本、をテーマにした古参小説登場!
公開日:2013/3/25
『R.O.D』です。言わずもがなかもしれませんが、あの『READ OR DIE』です。最近ですと、ビブリア古書堂の事件手帖とかちょっと前だと文学少女シリーズとか。まあ、本や小説をテーマにした作品はありますが、こちらは第1巻の発売が2000年ですから、一番先ですね。
物語の骨格は、紙使いというその名の通り紙を自在に操る能力を持った読子・リードマンが作家の菫川ねねねと事件を解決していくのですが、後発の作品と大きく違うのはその能力からもわかるように、純粋にバトルです。紙が刺さり、紙で作られたビルが崩れ、ととにかくアクションが絵として映えるように出来ています。
「本が好き」な結果、食べちゃうくらいに好きだと文学少女シリーズの遠子先輩になって、紙を自在に操れるとR.O.Dの読子先生になるのかな、と。
じゃあ、この作品は別の流れなの? と思わないでくださいね。実はこれらの作品って、とてもおもしろい特徴があるんですよ。
ライトノベルで女性主人公はふつうウケません。でも、『R.O.D』って女の子ばっかりなんですよね。2003年にはTHE TVとして全26話放送されましたが、こちら主人公が香港から来た探偵に変わっても、やっぱり三姉妹探偵でして。女の子ばっか。
文学少女が井上くんの視点を使って天野遠子先輩という非日常を書いているのだと解釈すれば、こちらも同じく女性の話ですよね。どうしてなのかはわかりませんが、小説、というか文学と女の子は親和性が高いのかな、と思った次第ですよ。
少々古い作品ではありますが、小説(それも具体的な作品)を題材にして事件を起こし、その構図の中で本好きであった結果授けられた能力で解決する。という図式(身もふたもない言い方をするとパターン)をライトノベルに落とし込んだ作品です。
口絵より。読子とねねねです。男の影一切なし
冒頭の取引に使われるのはビブリオマニアの話
読子が、ザ・ペーパーといわれる能力がこれ
やや古典的な文体ですが、説明はこんな感じです
ねねね先生は締め切り前に図書館に籠もります
(C)倉田英之/集英社