単なる入門書でないところがひと捻りでありまして…
更新日:2011/9/6
落語文庫 (1) 松の巻
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : 講談社 |
ジャンル:趣味・実用・カルチャー | 購入元:eBookJapan |
著者名:講談社[編] | 価格:432円 |
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本書では、江戸時代から明治時代に作られた落語演目、古典落語が、小説形式ではなく、落語家が演芸場で語るようなシナリオ形式で記されている。
収録作品は、初代三笑亭可楽が出版した「江戸自慢」の一遍「春の花むこ」がもととなる「松竹梅」。
経済的なネタを面白く聞かせる「花見酒」。
江戸では六代目春風亭柳橋が、上方では二代目桂ざこばなど上方、江戸双方で口演されているお噺「天災」。
禅僧から落語家になったという二代目林家正蔵が、幕末の嘉永年間に作ったと噂される噺「こんにゃく問答」。
しわい屋という吝嗇家、つまりケチな人間がネタのお噺「しわい屋」。
家主が法華宗の熱心な信者で、法華宗の者しか長屋に住まわせない。そんな長屋で宗教的なトラブルが起きる噺「法華長屋」。
上方では「碁打盗人」と呼ばれ、現在では主に東京で演じられるというお噺「碁どろ」。
安永四年に出版された笑話本「和漢咄会」の一遍である「日待」をもとにした噺「寝床」。
村人全員が「うそつき」という奇想天外な設定のお噺「うそつき村」。
そんなお噺が収録されている。
このシリーズ、全部で18巻まであるのは驚きであり、古典落語の貴重な資料ともいえるだろう。
著者の名義は講談社。そもそも講談とは、演者が高座におかれた釈台と呼ばれる小さな机の前に座り、張り扇でそれを叩いて調子を取りつつ、軍記物や政談など主に歴史にちなんだ読み物を口演する伝統芸能である。
そういうこともあって、やはり落語とは縁があるんでしょうねえ…。今回はこんなところで…。
目次
当然「マクラ」から入る
ト書きはない。登場人物の台詞と落語家の地の語りのみ
台詞の口調は過去の演者の芝居に準拠したと思われる。台詞回しは演じる落語家のオリジナル性が反映されるのである
躍動感ある台詞回しは読んでも面白い (C)講談社