シャンシャン公開で“パンダブーム”再来の今、読みたい! 可愛いパンダの絵本シリーズ「パンダたいそう」

文芸・カルチャー

公開日:2017/12/18

『パンダ ともだちたいそう』
『パンダ なりきりたいそう』
『パンダ おやこたいそう』

 ころっとした愛くるしい姿で見る者を虜にするパンダは、いつの時代も人気者。「見ているだけで癒される」「ぜひとも本物を見たい」とパンダ目当てで動物園へ足を運ぶ人も多い。また、2017年6月12日には上野動物園で赤ちゃんパンダ・シャンシャンが生まれ、ニュースにもなり話題となった。12月19日にはシャンシャンが一般公開されることも決定し、29年ぶりとなる赤ちゃんパンダの公開に注目が集まっている。

 そんな“パンダブーム”に再び湧く今オススメなのが、大人気絵本作家・いりやまさとしさんが描く絵本「パンダたいそう」シリーズ。2016年9月に第一弾『パンダ ともだちたいそう』が発売されて以降、その可愛さで人気シリーズとなり、第二弾の『パンダ なりきりたいそう』、そして2017年10月には第三弾『パンダ おやこたいそう』が発売された。
本シリーズの魅力は、パンダの可愛さに溢れていることだけではない。絵本として楽しめるのはもちろんのこと、数を数え、クイズを楽しみ、親子で体を動かしてパンダのまねっこをしながら体操ができるという、一石何鳥にもなる絵本なのだ。

 一作目の「ともだちたいそう」では、2匹のパンダから始まり、ページを進めるごとに1匹ずつ増えていく。パンダたちはそれぞれの数で様々な形に変身し、楽しませてくれる。また、パンダたちが最後に登場する赤ちゃんパンダを気遣うシーンもあり、見ているこちらまで優しい気持ちになれる。

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 二作目の「なりきりたいそう」では、一匹のパンダが体を使っていろいろなものになりきっていく。左ページにはなりきっている白黒のパンダ、右ページには優しい色でカラフルなチューリップやロケットが描かれており、まだものの名前を知らない小さな子どもでもイメージできるよう工夫がなされている。

 最新刊「おやこたいそう」では、おかあさんパンダと子パンダが一緒に体操をしている。たけのこや時計の振り子から、大きくジャンプする花火、ころっと転がる芋ほりなど、パンダの可愛さを活かしつつ、幅広い動きができるようになっている。そして最後には、お母さんパンダのふわふわあったかい背中でスヤスヤ……。おかあさんパンダもスヤスヤ。ゆったりした空気で「おしまい」となる。

 パンダはいつでも可愛いが、シャンシャンが注目されている今なら、ニュースを見ながら、動物園でパンダを見ながら、そしてこの絵本を読みながら、より楽しく子どもと学ぶことができるのではないだろうか。小さい頃に親しんだ絵本は、意外と大きくなっても覚えているし、ふと読みたくなるもの。「パンダたいそう」シリーズも、そんな思い出の絵本として将来の心のオアシスになってくれるだろう。

文=月乃雫