え、これ色鉛筆だけで描いたの!?  色鉛筆画の第一人者による、初心者でも写真のように描けるコツ

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更新日:2020/5/11

■絵にしたい風景の選び方

「風景を描こう」と思うと、つい山や海、季節を象徴する現象など美しい自然や造形物をモチーフ(主題)にしようと思ってしまいがちですが、林氏が描くのはあくまでも身近な場所。美しい自然などはありきたりになってしまう可能性があるため、自分だけのモチーフを探すことが大事だといいます。
 毎日歩いている道、いつもの道から延びる入ったことのない横道、通勤電車の窓から見かける少し寂れた公園…。「何かピンとくるものがないか?」という視点で見るクセをつけ、“おもしろい”と感じることができれば、それが自分だけのモチーフとなるのです。

 そして、モチーフが見つかったら次に行うのは「構図」。絵を構成するのは「色・形・構図」のため、縦長なのか横長なのか…どう切り取るかが重要となってきます。「そんな構図なんて言われても分からない」という人もいるでしょう。しかし“自分が一番描きたいものは何か、その描きたいものをどこに配置したいか”と考えると分かりやすくなりませんか? これこそが構図を考えるときのコツなのです。

 林氏は「絵を描くことは気楽なもの」だと本書を通じて述べています。

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失敗は気にしないでください。上手に描こうとするよりもたくさん描いていきましょう。そうすれば色鉛筆を扱う技術と同時に、風景を観察する観察眼もどんどん鍛えられていきます

 大人の趣味としてはもちろん、せっかくなら夏休みを活用してお子さんと一緒にチャレンジしてみるのも良さそうです。いつもなら足早に通っている道も、ゆっくり歩いてみたら何か発見があるかもしれません。忙しい毎日の中でつい忘れがちな感性を“色鉛筆画”を通して再発見してみてはいかがでしょうか?