3月のピーク前に試したい! 花粉症の目のかゆみを激減させる「初期療法」とは?

健康・美容

2018/2/19

『発症2週間前からの治療で花粉症の目のかゆみは激減する!』(深川和己/現代書林)

 今年ももうすぐ花粉の時期が訪れる。鼻水が滝のように流れ、喉がイガイガして、目がたまらなくかゆい。春は素晴らしい季節だが、花粉症患者にとっては地獄の季節だ。しかし読者に朗報がある。花粉症の症状の1つ「目のかゆみ」を大幅に緩和する方法があるのだ。『発症2週間前からの治療で花粉症の目のかゆみは激減する!』(深川和己/現代書林)の内容の一部をご紹介しよう。

■ヤッカイな花粉と免疫

 目のかゆみの症状がひどい場合、それに耐えきれなくなってから眼科に駆け込むのが一般的だ。しかしこれでは、目が大惨事になったあとで治療を開始するので負担が大きく、春を過ぎるまで症状に苦しむことも多い。本書の著者であり、医学博士でもある深川和己先生は、症状がひどい人ほど「初期療法」を試してほしいという。

 そもそも花粉症は、今の時期からすでに発症し始めている。まだまだ寒い日が続くにもかかわらず、ヤッカイなことに微量の花粉が空気中に飛散しているのだ。そのため毎年花粉症に苦しむ人は、自覚症状がなくとも、目の組織でごく小さな炎症が起きている。この小さな炎症が花粉の飛散量に応じて徐々に大きくなり、3月を迎える頃にはピークに達する。

 また、冬のうちから花粉の刺激を受けると、本格的に花粉が飛び回る時期に備えて、体の免疫が少しずつ臨戦態勢に入る。そして花粉の飛散が本格化したときには、免疫も大変に盛り上がっている。そのため晴天の日だけでなく、花粉の飛散量の少ない雨の日も目がかゆくなってしまう。少量の花粉で免疫が過剰反応してしまうのだ。

 こうなるともうどうしようもない。花粉を追い出すため、免疫が次の免疫を呼び、目が荒れた土地と化す。荒れた土地は敵の侵入を阻むバリア機能が落ちているので、花粉がどんどん入ってくる。そしてまた免疫が「そんなことは許さん」と暴れ回るので、負のスパイラルに陥る。体は素晴らしい免疫機能を備えているが、花粉に関してはヤッカイなことこの上ない。

■目のかゆみが強まる時期を1ヶ月ほど遅らせる「初期療法」

「初期療法」とは、花粉の飛散が本格的に始まる2~4週間前から眼科に行き、薬の服用を始めることだ。体の中で起きている軽微な炎症を抑えるための治療がメインとなる。症状が軽い状態で薬の服用を開始すると、目の炎症を早いうちから抑えることができ、症状の悪化を事前に防げる。

 また、初期から薬を服用すると、体の免疫の臨戦態勢の緩和が期待できる。花粉に過剰反応する免疫が少なければ、炎症も軽くなる。その結果、目のバリア機能も保てるので、花粉が目に入りこむスキを減らせる。

 深川先生は「初期療法」を行うことで、かゆみなどの症状が出る時期を遅らせること、ピークの時期の症状を軽くすることが可能だと述べている。場合によっては、目のかゆみが強まる時期を1ヶ月ほど遅らせることができるそうだ。花粉の飛散時期はだいたい決まっているので、1ヶ月も遅らせることができれば、あの苦しい期間がどれだけ短くなるだろう。

 さらに、ピーク時の症状を緩和できるので、ステロイド点眼薬の使用を回避できるかもしれない。ステロイド点眼薬は花粉症患者の最終兵器だが、長期の使用は緑内障の原因にもなりかねないので、できれば使用を避けたいところ。

 初期療法は軽微な炎症を抑える治療なので、強い薬を服用することもないし、処方も複雑ではない。また、発症の時期を遅らせ、症状を先回りして抑え込んでいるので、通院が増えることもないそうだ(初診の場合は、患者の様子を確かめながら治療を進めるので、通院が増えることもある)。花粉のピークとなる2月や3月に何度も眼科に駆け込む人は非常に助かるのではないか。

 本書はこの他にも、花粉症患者が知っているようで知らない「花粉症を発症する仕組み」、花粉症のセルフケア、目薬のあれこれなどなど、目からウロコの情報をたくさん紹介している。今年こそ、花粉症を軽減して楽しい春を過ごしたいところだ。

文=いのうえゆきひろ