中年(ホモ)で無職、東京23区に一軒家を買った! その結果……

暮らし

2018/1/23

『ホモ無職、家を買う』(サムソン高橋:原作、熊田プウ助:作画/実業之日本社)

「世界一周ホモのたび」シリーズでおなじみサムソン高橋さんの最新作『ホモ無職、家を買う』(サムソン高橋:原作、熊田プウ助:作画/実業之日本社)。

「ホモたび」は結構マニアックで、多少読む人を選ぶ内容だと思うが、本作はその毒気がなくなり(「ホモたび」はそのマニアックさが面白くて、私は大好きなのだけれど)、「家を買う」という、多くの人が興味を持てるテーマのコミックエッセイである。

 サムソン高橋さんはもうすぐ50歳。ほぼ無職なのに、800万円で東京23区内に3階建て(屋上付き)一軒家を現金で衝動買い。築40年以上の古いお家なのだが、サムソンさんが今まで住んでいた、物があふれる狭小ボロアパートに比べ、収納スペースも多く、広さは申し分なし。快適な暮らしに満足するサムソンさん。

 しかし、お風呂はお湯が出ない(修理するのに50万円ほどかかるらしい)。寝室にしている3階にはエアコンがなく、夏はめちゃくちゃ暑い。雨漏りもする……。

 貯金を切り崩し、倹約に倹約を重ね、なんとか生活していたサムソンさんに、改装工事を頼むお金はない。

 ということで、自らDIYをして費用を節約することに。屋上の防水工事をしたり、土壁を漆喰に塗り替えたり、天井を塗装したり。ふすまも張り替え、ミニシャンデリアも設置。理想的な一人暮らしを目指すが、「とても50近いおっさんが改装したとは思えない」少女趣味あふれるお家になったとか。

 本作は「家を買う」という、大多数の方が興味関心のあるテーマを扱っており、なおかつ今流行りのDIYについても書かれているので、とっつきやすく、実用的な面もある一冊になっている。

 さらに、サムソンさんの知られざる(?)生い立ちや、家族についても書かれていたり、若かりし頃の初体験(!)や恋愛などにも触れられていたりするので、「ホモたび」ファンとしてはより一層楽しめる内容になっていた。

 一応、本作は一冊でも完結しているのだが、終盤でサムソンさんは以前より面識のあったエッセイストの能町みね子さんと同棲することになる。「もう恋愛とか期待してなくて、一気に結婚しちゃいたいんだよねー」という能町さんに、「じゃあ結婚前提でつきあってみる? 月5万で主夫やるよ!」と提案するサムソン高橋さん。

 ホモで無職の著者が東京に一軒家を買う。そしてDIYをする……というお話ももちろん面白かった。しかしそれよりも俄然興味があるのは、能町さんとサムソンさんの異色過ぎる結婚生活なのだが……(笑)。最後の最後でそんな物語の急展開を迎えるとは思わなかったので驚いた。ぜひ、お二人の同棲(ゆくゆくは、結婚?)も描いてほしい。

文=雨野裾