サラリーマンも“副業”の時代が到来!「3つの財布」で時間的・経済的・精神的な自由をつかむ方法とは?

社会

公開日:2017/10/17

『自由の翼を手に入れる3つの財布』(成田仁/クロスメディア・パブリッシング)

 終身雇用が約束された時代も終わろうとしている。どの企業もどこかしらブラックな部分を抱え、それに耐えながらビジネスマンたちは働く。かつては終身雇用が約束されていたので耐えることができていただろうが、今や会社に貢献しても昇給は微々たるもの。さらに時代の流れでいつ会社が傾くかも分からない。私たちビジネスマンは、仕事に対する不満や将来への不安を漠然と抱えながら働いている。

 『自由の翼を手に入れる3つの財布』(成田仁/クロスメディア・パブリッシング)は、そんな漠然とした不満や不安を抱える主人公が様々な出会いを通して、時間的・経済的・精神的な自由をつかむ「3つの財布」について学ぶ物語だ。このリアルな物語を読むことで、読者も今より自由で豊かな生活をつかむことができるかもしれない。本記事では本書で紹介している「3つの財布」について取り上げたい。

■3つの財布とは

 3つの財布について説明するため、まずは2つ目の財布からご紹介しよう。その財布とは……副業のことだ。ニュースを見ている読者ならご存じかもしれないが、政府は少子高齢化による昨今の人材難を受け、終身雇用という働き方から、副業などの多様な働き方で経済を活性化させようとしている。国が主導して副業を推進しようとしているのだ。昔と違ってネットやスマホが普及したことで、いつでもどこでも新しいことが試せる環境ができた。初期投資ゼロでも自分の知識や経験をお金に変えることはできる。副業はいつでも誰でも今から始められる。

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 それでは3つ目の財布とは何だろうか。それは……不動産収入だ。少子高齢化で空き家問題が話題になっているが、それでも不動産ほど手堅いインカムゲイン、つまり収入が手に入るものはない。しかし「そんな簡単に不動産なんて手に入るわけがないだろう」と思われる方もいるだろう。そこで登場するのが1つ目の財布……サラリーマン収入だ。サラリーマンの収入は融資においてものすごいチャンスを秘めている。たとえばフリーランスならば、ある程度の現金を有していないと銀行は相手にもしてくれない。しかしサラリーマンならば、不動産を買うための融資に応じてくれることもある。ビジネスマンなら誰でも不動産を手にするチャンスはあるのだ。

■副業を使って人生を豊かにする

 ここまで読んだ読者は「普段の仕事に、副業に、不動産なんて……まるで金の亡者じゃないか」と思われたかもしれない。ここで本書が説いている大切なことがある。それは、2つ目の財布「副業」を使って自分の好きなことをすることだ。

 そもそも副業と聞くと、さらに稼ぎを増やしたい人や金に困っている人を思い浮かべる。しかし副業は何もビジネスのためだけにやる必要はない。釣りが好きな人ならば、自らがインストラクターとなり、釣り好きを集めて一緒に釣り場に出かけ、釣りのレクチャーをする副業をしても良い。これならば好きなことをしつつ、ビジネスとしても成立している。玩具を集めた個展を開いてもいいし、料理教室を開いてもいい。何でもいい。好きなことをそのまま副業にしてしまうのだ。ビジネスとして能動的に好きなことをやることで、普段以上に好きなことに時間を割く生活が始まる。

 このとき、サラリーマンと副業の2つの財布しかないならば、ビジネスとしての収益を気にする必要が出てくる。しかし、3つ目の財布である不動産収入があるならば、たとえ副業で赤字を出そうと不動産収入で補てんができる。これが時間的・経済的・精神的な自由をつかむ「3つの財布」の正体だ。

■プライベートカンパニーが収入を守ってくれる

 本書では、この3つの財布を持つべき理由をたっぷりと説明し、さらにそのビジネスを成功させるテクニックを紹介している。たとえば、副業や不動産を始める際、プライベートカンパニーを作ってしまうことだ。

 プライベートカンパニーを作ることで、税金面でお得なことが起きる。ざっくり説明すると、個人で副業や不動産の収入を得ても、その所得から税金がたっぷりと引かれてしまう。一方、会社化してしまうことで、不動産で得た収入から副業で出た経費や赤字を差し引きし、さらに役員報酬で利益を圧縮し、残ったお金から税金が引かれるので、個人で得る収入よりはるかに大きくなる。プライベートカンパニーが収入を守ってくれるのだ。

 この他にも、副業を始めたときに気を付けておきたいポイントや不動産で知っておきたいテクニックなど、私たちの生活をもっと豊かにするヒントが本書につまっている。ビジネスマンである限り、週の大半は会社で過ごす時間で奪われてしまう。だからこそもっと時間を有効に使って人生を豊かにしたいと願う人は多い。しかし願っているだけでは、その生活は一生変わらないかもしれない。まずは行動することが大切だ。そのきっかけが何なのか、何をするべきなのか、ぜひ読者も考えてみてほしい。

文=いのうえゆきひろ