ令嬢だと知る。

当て馬王子の侍女に転生!?よし、ヒロインと婚約破棄なんてさせません!~モブ令嬢のはずなのに、なんだか周囲が派手なんですが?~

 ティナが今仕えているのは、国中の誰もが知るワガママで横暴な悪役王子ヴィセルフ・ノーティス。乙女ゲームでは、主人公で婚約者の公爵令嬢エラ・ブライトンを毛嫌いし、難癖をつけて婚約破棄。その後主人公が力を開花させたことで、貴重な力を持つ者を追放したとして投獄され破滅の道をたどる。ゲームにおいて彼は、返り討ちを受ける当て馬王子なのだ。

当て馬王子の侍女に転生!?よし、ヒロインと婚約破棄なんてさせません!~モブ令嬢のはずなのに、なんだか周囲が派手なんですが?~

 ティナの実家は、辺境にある貧乏な伯爵家。ヴィセルフのせいで国が廃れれば、実家も没落一直線。そこで、バッドエンドを阻止すべく、ふたりが婚約破棄する未来を変えようと奔走する。意地でもパーティーへの出席を拒否するヴィセルフをどうにかパーティー会場へ向かわせ、彼がお茶会でエラを放置すれば、珍しいお菓子を出して彼女をおもてなしする。そうやってどうにかふたりの仲を取り持とうとしていたのだが。気がつけばヴィセルフの服に花を飾る役に任命され、信頼のおける侍女にのみ任せられる「目覚めの紅茶(アーリーモーニングティー)」を提供する役も彼から命じられて――!? おまけに、なぜかエラにまでいたく気に入られてしまったのだった。

当て馬王子の侍女に転生!?よし、ヒロインと婚約破棄なんてさせません!~モブ令嬢のはずなのに、なんだか周囲が派手なんですが?~

 ティナにとっては、自身が気に入られようなんて計算は一切なく、ただ実家を守るため、ヴィセルフに喜んでもらうためとやったことだった。しかしその下心のなさが彼の心の壁を壊し、彼を虜にしていった。彼に近づくのは、いつも王家に取り入ろうとする者や暗殺を目論む者ばかりだったのだ。そのせいで人間不信に陥り、誰にも心を開けず、陰でワガママかつ横暴な王子だと言われてきたヴィセルフは、これまでどれだけ孤独な日々を過ごしていたのだろう? 考えるだけで胸が苦しくなる。

当て馬王子の侍女に転生!?よし、ヒロインと婚約破棄なんてさせません!~モブ令嬢のはずなのに、なんだか周囲が派手なんですが?~

 さまざまな理由で別の思惑があって近づいてくる人間というのは、言い寄られる側にとっては案外分かるもの。相手も人である以上、そういう関係が生じるのはある意味自然なことで、なにも本人を傷つける意図があるとは限らない。むしろどちらかと言うと、眼中にないことの方が多いだろう。それでも、そうした人間ばかりに囲まれていては心も歪んで当然だ。ヴィセルフにとって、そうではないティナはとても輝いて見えたことだろう。

 モブ令嬢でメイド(侍女)という立場でありながら、王城でさまざまな活躍を見せてくれるティナ。物語が進むにつれて、ヴィセルフやエラからの好感度もうなぎ登りに上がっていく。

当て馬王子の侍女に転生!?よし、ヒロインと婚約破棄なんてさせません!~モブ令嬢のはずなのに、なんだか周囲が派手なんですが?~

 きっとここから先も、ハプニングやアクシデントを乗り越え、たくましくヴィセルフを支えてくれることだろう。ふたりの関係がどうなっていくのかにも注目だ。モブ令嬢ティナの活躍を、今後も引き続き見守っていきたい。

文=月乃雫

あわせて読みたい