経理人必読! 参謀としてのCFO(最高財務責任者)の将来性・重要性を力説した1冊

更新日:2011/9/5

世界のビジネスを変えた最強の経営参謀

ハード : iPad 発売元 : ZEIMU KEIRI KYOKAI CO.
ジャンル: 購入元:AppStore
著者名: 価格:1,300円

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公認会計士である著者が、「グーグル」「ソフトバンク」「ディズニー」「日産自動車」「エンロン」などの実例を交えながら、1人でも多くの若い人にCFOという職業に興味を持ってもらい、簿記や会計を勉強してもらうことを目的に書かれているのが、本書です。
  
ユニークなのは、15世紀末の簿記の記述の源流から、複式簿記の8要素(資産の増加・減少、負債の増加・減少、資本の増加・減少、収益の発生、費用の発生)、企業会計原則などをサラッと書くことで、会計を小難しくなく伝えることに成功しているところです。

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勉強する人向けの経理や簿記、会計の多くの本に比べて、興味がなくてもわかることに重点をおき、広く分かりやすくを全編にわたって実現していることは、著者の想いと努力の成果だと思います。
  
さて本書はCFOを経営参謀と位置づけて終始展開していますので、参謀の解釈によっては違和感をお持ちの方もいるかもしれません。しかし現代、そしてこれからの企業経営において、会計や財務との接点がない戦略立案がありえないことは、少し考えるとおわかりでしょう。そう、CFOは間違いなく、重要性が高まっていく経営者なのです。
  
経営は社長、もしくはトップが1人で行っているのではありません。財務の専門家、人事の専門家、技術の専門家、マーケティングの専門家などが経営チームとして集い、企業を動かしていく時代になっているのです。経理や会計に携わっている人は、そういう時代の流れを読みながら、組織の中で必要とされるスキルを見につけていく必要があると、ふとけんは心から感じています。経理の伝票入力や会計処理は、外資系企業の多くがそうしているように地方や海外でのアウトソーシング先に依頼する時代なのです。
  
さて証券アナリストの勉強をした後にビジネススクールで学んだふとけんが一番興味深く読んだ部分は、CFO、すなわち経営参謀に求められる知識と才能は、3つの資質に集約されるという箇所で、
  
①会計・財務等に関する専門知識
  
②経営のセンス
  
③高度な人間性
  
が挙げられています。ここ数年は営業や技術出身だけでなく、財務・管理畑出身の社長も増えてきています。経理・会計業務に携わっていて、将来的にビジネスパートナーを目指す方は、自分にハッパをかける意味でも、ぜひ一度、本書の読破をお勧めします。
  
「会計の学習ほど効率のいい投資はない」という著者の言葉が、腹に落ちるのではないでしょうか。

最近ふとけんがよく使う機能ベスト3は、①目次(下段の右から2つ目のアイコン)、②本文内検索(上段の右から3つ目のアイコン)、③栞(下段の左から2つ目のアイコン)です。皆さんも機能をうまく活用した読書を!

本書の内容は、「経営」「参謀」「財務」「会計」という点でやや専門的です。ふとけんから見ると、著者は専門知識のない人にも読めるように、相当わかりやすく書いていますが、検索機能を使って文脈の前後関係から踏み込んで理解できると言うことなし!