カラダの相性? 気持ちの問題? 人に相談しづらい「セックス」の悩みを解決する赤裸々セックス解体新書4選!

暮らし

公開日:2018/1/7

 気にはなるけど、人に聞きづらい・相談しづらいのが「セックス」の悩み。自分は、自分たちのセックスは普通なのか? それとも、人とは違うのだろうか。きっと多くの人がそう思いながらも、その悩みを誰に話すこともできずに悶々と過ごしているのではないだろうか。今回は、そんなセックスのお悩みを少しでも解決に導くべく、セックスをテーマとして赤裸々に綴られている作品をまとめてみた。

▼「男性器」でもなく「ちんちん」でもない。”おとちん”著者インタビュー

『夫のちんぽが入らない』(こだま/扶桑社)

 ごく普通の主婦・こだまさんが初め書いた作品が『夫のちんぽが入らない』(扶桑社)。夫の、ちんぽが、入らない、ということを文字通り嘆く実話をもとにした私小説である。よくある倦怠によるセックスレスというわけではなく、本当に物理的にも精神的にも“入らない”こだまさん夫婦の日常を描いた作品。過去にダ・ヴィンチニュースは、こだまさんにインタビューを行った。「ちんぽ」という言葉の持つ意味・このテーマで書こうと思ったきっかけ・同じ悩みを抱えている人に伝えたいこと…作品内容と同じく赤裸々に語られるこだまさんの言葉は、いつの間にかタイトルのインパクトなど忘れてしまうほどに不思議と心にストンと落ちてくる。同じ悩みを持つ方には、ぜひともご一読いただきたい。本作は、なんと実写化&漫画化も決定している。

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このタイトル以外には考えられなかった――『夫のちんぽが入らない』著者インタビュー

▼すべてのネタをシモネタに着地させる匠・“深爪”のエッセイ2作目

『深爪流』(深爪/KADOKAWA)

 Twitterで14万のフォロワーを抱え、そのひとつひとつのつぶやきが注目を集める深爪さん(@fukazume_taro)。彼女の発言は芸能ネタから社会問題に至るまで、さまざまな切り口でつぶやかれているはずなのに、そのほとんどがシモネタに着地する……匠の技としか思えないツイートで、人気を博している。そんな深爪さんの『深爪式』(KADOKAWA)に続く2作目のエッセイが、2017年11月に発売されたのが『深爪流』(KADOKAWA)だ。前作では、不倫をする人のメンタリティから玉袋の魅力など幅広すぎる話題をメッタ斬りにしていたが、本作でもその鋭さは健在だ。

「(元彼)Yがバイトから帰ってくると、『おかえり』『ただいま』の挨拶もそこそこにケツやら乳首やらをまさぐられて、気がついたら再び出し入れをしていた。そして、そのあともお風呂で挿入。寝る前も挿入。翌朝起きて挿入。お昼も挿入、とエンドレスで続く。もはや挿入の合間に食事や仕事をしているような生活である」

 この部分だけで、2人の同棲生活がいかに壮絶なのかが伝わってくる。しかし、数週間後には深爪さんの精神に限界が訪れ、それと同時に起こったニンジン事件ののち同棲は解消。最後の一文に書かれた深爪さんの熱い訴えが胸を打つ。なんだかくだらないことで笑いたい……そんな夜にピッタリの一冊だ。

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セックス三昧の同棲生活を解消に導いた“太めのニンジン”……ページをめくればシモネタが飛び出すエッセイ『深爪流』

▼性やセックスはとんでもない!? 誰にも話せない悩みを解決する“大人の性の作法”

『誰も教えてくれない 大人の性の作法』(坂爪真吾、藤見里紗/光文社)

 “性”そして“セックス”という言葉に、あなたはどのような反応を示すだろうか。中には言葉だけで赤面してしまう人もいるだろう。「そんなことを書くなんてとんでもない!」と怒りをあらわにする保守派な人もいるかもしれない。しかし、性は誰にでも関係のある問題だ。性別による身体の問題は何かしらあるし、中には「自分は人とは違うのではないか?」と悩んでいる人もいるだろう。しかし、実際にはあまり語られることはない。少なくとも悩みの解決につながるような機会というのは、極めて少ないのではないだろうか。

『誰も教えてくれない 大人の性の作法』(光文社)は、男性サイド・女性サイドに分かれてそれぞれの性が遭遇しやすい悩みについて書かれている。既婚や未婚に囚われず、自分の性欲について考えたい・異性との悩みに現実的に向き合いたい人に読んでほしい本である。

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「高齢童貞」に「高齢処女」…結婚の考え方やあり方が変わる中で置き去りにされる大人の性教育

▼援助交際・合コン・風俗…「セックスで生きていく」女たちの重いリアル

『セックスで生きていく女たち』(酒井あゆみ/三交社)

「貧困女子」という言葉が話題になったが、生活費を稼ぐためというのは古くから売春の理由でもあり、近代社会において彼女たちは社会福祉による保護の対象となるべきだろう。だが、お金を稼ぐためだけではなく、セックスをしたいからやる女性も一定数存在するというのも事実だ。『セックスで生きていく女たち』(三交社)を覗いてみると、人と人との間に「通じ合えないモノ」が横たわっているように思える。

 援助交際をする17歳の女子高生である美樹の話や、出産後にセックスレスとなり暇と体を持て余した主婦たちが、合コングループを作り日中に男性と会うという話…「セックスで生きていく」女たちの物語には、おそらく読者もひとこと言いたくなるだろう。しかし、もしかしたら、勝手に相手を理解した気になって心を寄せても、自分の物差しで価値観を押しつけるだけなのかもしれない。他人の人生を覗き見ても、自分の人生しか歩めない自身の経験不足を思い知らされる重い一冊だ。

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「セックスで生きていく」彼女たちのリアル――欲望なのか、性の暴走なのか?

 セックスの悩みは人それぞれ。人と共有することは難しいかもしれないが、本が相手であれば恥じらいもなく自分の悩みと向き合う機会を与えてくれるはずだ。「セックス」を楽しむことはもちろん、それに疑問を持つことは、決して恥ずかしいことではない。この冬、より安心してセックスライフを楽しむためにも、あなたの悩みを解決してくれる一冊を勇気を出して探してみてはいかがだろうか。

文=田中利知(ネイビープロジェクト)