いつも空いている病院はブラック!? 自分の身を守るため“ブラック病院の見分け方”を学べ!
2017/11/24

病院には数えるほどしか行ったことがない。幸せなことにこれまで大きな怪我や病気はしてこなかったし、風邪を引いても栄養ドリンクと野菜ジュースをがぶ飲みし、気合で治した。
とはいえ30歳を過ぎ、これからアラフォー・アラフィフが待ち構えている。寄る年波には抗えず、やがて身体にガタが来るだろう。気にしすぎかもしれないが、最近は暑さや寒さに敏感になってきたし、何となくダルい日が増えてきた気がしないでもない。すると、これまで縁遠かった病院とも親密なお付き合いが必要となってくるだろう。
そんな時にきっと困るのが、どの病院に行くべきかだ。最後に病院に行ったのがいつなのかもわからない。まず、やらなければならないのは、かかりつけの医者を探すことなのだろう。しかし、何がいい病院で何が悪い病院なのかわからないし、適当に行ってみたら「ブラック病院」「ブラック・ドクター」であってはたまったものではない。
健康だけが取り柄の私が病院・医療を知るのにピッタリの本が出版された。世にはびこる様々な「ブラック病院」や「ブラック・ドクター」の事例、病院・医者を見分けるポイントを紹介している『ブラック病院』(富家孝/イースト・プレス)だ。
本書はこれから病院と関わり始める、私のような“病院初心者”、ひいてはこれまで何となく病院と付き合っているような“ベテラン患者”も十分勉強になりそうだ。医師であり、ジャーナリストとしても活動する著者の富家孝氏が、我々一般人が知りえない病院の裏側を伝えつつ、医療制度の問題点や病院の経営危機、絶えない医療過誤事件、信頼できる医者の見つけ方を教えてくれる。
本稿では、本書に掲載されている「現代におけるいい医者の条件」と「こんな病院に行ってはいけない5ポイント」を以下に挙げたい。
■現代におけるいい医者の条件
信頼できる医者を見つけたいが、そもそも私のような病院にあまり行かない人間にはわからない。とはいえ、病院によく行くという人でもよくわからないこともあるだろう。そこで参考にしたいのが本書で述べられている3つの条件だ。
(1)謙虚さ、素直さ
(2)豊富なキャリア、経験
(3)コミュニケーション能力
当たり前であるが、医者は万能ではない。医学部で学ぶ知人によれば、外科は外科医、内科は内科医とそれぞれ専門の分野外はわからないことがほとんどなのだとか。しかし、中にはプライドがあるのか、「わからない」とは口が裂けても言えない医者もいるという。自分の専門外の分野は素直に「わからない」と患者に伝え、専門医を紹介する。そういう医者がいい医者の条件の一つだ。
また、いかに有名大学を出ている医者であっても、名医であるとは限らない。大学卒業後の現場でどのような経験を積んできたかが、医者を判断する際の指標になる。これは塾講師・家庭教師にも通じるが、有名大学出身だからといって、実際の生徒を前にしてわかりやすい授業ができるとは限らないことと同じだろう。
(3)に至っては医者である以前の問題だが、患者と普通の会話ができない医者が多いそう。相手と円滑なコミュニケーションが築けないと、患者の立場を考えた治療は難しい。医者も患者も機械ではなく、生身の人間なのだから当然だ。
■こんな病院に行ってはいけない5ポイント
いい医者の見分け方がわかったところで、次は「行ってはいけない病院」だ。ポイントは以下の5つ。
1.いつ行っても空いている病院
2.規模に比べて診療科目が多い病院
3.最新設備がありすぎる病院
4.看護師が忙しく働いている病院
5.土日を返上して診察を受け付けている病院
「いつ行っても空いている病院」などは病院で待たされるのがイヤな私にとって魅力的な病院に感じるもの。しかし、空いているのにはそれなりの理由があるという。個人病院の中には、わざとサクラを置いて病院が繁盛しているように見せかけるところもあるというから驚きだ。本書を読むとわかるのだが、病院経営は思っている以上に難しい。サクラという手を使ってでも…という病院があっても不思議ではないのだ。
それ以外の「規模に比べて診療科目が多い病院」「看護師が忙しく働いている病院」なども、各章で詳細に現状が伝えられている。
そして、これらを読むと「とりあえず近所の病院で、医療の難しいことは全部お医者さんに丸投げでいいや!」という考えが、如何に損をしているかがわかるし、ブラック病院に命を預けなければいけないことに恐怖を感じる。「自分の命は自分で守る」ためにも一読すべしだ。
文=冴島友貴
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