「柴犬が釣れた」愛犬とお散歩をしていると…!? ちょっぴりおバカな柴犬とのドタバタの日常

マンガ

更新日:2024/5/9

ドヤ顔柴犬どんぐり

 日本犬の一種で、古くから多くの日本人に愛されてきた柴犬。くるんと巻かれた尻尾やふさふさとした毛並みがかわいらしい犬種だ。そんな柴犬との日常を描いた『ドヤ顔柴犬どんぐり』(宮路ひま/KADOKAWA)は、読むだけで幸せな気持ちになれる作品。心から癒やされるので、忙しい毎日に疲れている人にこそ読んでもらいたい。

 どんぐりは、作者の宮路さんが飼っているちょっぴりおバカながら明るい性格とつぶらな瞳がかわいらしい柴犬。宮路家の愛を一身に受け、まるで「愛されて当然ですけど何か?」といわんばかりのドヤ顔で毎日楽しく暮らしている。そんなどんぐりはお散歩が大好き。不規則な生活になりがちな作者だが、朝・夕毎日のどんぐりの散歩時間だけはしっかり守っているという。

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ドヤ顔柴犬どんぐり

 どんぐりの趣味は、お散歩中にきのみ的なものが落ちていると、ボディプレスで潰すこと。お世話の大変さに思いを馳せつつも、汚れた身体を毎回洗ってもらうことでより愛されていると自覚するのだと思うと愛おしくなる。さらに、お散歩ついでに無人販売所で購入する葉付きの大根は、帰るころにはどんぐりに葉っぱを食べ尽くされてしまうらしい。歩きながら大根の葉っぱだけ貪る柴犬を想像するだけで、幸せな気持ちになれるだろう。実際に大根の葉に食らいつくどんぐりの写真も掲載されているので、併せてチェックしてもらいたい。

ドヤ顔柴犬どんぐり

 仔犬はウルウルとした瞳で「キャンキャン」「クゥ~ン」と鳴くイメージがあるのではないだろうか。思わず人間がメロメロになってしまうような、高くてかわいい鳴き声を想像する人が多いだろう。しかしどんぐりは、仔犬のころから「あわわあわわ(わには濁点が付く)」と地を這うような低音を出していた。なんだか普通の犬とは違う気がするけれど、そんな個性すら愛おしいと感じるだろう。

ドヤ顔柴犬どんぐり

 宮路家でどんぐりのお世話をするのは作者だけではない。作者の両親も一緒になり、一家総出でどんぐりをお世話しているのだ。爆睡するとときどきおねしょをするどんぐりの布団を洗うのは母の仕事。そんな布団を干すと「(おねしょする年齢の子どもがいるのではないかと)近所の人に誤解されそう」というお茶目な母もかわいらしい。これからは外に干された布団についたおねしょの跡を見ると、飼い犬がいるのかもしれないと想像してしまいそうだ。

ドヤ顔柴犬どんぐり

 どんぐりはニヒルな顔で脱走し泥まみれになって花壇で遊んでしまうので、雨の日の出入りには特に注意が必要だという。雨の日に花壇を飛び跳ねて遊んでいる姿を見るだけならかわいいのだが、飼い主からすれば絶望的な光景なのだろう。黒柴に見えるほど真っ黒になったどんぐりは、たとえ夜でもお風呂で洗うしかない。脱走している間はあんなにドヤ顔だったどんぐりが父と母の手で洗われるときは悲壮な顔をしていることに、思わず声を出して笑ってしまう。

ドヤ顔柴犬どんぐり

 宮路家では、どんぐりを褒めて育てている。わざとらしいほど褒めていると、「やっぱり」というようなまんざらでもなさそうな顔をするのも愛おしい。自分が愛されていることを最大限に自覚して毎日元気いっぱいにすごしているどんぐりを、毎日見守りたくなってくる。

 犬好きにはたまらない柴犬の実写込みの本作を読めば、きっと誰でも笑顔になって癒やされるだろう。さらに2巻では、引き続き慌ただしいどんぐりとの日常やどんぐりを連れての旅行、迷子犬の保護などのエピソードが描かれている。ちょっとおバカで明るい柴犬とすごす宮路家の日常を心行くまで楽しみながら、どんぐりのかわいさを堪能してもらいたい。

文=ネゴト/ 押入れの人

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