第1回放送直後から大反響! あの伝説の経済漫画が20年を経て映像化 織田裕二主演『連続ドラマW 監査役 野崎修平』が面白い!

エンタメ

2018/1/29

『監査役野崎修平』(著:周良貨、原著:能田茂/集英社)

 熱い正義感と人情で、金融界と社会の闇を追及していく圧倒的なドラマヒーローがまたひとり誕生した。社会派ドラマの傑作を次々と生み出しているWOWOWが、新たに原作にしたのは初の漫画作品。時代を先取りしたテーマと、人間の持つ熱き信念で読者を夢中にしたストーリーが、“今”、語りかけてくるものとは――?

“これで明日からまた頑張れる!”“次回への楽しみが、仕事への活力!”……第1回放送直後から寄せられた視聴者の熱き声、声! 連続ドラマの醍醐味とは、きっと“これ”だ。

「痛快だけど、“すっきり”というのではなく、観た人に何かが提示されていくという題材が、やはりWOWOWドラマならでは」――主演・織田裕二さんが語った、その言葉はまさに『連続ドラマW 監査役 野崎修平』を直球で表している。

『連続ドラマW 沈まぬ太陽』『連続ドラマW 空飛ぶタイヤ』……と、骨太な社会派ドラマを世に送り出してきたWOWOWが2018年の幕開けに、新たな舞台として選んだのは、バブル経済が崩壊し、金融ビッグバンに銀行業界が直面した1990年代末。不良債権をひた隠しにする銀行、汚職に手を染める政治家……と、日本中が金と権力にまみれていた時代だ。そのなかで描かれていくストーリーは、小さな支店の支店長であるひとりの男に、取締役を監査する“監査役”への辞令が突然下りるところから幕が開く。大手銀行の中枢で対峙した不正、経営問題、さらには魑魅魍魎蠢く政界へも果敢に闘いを挑んでいく野崎修平の物語は、1998年の連載開始直後からビジネスマンの間で熱狂的に受け入れられた、同題の経済漫画『監査役野崎修平』(周良貨:原作、能田茂:漫画/集英社)が原作。WOWOW社会派ドラマでは、初のコミック原作となる。

「コンプライアンスという言葉すらなかった時代に、今を先取りした野崎のような考え方を持っていた人物を描いていたとは……」と、野崎修平役オファーの直後から、そして撮影中も常に原作を傍らに置き、演技の指針にしていたという織田さんが語るように、銀行改革を叫んだ伝説の傑作コミックは、メガバンク誕生をはじめ、現在につながる日本経済、社会の流れを予見している。そしておそらくメディアでは語られてこなかった闇の部分も……。今、改めて読み返してみると、“もしかして、あれは……”と符号する描写に鳥肌が立つ。だからこそ、20年前に描かれたこの作品が、“今”ドラマ化されることに意義があるのだろう。

ベテラン俳優たちによる演技の応酬 描かれるそれぞれの信念、人間臭さも“今”を生きる指針に

 1990年代の作品である『監査役 野崎修平』が、今、ドラマ化される意義として、そこに描かれる人々の熱量も見逃せない。SNSをはじめ、情報共有手段が広がるなか、何か意見を言っては叩かれ、頑張っては“イタイ”と言われ……何が自分にとって正しいことなのか見えづらくなっている今だからこそストレートに響いてくるのだ、強い正義感と人情、冷静な判断力を持った野崎修平の熱量が。銀行の不正を通して、彼が向き合っていくのは、社会に存在する理不尽や不条理。そのなかで自分自身が“人として正しい”と信じることに突き進んでいく野崎修平を、織田裕二は圧倒的な熱と人間臭さで体現している。時に心が折れそうになりながらも、愚直なまでに信念を貫いていこうとするその姿は、どこか自分の深いところにある何かを突いてくる。“そうだよなぁ”という共感を連れてくる。

 そして彼の前に立ちはだかる剛腕の行員・武田(岸谷五朗)、初の女性役員を目指す立川祥子(松嶋菜々子)、銀行界の闇にかかわる銀行頭取(古谷一行)……。その熾烈な闘いを展開していく周りを固めるベテラン俳優たちとの圧倒的な演技の応酬は、本作の醍醐味のひとつだ。ここまで日本を代表する俳優陣が集結していることもまた本作のクオリティの高さの証明のひとつと言えよう。 金融ビッグバン時代の背景や銀行内のシステム、用語など、リアリティを徹底的に追求したストーリーは、その知識を持っていないと、時に難解に映るところがあるかもしれない。だがそれこそが、『連続ドラマW 監査役野崎修平』の本気度の現れであり、ストイックとも言える、その制作姿勢が、上質な“大人のためのエンターテインメント”を確立している。全12巻もの長編である原作を、8回の放送に見事に結実させた本作は、一回、一回が見どころの連続! ぜひ観てほしい。

文=河村道子

原作
『監査役 野崎修平』(新装版)全12巻
周良貨/原作 能田茂/画 集英社ヤングジャンプC 各630円(税別)
1990年代末、バブル崩壊後の銀行を舞台に銀行改革を叫んだ伝説の傑作コミック。待望の新シリーズ『新・監査役野崎修平』が『グランドジャンプPREMIUM』にて連載中。地方銀行を舞台に、野崎が“アパートローン”に立ち向かう!

『連続ドラマW 監査役 野崎修平』(全8話)
原作/周良貨・能田茂(『監査役 野崎修平』集英社刊) 脚本/前川洋一 監督/権野元 出演/織田裕二、岸谷五朗、松嶋菜々子(特別出演)、古谷一行ほか 1月14日(日)より、毎週日曜22:00~ WOWOWにて放映。
出世コースから程遠い行員生活を送ってきた野崎のもとに下りた辞令は、なんと役員昇進である監査役への就任。だがそこで、彼は銀行内の不正を目の当たりにし、この銀行を変えると決意する。そして辿り着いた銀行の抱える“究極の闇”。そこには頭取の影が……。やがてストーリーは銀行内に留まらず、魑魅魍魎うごめく政界へも発展していく――。